富士通が、マイクロソフトのクラウド分野で提携することが発表された。
「ウィンドウズ・アジュール」を用い、また、両社が各国で運営するデータセンターを共同利用するという内容だ。

日本トップの富士通でさえも、クラウドのソフト開発については、自社投資ではなく、外から持ってくることを選んだ。
先行するセールスフォースやグーグルに対抗するために「時間を買う」という戦略のようだ。

今回の提携以外にも、富士通はセールスフォースとも提携をするなど、様々な構想を打ち出している。これらは富士通製品をグローバルに打ち出すための、単なる時間稼ぎであると願いたい。

いずれにしても、現時点で出遅れたと言う意味では、ここ数年の戦略ミスと言えるだろう。

しかし、ここではその問題は取り上げない。より切実な問題は今後だ。クラウドのソフトやデータセンターは直ぐにコモディティ化していく。そこでどのような収入モデルを描いているかが問題だ。

今回のドタバタを見ている限り、まだ描けていないのかもしれない。




IT各社がクラウド対応のために、データセンターを構築に奔走している。
しかし、箱物を作れば売れるというわけではない。プラットフォームやサービスで差別化が不可欠だ。

例えば、新日鉄ソリューションズ、伊藤忠テクノソリューションズやITホールディングス、などの準大手ITベンダーが、設備投資を増やす計画のようです。

問題はこの設備投資が、差別化に繋がらない設備投資ということです。

これらのSIベンダーはハードウェアビジネスを保有していません。
つまり、設備投資は、他のハードウェアベンダーのハードウェアを購入し、他のSIベンダーと同じようなプラットフォームを構築するだけです。

これらのベンダにとって、より重要なのは自社で開発するソフトウェアやサービス、コスト面で差別化するための投資です。

インドなど新興国に作るなど、ハードウェアではない部分で差別化できる投資計画であれば良いのですが。
そして、複数のベンダがジョイントベンチャーを形成し、データセンターを共有するというのはどうでしょう?
マイクロソフトが、2011年2月で25周年を迎えるに当たって、社名を「日本マイクロソフト」に変更した。

『日本』を冠した名に改めることで『日本に根ざした企業』であることを打ち出すためという。

これまでの「グローバルベンダ」としての戦い方を捨て、現地化を売りにした戦い方をするのだろう。逆に言えば、クラウド時代に入り、マイクロソフト製品の優位性が急速に失われたことを受けた戦略変更かもしれない。

マイクロソフトが、今後国内での潜在需要として期待しているのは『シェアポイント』や『エクスチェンジ』だという。欧米ではのシェアは7~8割に達するが、国内では日本IBMの『ロータス ノーツ/ドミノ』からの移行が進んでいないとのことだ。

しかし、この領域は、「グローバルベンダ」であるセールスフォースやアマゾンがクラウドサービスで急速にシェアを伸ばしている領域だ。

『日本』を打ち出すことで、再び差別化できるか。逆に日本のシステムベンダとの差別化が難しくなるのだが...