<第1問問4>

 

[インプレッション]

第1問の自然環境にはこのように大地形に関する問題がしばしば登場し、その多くは知識問題だったりする。でも全然慌てなくていいよ。出る内容はほぼ決まっているし、過去問をしっかり解いて対策すれば十分に解答できる(その代わり、過去問は20回分ぐらいは分析して欲しいな)。今回も「火山の位置」という定番ネタが出題されている。

 

[解法]

大地形ジャンルで最も重要な話題は「火山の位置」。火山がどこに存在するのか、詳しくチェックしておかないといけない。一覧にしておくので確認しておこう。

 

(1)環太平洋造山帯。新期造山帯の全てに火山が分布しているわけではなく、例えばアルプスヒマラヤ造山帯においては火山分布は限定的。基本的には「火山は海に存在」とイメージすればいい。日本列島だって、海から突き出した火山の島でしょ?太平洋の外周に沿って火山が並んでいる様子を想像しよう。アリューシャン列島~千島列島~日本列島~フィリピン~インドネシア~ニュージーランド~南極~南アメリカ太平洋岸~メキシコ~北アメリカ太平洋岸。ただし、この火山帯は途中で枝分かれして、一部が大西洋側と通過している。カリブ海の島々があるでしょ?日本列島と同じような弓形の島々つまり「弧状列島」になっている。プレート境界(海溝)に沿って多くの火山島が形成されている。

 

(2)イタリア半島。イタリアも日本と同じく変動帯の国だが、北部のアルプス山脈には火山がないので注意。やっぱり火山が存在するのは「島」なのだ。イタリア半島っていう「半分が島」の地域に火山が分布する。これ以外にギリシャの島々など地中海には火山は少なくないが、テストで問われるメジャーなものはイタリア半島とその南に位置する島(シチリア島)の火山だけなので大丈夫。一般的に火山がほとんど分布しないアルプスヒマラヤ造山帯の中ではイタリア半島は例外的な地域。

 

(3)アイスランド。上記の2例がプレートの狭まる境界に沿って形成された火山ならば、こちらはプレートの広がる境界の火山。大西洋の中央を走行する海嶺の上に形成された火山島がアイスランド。

 

(4)キリマンジャロ。アフリカ東部の大地溝帯は海嶺が陸上に現れたもので、プレートの広がる境界。この大地の裂け目に沿って形成された火山がキリマンジャロ。標高6000mに達し、赤道直下ながら山頂付近は年間を通じ氷に閉ざされる。

 

(5)ハワイ諸島。例外的な火山。プレートの境界部ではなく、その内側に形成された火山。地下のマントル対流が海洋プレートを突き上げ、火山が形成されている。ホットスポットである。プレートがぶつかる圧力がないので、ハワイの火山は爆発力が弱い。標高4000mの山頂には天体観測所が設けられているが、普通の火山ならば火山灰で視界が悪いから天体観測なんか無理。溶岩は河口から流れ出すだけで爆発を伴わない。

 

どうだろうか、火山ってこれだけだから覚えやすいでしょ。たまたま日本列島に火山が多いから地球全体に火山が分布するイメージがあるかも知れないけど、それが全然違うのだ。日本は世界で最も火山が過密な地域。この小さな島々に世界全体の7%の火山が集まっている。

 

このことから火山の場所はわかるよね。5のイタリア半島、それから1のカリブ海の島々。とくにカリブ海の島々は形にも注目してね。日本列島と同じような弓形の島々。弧状列島なのだ。プレートの狭まる境界に沿う。

 

