数値評価に対して思うこと | AKB48、とある地方ファンの呟き

AKB48、とある地方ファンの呟き

とあるきっかけからAKB48のファンになりました。地方ファンの立場からいろいろと思ったことを綴っていきます。

最近のニュースで、全国学力テストの結果に対しての取り扱いについて、いろいろと議論が起こっているというのを耳にしました。
小中学生のお子様をお持ちの家庭では、受験と並んで関心事かもしれませんね。
問題となっているのは結果を公表するかどうかで、その弊害を指摘する専門家もいます。
テスト結果という数値が一人歩きすることによって、本来の学力調査という意義が損なわれ、地域間、学校間の序列化の材料に使われてしまうという懸念もあるようです。

AKB48では、総選挙の順位だったり、握手会の完売数などの数値がよく取り沙汰されます。これら公表されているもの以外にも、運営側はチケットセンターの推しメン登録やモバメの購読者数、個別グッズの売り上げ、各種アンケート等のデータを把握しているでことしょう。

例えば、シングル曲を歌う選抜メンバーを決めたりなど、イベントやメディアへ出演するメンバーを決めるにあたっては会議で話し合って決められるようで、そういう議論の中で、いろんな指標が検討材料のひとつてして使われているのではと考えられます。

最近、AKB関連で話題となっているのが、755と出版社のコラボ企画で、対象となるメンバーやファンだけでなく、周辺を巻き込んでの盛り上がりとなっているみたいですね。このように単純に視聴数を競わせる企画については、一人一回という制限もないので、それこそ際限なく続く消耗戦のような色合いを呈してきています。最初に名乗りを上げた雑誌に続々と参戦を表明していく過程を見るにつれ、この喧騒の起因となる意図が見えてきたような気がします。一言でいえば755を普及させたい関係者と、ある程度の売れ行きが保証される写真集を出したいという出版社の利害が一致しており、ファンやメンバーがSNSを通じて拡散することでの宣伝効果も大きいですし、総選挙のように投票するのに費用は要しない(スマホを操作するという作業は発生しますが)ので、Win-Winが成り立っているので、目くじらを立てるようなことではないという意見もあります。

グループ全体で300人を超える大所帯にあって、チャンスの順番が巡って来るメンバーというのは一握りで、いわゆる"干され"と称されるメンバーにとっては藁にもすがる思いでしょうし、それをもり立てたいというファン心理もわからなくはないです。ただそのために手段を選ばず、もはや何でもありというか、単純作業を強いるような手法や対立する陣営を中傷するような一部の心無いファンの動きについては、正直冷ややかな目で見てしまいます。盛り上がることは大事ですが、その方向性が誤ったってしまったばかりに、本質からどんどん外れていくことが気掛かりです。
健全な意味で競争は必要ですし、メンバー同士が切磋琢磨することで成長してきたのがこのグループです。その一方で、過熱する一部のファンたちの歪んだ愛情が相手への批判となり、不毛な議論がネットを中心として起こっているのを見るとなんとも悲しい気持ちになります。

今回の755企画で起こっているのはその一端であり、今はまだ真っ最中ですが、うまい具合に落とし所を見つけないと禍根を残すことにならないかという心配があります。755のプロモーションという大義があるのでやむを得ないかもしれませんが、ソロ写真集という、鼻先にニンジンをぶら下げるようなやり方について、個人的にはちょっと引いて見てしまいました。

自分も仕事上、会社の内部であったり、あるいは外部の関係者に説明をすることがありますが、その際に具体的な数字を求められることがあります。場合によっては自分からそういう数字を出すこともありますし、説明する側の都合としては、回りくどい説明をするよりも数字を示す方が楽といえば楽です。それで納得する相手もいますので。
ただ、思うのは数字ばかりに囚われるあまり、その背景にあるもの、物事の本質を見誤ってはいけないことであり、数字には現れないが大事なものが多い場合があります。
最初の学力テストの話に戻すと、テストの点数というのが必要以上にクローズアップされ、それがそのまま評価に繋がるというのは一見正しいようで、実は怖いことではないかと考えます。点数というのはあくまで結果であり、大事なのはそこに至るまでの過程です。とある専門家も指摘してましたが、いい点数を取るための小手先のテクニックが重視されるあまり、本来身につけるべきことが蔑ろにされてしまうという弊害があります。

ここ数年の流れとして、姉妹グループが増え、メンバーの数も増えた分、一人一人を掘り下げて見るだけの余裕がなくなってきているように思えます。どんな分野であれ何かしらの評価を出すというのは、難しいものであり、相手のことをある程度理解していないとできないことです。
テレビ業界では”視聴率”というものが大きな意味合いを持って、どの局も気にしていますが、視聴率が高さと作品の質というのは必ずしも一致せず、要は興味を引くかどうかという一部分を切り取ったものに過ぎず、視聴率が良くても番組としての質は良くないものもあるし、逆に視聴率が振るわなくても後々「いい番組だった」と評される事例もあります。

昨年、ペナントレースを開催にするにあたって、公演の応募倍率を採点化するという方針が発表されましたが、これについては、公演の出来不出来ではなく、公演を観る前の数値である応募倍率を点数化しようということですから、分かりにくいですし、案の定、ファンの批判などもあり、ペナント自体が途中で中止される事態になったのを覚えている人も多いでしょう。

公演を観に行った方はご存知だと思いますが、AKB劇場で公演を観覧すると、その後アンケート用のメールが送られてくるのですが、「どのメンバーが良かったか」といったくらいで、具体的に「この曲のどの部分が・・・」なんて詳細を書く欄があればなあと思ったものです。
そのような意見は点数では表せないし、集約するのも手間がかかります。実際Twitterやブログ等で公演やコンサートの詳細なレポを書いている方というのは、意外と少ない気がします。(「楽しかった」という簡易な感想は割とありますが)自分がブログを始めるきっかけのひとつにレポを書きたいというのも実はあります。

もうすぐ総選挙で、すでにいろんなところからその話題は入ってきています。「ランクインしたい」「アンダーガールズに入りたい」「選抜に入りたい」というメンバーやファンの切実な思いは痛いほどわかりますし、自分も応援しているメンバーにいい順位になってもらいたいという気持ちがないわけでもないですが、選挙結果についてはどうこう言うつもりはなく、たとえランク外であって応援する度合いを変えるようなことはありません。
今年もおそらくあるでしょうが、選挙結果がメンバー間の安易な格付けとレッテルを貼る材料として使われることについて辟易してしまいます。100歩譲ってAKBのことを良く知らない一般の人が言うのならまだしも、それなりに知識のあるファンが取り上げるのは一種の思考停止とも言えます。自分が総選挙について肯定的に受け入れることができないのはそういう理由からで、結果だけでメンバーの全てをわかったように見なす風潮は如何なものかと思ってしまいます。そうではなくて、数字では表せないメンバーの魅力をファン同士でもっと議論すべきですし、(所謂口コミというやつです)、そういう議論が活発になることで、ファンの意識というのも変わっていくのではないかなと考えます。半分は自分自身の願望ではありますが。