今までは「見る方専門」だったのが、いよいよ写真を出展する側に回ることとなりました。
そして、写真展に出展するとなると、いろいろと準備が必要であることが分かってきます。
まず、費用の問題。これは出展料だけではなく、作品の印刷と展示のスタイル。たとえばサイズの問題。また紙に印刷なのかパネルなのか。額に入れるのか、入れずに他の方法をとるのか。などなど、それによって費用も変わってくるからです。

その意味でも、大規模な展示会を事前に見ておくと、いろいろな展示方法が研究出来ていいと思います。
また、予定している展示会場を下見するのも必要でしょう。その際仮に他の分野の展示会をやっていたとしても、よりイメージがはっきりすると思います。私の場合、ある小さな展示会場を下見しようと、その会場で開催されている似顔絵展に行ったことがありましたが、作品の配置や展示の裏技などていねいに教えてもらったことがあって、ずいぶん勉強になったものです。別分野の展示の方が、かえって客観的に会場を見ることができたからかもしれません。

次に作品の決定。私は今までグループ展にしか参加したことがあませんが、他の展示作品とのバランスを考えたり、被写体になってくださったモデルさんへの了承を得たりする必要もあります。これが個展となると、さらに会場全体の隅々にまで神経を行きわたらせる必要があることは言うまでもないでしょう。

ところで、私が展示会デビューをする時に一番分からなかったのが、印刷をどうするのかということでした。
パソコン上で見るのと家庭用のプリンターで印刷してみた結果とでは、ギャップがありすぎたからです。
「だめだ、こんなのは見せられない」
と絶望してしまうほどだったのです。
ただ、これはプリンター側の問題であることが後ほど判明しましたが、この問題を手っ取り早く解決するには印刷業者に依頼することが一番だと思います。私の場合は展示を見にいった際に、展示の仕方をいろいろな方にうかがうようにしました。そこから導き出した答えが、それだったのです。
今の印刷業者の印刷精度やフォローのきめ細やかさには目を見張るものがあります。
もちろん、経験や知識が増えて機材も揃えられたら自宅で印刷するに越したことはないのですが、最初のうちは業者に任せるのが無難なようです。

よく額装にするか、パネルにするかという話題が出ることがありますが、私のデビューはパネルでした。それが最も準備の負担が少なく、イメージもしやすかったからです。しかし、次からは額に入れるようになりました。
展示会の雰囲気がある程度分かってきたことと、やはり額に入ることで写真が周りの空間から切り離されて作品に集中してもらえると感じたからです。モデルさんも額に入っている方が、大切にされている気がするのではないでしょうか。もちろんあくまで個人の見解ですが。
何より、パネルは加工の手順が増えるのでどうしても経費が割高になってしまいます。(もちろん、これも自作するとなるとかなり価格は抑えられるらしい)
額を買うのはちょっとハードルが高い気もするけれど、これから先展示をしてくことを考えると、紙印刷だけの方がぐっとお安くなる計算になります。その意味でも紙印刷の方が私には合っていると思っています。
これは余談ですが、先日後先も考えず特注の額を思い切って買ってしまいました。すぐに使うというのではなく、近い将来全国的な展示会に出展する時に使おうと考えていたのですが、妙なもので、それが手元に届くとどうしても使いたくなってしまい、別の額で出展しようとしていた写真を、それで展示をすることにしたのです。
賛否両論はありましたが、目立ったのは目立ったようです。
また、それなりに値の張る額を買うと、それにふさわしい写真を撮ろうという気になることも後に実感しました。
なお、額装につきましては改めてもう少しお話したいと思います。

さて、業者に印刷を任せるとなると、データや仕上がったプリントをどうやって遣り取りするかということが問題になってきますが、これは業者の方が心得ています。サイトを見ると申し込みからデータ送りやそのチェック、さらに納品までの流れが分かりやすく説明されています。
ある程度わがままも聞いてくれるし、こちらの不備は電話やメールでも知らせてくれる。私も何度かそれに助けられました。
作業の進捗もメールで逐一連絡が入るし、申し込み・データ入稿から納品まで、私の経験からすると3日間ほどでした。
もちろん、展示を何度も経験されているような方は自宅で印刷されるのが最も手軽だろうけれど、如何せんそれに見合うだけの印刷精度や、プリントできる用紙の大きに対応できるプリンターを買うにはかなりの出費が必要となります。それにプリンターのメンテナンスの難しさもあると聞きます。
それならば、専門家に任せた方が気が楽というわけですね。