では次は熱帯低気圧に話を進めよう。これも意外に出現する地域(海域)は少ない。熱帯低気圧の発生する条件としては2つあり、まずは温暖な海域。低緯度の海域であって、さらに寒流が流れていないことが条件。例えば図5で言えば、1は該当。ここは低緯度であり、暖流であるメキシコ湾流の影響が強く、水温はかなり高い。5は緯度が高く水温が十分でないので不可。4は一応低緯度といえるが、沿岸を寒流のカナリア海流が南下し、熱帯低気圧は発生しない。3も同様。こちらも緯度は低いものの、寒流のベンゲラ海流が流れ込み水温が低い。2は微妙なのだが、ここもやはり熱帯低気圧は発生しない。緯度的には問題ないのだが、ここを流れるブラジル海流は一応暖流ではあるものの、さほど水温が高くない。大西洋の南半球側では反時計回りの海洋循環がみられ、アフリカ南西岸を北上するベンゲラ海流(寒流)が、赤道の手前で左に向きを変え、南赤道海流となる。それがさらに南米大陸に達すると左に曲がり、ブラジル海流。そのブラジル海流も南極周辺で西風海流となり、ベンゲラ海流に連結する。このような「反時計回り」の海流の流れが南半球にはみられる。ただ、太平洋に比べ大西洋は幅が短く、南赤道海流の流れる距離も短い。赤道付近で十分に海水が温められないため、その延長上にあるブラジル海流も暖流としては比較的水温が低い。このことが、ブラジル沿岸で熱帯低気圧が発生しない一つの要因となっているのだ。

 

この時点でJとKの二つの条件を満たす地域として1が正解となっているのだが、せっかくなので熱帯低気圧が発生するもう一つの理由にも触れておこう。それが「赤道直下ではない」こと。つまり低緯度海域ではあっても、赤道直下の海域は含まれない。緯度10~20度ほどの海上に発生場所は限定されるのだ。その理由が「転向力」。転向力とは地球の自転によって生じる力で、風や水は進行方向に対し、北半球なら右向きの、南半球なら左向きの、それぞれ力を受ける。熱帯低気圧は周囲から風が強く吹き込み、水分供給を受けることによって巨大化するわけだが、この際に空気が強い渦を巻かないといけない。空気の流れは転向力を受けて方向を変え、渦を巻くことになる。北半球は低気圧の周囲を反時計回りで風が周回する渦が生まれ、南半球では時計回り。この力によってこそ低気圧は巨大化し、台風やサイクロン、ハリケーンに成長するのだ。例えば赤道直下のシンガポールでは年間の降水量は多いが、それは夕方に降るスコールによるもの。年間を通じ熱帯収束帯に含まれ上昇気流の作用が活発なのだ。熱帯低気圧によるものではない。

 

ただ、本問の場合は赤道直下の地域は含まれていないのでこの2つ目の条件は無視していい。JとKの両方の条件を満たす地域がカリブ海の弧状列島であり、Jのみがイタリア半島や島嶼部となる。

 

[雑感]

火山の場所はこれでもかってぐらいに出題されるので、簡単に解けるようにしておいてね。今回取り上げられたカリブ海地域は盲点になりますいけれど、その形(弧状列島)が日本と共通しているので、わかりやすいとは思うよ。

 

熱帯低気圧についてはその名称(太平洋北西部が台風、インド洋とオーストラリア北東岸がハリケーン、北アメリカ周辺がハリケーン)といったことをやたら気にする人がいるけれど、そんなん出題されないから大丈夫で(笑)。そんな一問一答式の暗記より、「なぜ熱帯低気圧が生じるか」のメカニズムの方が大事。「水温が高い」こと、「転向力を受ける」こと、この2点が重要なのだ。

 

そして日本は世界でも稀な「火山」と「熱帯低気圧」の被害を受ける国。そういう意味では1のカリブ海地域と共通するが、しかしカリブ海地域には考えられない災害も日本では生じるね。そう、それが冬の「豪雪」なのだ。日本は世界でも稀な積雪に見舞われる国であり、地球上でも最も自然災害を受ける国なのだ。客観的にみて、どうしてこんなところにこんなにたくさんの人が住んでいるんだろうって思うよね。世界の国々の教科書では、日本について「巨大地震が起こり、世界の1割近くの火山が集中し、夏は多くの熱帯低気圧に襲われ、冬は豪雪に見舞われる国」として紹介されているはず。

 

<第1問問2>

 

[インプレッション]

海流の向きは定番問題。これは確実に。ただマングローブとさんご礁は難しい。これらはスケールの小さな地形・植生であり、こういった大陸サイズの地図において示されるものではないと思う。ある程度、勘で解かないといけないのかな。

 

[解法]

問題文が興味深い。「海水温」、「海水の塩分」、「海水の濁度」によってさんご礁やマングローブの分布が決定するそうだ。いずれも熱帯域にみられる地形・植生であるので海水温が高いことは共通。他の2つの条件が面白い。

