質問ありがとうございます(^^)
用材と薪炭材の違いをテーマとした問題については、スタディサプリ 第11講[9]でも取り上げています。こちらをご覧いただければと思います。
またこれ以外に似たタイプの問題は過去に2問問われており、以下になります。問題は入手しにくいかも知れませんが、解説を読むだけでも雰囲気はわかると思いますので、こちらも参考にしてください。
2006B追[18]
↓解説
https://ts9ts9ts.cloud-line.com/ts9ts9ts/page21455/page37687/
問1 [講評] 木材伐採と製紙業に関する問題。木材伐採は地理Aではしばしば登場するネタだが、地理Bでは初出だと思う。製紙業については、07B本で出題されているんだが、それはおそらく前年度の追試(つまりこの問題ってことね)を受けてのことだろう。地理Aで出題されたネタが地理Bに昇格し、追試で出題されたネタが本試にさらに昇格する。こういった流れがはっきりわかったおもしろいと思うわけです。
[解法] 「薪炭材が発展途上国、用材が先進国」というセオリーは絶対的。とくに薪炭材というのは燃料としての利用ということだから、電気やガスなどの普及の度合いが低い発展途上国でこそ、その用途が主となりえることは簡単に理解できるよね。
選択肢の4つの国を分類すると、インドネシアと中国が発展途上国、日本とフランスが先進国。
表中の1~4については、薪炭材の方が多い1と2が発展途上国、用材が多い3と4が先進国である。インドネシアを特定する問題なので、この時点で正解の候補から3と4を消去する。
残った1と2が、インドネシアか中国のいずれか。ここからは国のサイズを考えればいいと思う。中国は人口13億の超大国であるのに対し、インドネシアも人口は2億と多いが、それでも中国にはさすがに及ばない。このことからそれぞれの数値が大きい1が中国、小さい2がインドネシアであるとみて問題ないだろう。
3と4については不問。
[学習対策] 「解法」の説明ではいかにも簡単に解けたように書かれているが、実はメッチャ迷った問題だったりするのだ。1と2がインドネシアと中国、3と4が日本とフランスとしぼるまでは簡単なんだが、ここからが実は悩んだ。
例えば1と2。インドネシアは赤道直下に位置する熱帯国であり、森林面積割合も高い。林業が非常にさかんであり、木材伐採量も多いはず。だから一瞬、1がインドネシアかとも思ったりするわけだ。でも「紙・板紙の生産量」に注目すると、1が2を圧倒している。人口規模の小さなインドネシアの方が、紙の生産量が多いなんてことがありえるんだろうか。すごく悩むのだ。まあ、でも中国とインドネシアでは人口も面積も5倍ぐらい違うわけだし、そう考えてみると「薪炭材」や「用材」については1と2の違いがせいぜい2~3倍程度なんだから、一人当りの伐採量を考えてみると、インドネシアの方が上ってことになるよね。そう考えれば、「森林国としての性格を有するのはインドネシアであるが、それでも全体的な量でみれば面積、人口ともに圧倒的に巨大な中国にはかなわない」と解釈してできるよね。1が中国、2がインドネシアで問題ないでしょう。
とりあえずこんな風に、迷ったらとにかく「国のサイズ」を意識することは重要だと思う。サイズとは、面積であったり、人口であったり、GNIであったり。もちろん中国の方が、インドネシアより「サイズの大きな」国である。
2004A追[7]
↓解説
https://ts9ts9ts.cloud-line.com/ts9ts9ts/page61414/
問7 木材に関する問題はしばしば出題されているので用語を知っておくといい。
「用材」とは主にパルプ・紙に利用されるものであると考える。紙の消費量が多い先進国や人口の多い国で需要は高いものだろう。
「薪炭材」とは燃料用の木材のことで、これは発展途上国で使用される。例えば焼畑農業と結びつけて考えてもいいだろう。
「針葉樹」については冷涼な地域の指標。この割合が高い国は冷帯で、低い国は熱帯。
以上のことを頭に入れながら解いていこう。
最も簡単なものは④だろう。「針葉樹の割合」が極端に低いので熱帯国と思われる。赤道直下のブラジル。アマゾン流域の熱帯雨林。
さらに③について。薪炭材の使用量が用材を上回っている。発展途上国だろう。インドに該当。針葉樹の割合が低いが、比較的低緯度に位置することを考えれば妥当。おかしくない。
①と②については、ともに用材の伐採量が薪炭材を上回り、ともに先進国。これでは判定が難しい。よって「針葉樹の割合」に目を移す。②の方がこの割合が高く、より冷涼な国であることが想像できよう。このことから②をカナダとし、一方、広葉樹も多く分布すると思われる米国が①。
以上になります。
要するに「用材=紙」、「薪炭材=燃料」と考えれば大丈夫です。紙をたくさん使う先進国で「用材」、電気がガスが普及せず木材を燃料として用いる発展途上国で「薪炭材」が、それぞれ多くなります。1人当たりGNIと比例するのが用材、反比例するのが薪炭材ですね。