 

さんご礁は「海水の塩分」が濃い(というか、普通の海水。淡水や汽水ではいけない)ことが条件。さらに透明度の高さも必要。濁度は低い。さんご礁は基本的には石灰岩という岩石であり、これが分布するのは岩石海岸。また海水は透明でないといけないので、外海に面する波の高い海岸が適する。泥などの濁りは少ない。

 

マングローブはその逆で「海水の塩分」は薄い、というか汽水が適する。汽水とは淡水と塩水が入り混じったものであり、マングローブは河口の海岸にて成長する。海の水(塩水)と河川の水(淡水)が混じっている。さらに河川が有機物が豊富な土砂を運び、河口に堆積するのだが、その上にマングローブは発達する。つまり泥地の上に木々が広がることになり、透明度は低く「濁度」は高い。泥地には多くの貝類や虫の生活の場となり、それを餌として求める鳥たちも多く訪れる。豊かな生態系が育まれる。また河口であるので、入江に位置することが多く、波は静か。

 

このようにさんご礁とマングローブは全く成立の条件が異なる。これを意識してアとイを判定してみよう。とはいえ、この2枚の図、さほど差異はみられないのだ(涙)。どこに注目すればいい?

 

例えば図の北の方だろうか。北アメリカから突き出したフロリダ半島周辺を見ると、アが比較的点が少ないのに対し、イでは多くの点によって黒く塗りつぶされたような状態。上述したように、汽水が必要なマングローブは陸地に沿った深い入江に分布するのに対し、さんご礁は波の荒い外海に面する海岸。さんご礁の方がマングローブより沖合に発達することが多く(もちろんそれでも海底まで十分な日光が及ぶ浅い海域に限られるが。さんご礁の発達のためには日光が必要なのだ)、その範囲は広範となるはず。アでは島にくっついた形でマングローブが発達するのに対し、さんご礁はそれよりやや沖合まで伸びているので、黒点の範囲も広くなっているのでは。アをマングローブ、イをさんご礁とする。

 

さらに注目するべきは図の北西部。メキシコから中央アメリカにかけての太平洋沿岸。アでは海岸に沿って点が分布するのに対し、イではこの海岸線は空白地帯となる。これ、どういうことだろう?アがマングローブなので、この海岸の入江に沿ってマングローブが分布しているってことなんだろうね。それに対し、イのさんご礁ってどうなんだろう?次の図3で取り上げるけれど、ここは実は寒流のカリフォルニア海流が流れていて、水温が低いんだよね。外海に面する海岸に発達するさんご礁は、その「冷水」の影響を直接受けてしまい、発達が難しくなる。波が荒い海岸であるべきなのだが、その波の水温が低ければさんご礁は形成されない。マングローブはそもそも深い入江に発達するものなので、外海の水温の影響は受けにくい。このように解釈すると何の矛盾もない。やはりアがマングローブ、イがさんご礁なのだ。

 

ここまで来ればあとは簡単だよね。海流の流れは基本中の基本。北半球では大きく時計回り(高緯度側に小さな周回があるので厳密には「8」の字だけど)、南半球は大きく反時計回り。太平洋側ではカリフォルニア海流は北から南へ、ペルー海流は南から北へ流れ、大西洋側ではメキシコ湾流は南から北へ、ブラジル海流は北から南へ流れる。方向はAからB。

 

[雑感]

マングローブとさんご礁は対比的なものとして登場するので、問題の出題意図としてはよくあるものだけれども、こういった小縮尺の大陸図でその場所を特定させるのはどうだろう?さすがにちょっと難しいかな。

海流の流れは基本なので、とくに問題ないでしょう。冷たい海水を暖かい海域へ運ぶのが寒流(カリフォルニア海流、ペルー海流)、暖かい海水を冷たい海域へと運ぶのが暖流(メキシコ湾流、ブラジル海流)。

<第1問問3>

 

[インプレッション]

今回の試験で唯一都市名が登場している問題。地名や都市名ばかり覚えている人がいるけれど、ほら、出たところで1問程度なんです。コスパ悪すぎでしょ?それに本問にしても、オーストラリアとロシアという国名さえわかれば十分に答えられる。要するに「ロシア=北半球」の図、「オーストラリア=南半球」の図を探せばいいんだから。パースやヤクーツクなんていう都市名を知っていると、逆に答えに迷うかもしれない。

さらに言えば、こういった気候判定の問題において「ケッペンの気候区分」の知識が必要になることも有り得ない。気候は徹底して理論に基づいて考えるべきで、「覚える」ことはマイナスにしかならない。

地名・都市名、ケッペンの気候区分は絶対に出題されない。そこのとこ、共通テストは徹底しているね。

 

[解法]

こういったグラフは雑にみるのではなく、必ず補助線を引いて細かく見ていくことが必要。ボリビアという国は知らないので、オーストラリアとロシアにのみ注目。都市名は共通テストでは出題されないので、無視してください。

それぞれの図では、横軸に月が示されている。これを手がかりにオーストラリアとロシアを探してみよう。オーストラリアは南半球なので、7月の気温が低く、1月の気温が高い。ロシアは北半球なので、7月の気温が高く、1月の気温が低い。

 

縦軸が時刻。12時に沿って横線を引いてみよう。例えば東京では1月の12時は10℃ほど、7月の12時は30℃に近い。

 

カの判定。1月の12時は「+」に近い。この等値線を、例えば標高を表す等高線のようなものだと思えば、ここに山頂があるということ。高い値。それに対し7月の12時は低い値となっている。とくに7月の24時、6時などは「-」の等値線の範囲内にあり、ここはいわば「谷」の部分。気温が低いのだ。1月が高温、7月が低温ということで南半球の性質がはっきりと表れている。オーストラリアに該当。

 

キの判定。全体に等値線が横向きの線となっており、1月12時の温度と7月12時の温度がほとんど同じ。これはどこだろう?赤道に近いところなのではないか。オーストラリアでもロシアでもない。

 

クの判定。1月の12時は「-」である。ここに「谷」があり、大きく落ち込んでいる。気温は低いと見られる。7月の12時は「+」の等値線の内側にあり、「山頂」である。気温が高いということではないか。1月が低温、7月が高温なので北半球。これがロシアである。

 

どうだろうか。複雑と思われるグラフだが、見るところをしっかり決めて(つまり同じ時間における1月と7月の気温の違い)しまえば、簡単に読解できる。都市名は「知らない」と開き直って、さらにボリビアというマイナーな国の存在も切り捨て、オーストラリアとロシアだけで判定すればいい。どう?簡単でしょ?そして何てスマートな解き方だと思わない?これが共通テストの気候ジャンルの設問の解き方なのだ。

 

[雑感]

凄い問題だよね。都市名を出しておきながら、それが全く関係ない。普通の地理講師ならば、「オーストラリアのパースは地中海性気候で、、、」とか「ロシアのヤクーツクは気温年較差が大きく、、、」のように冗長な説明を続けてしまうわけだけれど、君たちはそれが全く意味のないことだと気づくでしょ?北半球と南半球の違いさえ明確にすれば簡単に解答に達するのだ。こういった「賢い」解き方をみんなにはして欲しいし、共通テスト地理にはこういった問題がいくらでもある。面白いでしょ?

<第1問問1>

 

[インプレッション]

これは意味がわからない問題。共通テストになってから、しょっぱなの第1問問1って変な問題多くない?僕はいつも第2問からスタートするようにしてるけど、君たちも最初にこんな変わった問題にぶち当たって心を折られるより、無難な(統計が中心になっているので解きやすいのです)第2問から解き始めた方が良くない?

 

[解法]

よくわからん。こういった図も初登場だし、言葉の定義も曖昧。「モンスーン」って何?いや、もちろん季節風のことなんだけど、モンスーンは夏は海から冬は陸から吹き出す風で、いつでも常に吹いているものじゃないの?時間スケールって関係ある?正直どうなんだろうね、この問題。気を衒って、変わった問題を出そうっていう妙な執念しか感じないな。

手探り状態ですが、とりあえず解いてみようか。「空間スケール」の方がわかりやすいと思う。例えば「地球温暖化」ってあるよね。地球全体に及ぶ環境問題であり、決して地域限定のものではない。空間スケールの最も大きな4が地球温暖化。「時間スケール」については100年単位のもの。長期間にわたる環境問題である。

逆に地域限定のものを考えてみようか。影響範囲は極めて狭い。これが「低気圧・台風」なんじゃないかな。例えば台風ならば南シナ海やフィリピン周辺の海域で発生し、日本列島や朝鮮半島へと移動する。この範囲は地球全体からみれば決して広いものではない。空間スケールの小さい1がこれに該当。時間スケールは数日間から一週間程度といった感じだろうか。台風の発生から成長はこれぐらいの時間スケールだと思う。

残った2と3がモンスーンか、エルニーニョ・ラニーニャ現象。エルニーニョ現象はわかりやすいと思う。太平洋東部の低緯度海域(南米ペルー沿岸)の水温が上がり、周辺では集中豪雨や海中の栄養分不足などの事象が生じる。そうすると、エルニーニョ現象の空間スケールって小さいことになるね。でもちょっと待って。ここではラニーニャ現象も含まれている。ラニーニャ現象は、エルニーニョ現象の反対だったかな。太平洋西部の低緯度海域(インドネシア付近)の水温が低下し、干ばつなどの被害が生じる。ラニーニャ現象の範囲も考えるならば、太平洋全域の低緯度一帯が該当し、これは比較的広い範囲なんじゃないか。いや、それも違うぞ、それどころじゃない。例えばエルニーニョ現象が生じた時には日本で冷夏?だったかな、気温変化といった影響があるという。これ以外にも、多雨や干ばつ、気温の上昇や低下といった世界各地の異常気象を誘発するものがこのエルニーニョ現象と言われているのだから、空間スケールは実はかなり大きいんじゃないか?2と3を比較し、空間スケールの値が大きい3がエルニーニョ・ラニーニャ現象となる。

残った2がモンスーンなんだが、これはどういうことなんだろう?モンスーンには季節風以外の意味もあり、インドでは季節風によってもたらされる「雨季」をモンスーンという場合もある。つまり「インドはモンスーンの時期に入りました」みたいな言い方をするわけ。雨季の期間は数ヶ月から半年程度であり、もちろん1年は続かない(一年の間に乾季もあるはずだ)。2をモンスーンとすると、時間スケールは妥当。さらにモンスーンの範囲はいわゆる「モンスーンアジア」である。東アジアから東南アジア、南アジアの季節風の影響を強く受ける地域で、夏には多雨となる湿潤アジアである。どうだろう?空間スケールも、エルニーニョ・ラニーニャ現象より狭いとみていいんじゃないか。改めて、2を正解とする。

 

[雑感]

ちょっとこの問題はないなぁ。どうで出題するならもっとわかりやすい「地球温暖化」にするべきだわ。あるいは言葉の定義をしっかりとすること。モンスーンについては「インドにみられる雨季のこと」としたり、エルニーニョ・ラニーニャ現象については「これらが原因となって生じる世界各地の異常気象も含む」としないといけない。地理は理系科目の側面もあるのだから、こういった定義は厳密であるべき。問題としてあまりに不親切。

 

 

<2025年地理総合第2問問1>

 

正解;③

 

Aの矢印を前方に伸ばし「視線」を定めよう。左奥に海が広がっているように見える。一方の右側は小高い陸地である。

①~④の写真の中央に縦線を入れてみよう・左側が海で右側に標高の高い陸地が見えるのは③だけである。これが正解。

 

他はちょっとわからないんですよね。。。いずれも左側に陸地が見えており似ているんです。②には左右に高架の道路が横断しているような(写真の左手にはっきり見える)。これが西瀬戸自動車道だとするとBが②なのかな。答えに関係ないしどうでもいいかな。

 

 

<2025年地理総合第2問問2>

 

正解;⑥

 

これは全くわからない。とりあえず次のように考えました。一応正解はできたけど。。。

 

ゆっくり解いていこう。まずは橋をチェック。1988年に開通したのが岡山・香川県間の瀬戸大橋(以後「瀬戸大橋」)。さらに1998年に兵庫・徳島県間の鳴門海峡大橋(以後「鳴門大橋」)が開通。同時期に兵庫県の本州部分と淡路島を結ぶ明石海峡大橋もつくられ、本州~淡路島~徳島が陸路でつながった。1999年には広島・愛媛間のしまなみ海道(以後「しまなみ」)も開通。以上の3つの経路が本州四国連絡ルート。

 

表で取り上げられているのは1995年と2015年。1995年の段階では瀬戸大橋のみ開通。やがて鳴門大橋としまなみが開通し、2015年にはその影響が現れているはず。

 

さらに表の交通手段を確認すると「幹線バス」と「幹線旅客船」がある。船ってかなり珍しいね。一般的に利用されているものなのだろうか。なおいずれも「通勤・通学目的を除く」とある。となると主に観光目的なのだろうか。観光客が船やバスを使って四国を訪れる。

 

ただ、ここでちょっと考えるのだが、四国へのルートは幹線バスと旅客船だけなのだろうか。というかこれらはむしろ特殊なものなのではないか。例えば瀬戸大橋は鉄道も通っていたはず。鉄道での観光旅行はひろく見られるものだと思う。

 

そして一般的な傾向としてやはり最大の交通手段といえば自動車である。世界のほとんどの国や地域で旅客輸送量や貨物輸送量が最大のものは自動車である。人々は自動車で移動し、そして荷物も自動車で運ばれる。

 

本問については「自動車」の代表例としてバスが登場しているが、むしろバスって特殊なんじゃない?最も多く利用される自動車は「自家用車」だよね。個人個人が所有する自動車に乗って本州から四国へと橋を渡る。

 

さらに言うならば航空機(飛行機)だって重要な移動手段だよね。とくに関東地方のような遠隔地から四国を訪れる場合は飛行機を使うことが多いと思う。

 

つまりこの表については取り上げられているのは2つの交通手段だけだけれど、実は「隠れキャラ」として自家用車や鉄道、航空機も含まれているということ(タクシーもあるかな?でもタクシーは少人数だと思うので考慮に入れなくていいでしょう)。このことを頭に入れて考えてみよう。

 

まずは総数に注目。全体的にみてFの数って他の県に比べて少ないと思わない?そもそもの訪問者が少ないことも考えられるけれど、例えばこの県に行く一般的な手段としては航空機がメジャーなんじゃないか。空を飛んでくるのだから橋の存在は関係ない。四国の中で最も遠く、航空機での移動がベターな県として「高知県」がこれに該当すると考える。

 

ちょっと強引だけれどもこれは仕方ない(涙)。本問は本当に難しい。何を目安に考えていいのか全くわからない。だからある程度はカンで解き進めていかないと収拾が付かなくなる。この時点で間違っていたならば(つまりFが愛媛県や徳島県だったなら)諦めるしかないな。そもそも無理な問題なのだから(苦笑)。

 

次いでGとHを判定。ここで最も気になる数字って何だろう?それはGの「5130」という数字。これ、他に比べて圧倒的に大きい。これだけ多いのはちょっと異常なぐらい。

 

それどころか、Gにおいては2つの交通手段の合計が1995年には「218+5130」で約5500であるのに対し、2015年には「725+909』で1500ほど。かなり人数が減っているよね。これはどういったことなのだろう?

 

四国への訪問者数自体が大きく減少したとは考えられないので(香川県などでは1995年から2015年にかけて増加しているではないか)、G県を訪れる人々の交通手段が他へと入れ替わったということだろう。その交通手段って?これについては先ほども指摘したよう、最もメジャーな交通手段である「自家用車」なんじゃないか。とくに旅客船の数字だけを注目したら5130から909に急減している。失われた4000はどこに行ったんだ???

 

これ、分かるよね。そう、今まで船で愛媛県を訪れていた人たちが自家用車を使うようになったということ。そしてこれは間違いなく「橋」が開通したことの影響だよね。それまでは橋がなかったので船を使うしかなかったのに、橋ができたことで自家用車で四国を訪れることが可能となったのだ。

 

G県については「1995年には橋を利用することが困難だった」ことと「2015年には橋による影響が極めて大きい」ことを考える。ここで問1の図1の上の図を見て、ルートを書き込んでみよう。まず岡山県と香川県を結び瀬戸大橋を描く。1995年の段階で開通しているのはこれのみ。そして1998年と1999年に残る二つのルートも開通。兵庫(本州~淡路島)と徳島県、広島県と愛媛県の間にもそれぞれ橋を描いてみよう。2015年にはこの影響がみられる。

 

さて、どうだろうか? 1995年の段階で移動に船が盛んに使われていたにも関わらず、2015年にはその数が急減している県ってどこだと思う?例えば徳島県ってその位置から考えて、大阪府など近畿地方との関係性が強いように思えるんだよね。大阪市から徳島県に人が移動することを考えてみよう。大阪市から船で徳島県に向かう経路はたしかに存在するだろう。でも、大阪市から岡山県を経由し瀬戸大橋を渡って香川県から徳島県に入る経路もかなり有効なんじゃないかな。「船に乗る」という手間を考えると、自家用車の移動は便利であり、多少は遠回りになるかも知れないがこの程度の距離ならば許容範囲なんじゃないかな。自家用車による「近畿地方~瀬戸大橋~徳島県」の経路は一般に使われていると思う。

 

それに対し愛媛県はどうだろうか?瀬戸大橋から遠く、その影響は小さいと思う。愛媛県と交流の深い県はやはり広島県だろうか。しまなみ海道がつくられたことからも両県の関係性はわかる。しまなみ海道がつくられる以前、広島県の人が愛媛県を訪れる際にはどういった経路を辿るだろうか。自家用車で移動することを想定すれば、広島から岡山に移動し瀬戸大橋を渡り香川から愛媛に至る経路が考えられるが、さすがにこれは遠まわりすぎないか。時間や交通費(ガソリン代や高速代)のロスが大きすぎる。瀬戸内海を挟んで目の前なのだから船が使われるケースはかなり多かったのでは。我々が想像する以上に旅客船による移動って一般的だったんじゃないか。5130という飛び抜けて大きい値は、橋ができる以前の島外からの訪問者の数としては納得の範囲。これが愛媛県なんじゃないか。残ったHが徳島県で正解は⑥。

 

というわけでとりあえず答えは出たのだが、まだまだ自信はない。さらに細かい数字に注目して確証を上げていく。

 

幹線バスに注目。どの県も1995年から2015年にかけての人数を増やしている点については共通している。ここで注目するのは徳島県(と思われる)のHの値。2015年になって急増している。これはやはり関西との関係性なんじゃないか。従来の瀬戸大橋に追加されて、近畿地方と直接繋がる鳴門大橋が建造された。淡路島を経由するこちらのルートが幹線バスの経路として利用されたのではないか。もとより人口が多い近畿地方であるので、この利用者数も多いはず。これは納得の数字。

 

その一方で旅客船については2484から81と急減している。これについてはそのまま自動車(幹線バスや自家用車)に置き換わったと思っていいんじゃないか。やはり近畿地方と四国を直接結ぶルートの開通の影響は大きいね。かつては大阪港と徳島の港を結ぶ連絡船の運航が盛んだったのだろうが、それも便数がかなり減ったと思われる。

 

どうだろうか。とくに矛盾したところはないので、正解は改めて⑥となる。それにしても本問は難しい。というか、普通の入試問題のレベルを超えているよね。でも僕はそれがいいと思っているのだ。君たちはこうした過去問を解いて、すぐに「ポイントはどこですか?」って聞いてくるけれど、そもそもこの世に問題を解決するためのポイントなんて存在しない。ポイントなんてものは思考停止を招くだけ。問題を解くためにそのポイントだけを知っておけばいいっていうのは君たちの思考を奪うものでしょ?君たちは自分で考え、自分で工夫して、自分でいろいろな気づきを得て、自分でいろいろな失敗をして、そしてその上で初めて「正解と思われる答え」に達するのだ。ポイントだけ覚えるなんて、考えることを放棄することはしてはいけない。問題を解くという行為はそんなに単純化されたものではないし、より重層的で複雑でそして美しいものなのだ。思考の美しさに出会う、そんな機会として「問題を解く」という行為を大切にしてほしいし、その過程においてこそ君たちの成長があるのだと思う。いいか?ポイントなんてないんだぞ?

 

(最後にひとつ)ところで、僕はふと気づいたのだが、もしかして愛媛県への旅客移動ってもしかして本州以外からも多いんじゃないか?地図を見ると納得できるよね。九州とくに大分県と愛媛県って実は海を挟んで目と鼻の先だ。もちろん橋はかかっておらず陸路ではつながっていない。九州と四国との船舶による旅客輸送って実は普通に盛んであり、その船の到着先が愛媛県なんじゃないか?そうなると1995年の数字の大きさって納得できるし、現在(2015年)になっても他の県に比べ旅客船の値が909とかなり高いことにも納得。広島からの訪問者は自家用車を使うが、九州からは依然として船舶が重要な足となっているのだ。いろいろと「気づき」の多い興味深い問題だったけれど、それにしても難しい(涙)。よくわからないところが多い。とはいえ、瀬戸大橋をテーマにしたような問題が今後も出るとは思わないし、本問については復習もする必要ないからそのまま放置でいいんじゃないかな。頓智?で解くしかないなぁ~。

 

 

<2025年地理総合第2問問3>

 

正解;⑤

 

「1キロ当たり事業所数」は第3次産業に関連するインディケーター、「第二次産業就業者割合」はもちろん第2次産業、そして「1人当たり農業産出額」は第1次産業。

 

県都であり愛媛県の経済の中心である松山市は第3次産業が発達しているはず。商業活動が盛んであるだろう。松山市の値が「高」であるLが「~事業所数」。

 

さらにJとLだが、ここは日本の工業地域の分布を考えよう(中学地理の範囲だね)。高度経済成長期に臨海部を中心に大規模な工業施設が建設され太平洋ベルトを中心に工業化が進んだ。瀬戸内工業地域はその一つ。図1から分かるように愛媛県の東部は瀬戸内海に面している。瀬戸内工業地域の一部を構成しているとみていいだろう。どういった工業種が立地しているのかは分からないが、工業が盛んであることは十分に想像ができるだろう(実はこの工業種については問4で「答え」が出てしまっているのだ。問4の内容が明らかな問3のヒントになってしまっているんだが。。。これっていいのかな???)。東部で高位となっているJが「第二次産業~」であり、残ったKが消去法で「~農業産出額」。

 

なおKで高位となっている西部の市町村の多くが人口密度が低い自治体となっている。過疎化が進んでいるのだろうか。農業が主産業で所得が低く、商工業が発達しない。若年層を中心に人口が流出し、出生率も低くなる。

 

 

<2025年地理総合第2問問4>

 

正解;③

 

これ、問3の答えになってるよね(笑)。今治市ではタオル製造業が盛んなのだ。とくに全国におけるシェアは圧倒的。問3でJとKをj判定する際にこのヒントが使える。今治市で高となっているJが工業に関するインディケーターであることが分かる(つまり第二次産業就業者割合)。

 

まずPの判定。資料1の一つ目のグラフが参考になる。事業所数は減っているのだが、成案量は増えている。1事業所当たりの生産量が大きくなっているということ。これは事業所の規模が大きくなっているということ。零細な事業所は潰れてしまったか、大手に吸収されたか。「大型化」がキーワードとなってアが該当。イは該当しない。「作業工程の分業化」を「複数の事業所」で行うならば、一つ一つの事業所は小規模なまま存在していることにならないかな。細かい仕事を手作業で行うような熟練工の技術も大切なのだが、それは大量生産とは噛み合うものではない。

 

さらにQの判定。

これは右下のグラフを参照しよう。輸入品の割合が高まっている。1997年には40%が輸入品ということは国内産が60%あったということ。とくに今治産の割合は国内の半分を占めているのだから(左下のグラフ)、国内で販売されているタオルのうち30%が今治で作られたものだったわけだね。

でも現在は輸入品の割合が80%に達し国内産は20%。今治産タオルは国内産の半分を占めるが、全体のシェアでは10%に低下してしまっている。生産そのものも(上のグラフ)ピーク時である1990年と比較すると19年には4分の1ほどになっている。もちろんこれは安い外国産のタオルに圧迫されたから。国際競争力が低下してしまっているのだ。台頭してきたのはもちろん「発展途上国の産地」。安価な労働力を利用して低コストでタオルを作っているため価格競争に勝っている(これを「国際競争力が高い」といいます)。zが該当。