教員としての備忘録 「提出物で気をつける3つのこと」 | 元中学校の先生のブログ

元中学校の先生のブログ

※6年間続けた教員を辞め現在ニュージーランドでワーホリ中。
自分が忘れないように、徒然なるままに日記をかいています。

 

 

 提出物というと、大人でもプレッシャーを感じてしまいます。僕が子供のころも、ランドセルの奥底に提出しなければいけないプリントが圧縮され、のちに発見されることもよくありました。美術の授業で絵の具を忘れたときは、冷や汗が止まりませんでした。恥ずかしくてたまりませんでしたね。

 今回は、学級担任として提出物を生徒に課したときに気をつける3つのことを紹介します。多くの先生は毎日何かしらの提出物を集めなければいけません。特に今回は、教科の提出物ではなくて、「授業参観出欠」や「ボランティア参加」などの学級でのプリントの提出物についてフォーカスを当てたいと思います。

 

 提出物を出したときにこころがけること

 

 1. 提出物は鮮度が大事

 先生は日々とても多くの業務に追われています。毎日の提出物チェックよりも大事な仕事もたくさんあります。その上で提出物チェックの時にこころがけることとしては、「提出物は鮮度が大事」です。この言葉を大事に教員生活を過ごしてきました。

 僕も多くの仕事を抱えていて、提出物のチェックが遅くなることがありました。

 

 そんな時に決まって起こることは、

 「先生〜、僕○○のプリント出してますか?出したと思うんですけど」

 しかし手元に彼のプリントはない。

 「ないな〜。もう一回職員室も探してみるね」

 

 後日

 「先生〜、やっぱりカバンの奥にありました〜」

 「やっぱり〜?よかった〜」

 

 内心はヒヤヒヤしています。きちんとチェックしておけばよかったと思います。

 個人情報が記載されている手紙などは特に紛失することは許されません。この観点からも、提出物は出されたらすぐにチェックをすることそれから、誰が出しているかを相互で確認しておくことが必要だと思います。

 

 

 2. 出された書類の管理方法

 朝の忙しい時間帯にやることはたくさんあります。生徒の観察、必要事項の伝達、そして提出物の回収。どれもとっても大切です。

 その中で、提出物を無くさないように工夫していたことはとりあえず全部入れておくケースです。100円ショップで買えるA4のハードケースで、中には名簿を入れておきます。

 朝の時間は整理したり、確認したりは難しいです。なのでとりあえずそのケースに入れておいて、授業の空き時間などにチェックをします。担任の先生であれば僕はこの方法が一番ミスが少ないと思いました。

 

 

 3. 出さない(出せない?)生徒への対応を考える

 どんなにその子に注意しても、どんなに工夫しても忘れ物を続ける生徒は一定数います。自分の学級の生徒を今思い浮かべてもあの子とあの子とあの子…(懐かしい)

 では、そんな生徒とどのように接したらいいか、僕の考えを書いていきます。最初に言っておくと、生徒指導に「こうすれば全ての生徒はいい子になる」という正解はないと思います。僕の考えも一例だと思って考えてみてください。

 

 出さない生徒への対応で注意すべき2つのこと 


①怒鳴って注意する

 何度も忘れる生徒には当然イライラもしてくるし、怒りたくもなります。しかし、恐怖心から得た行動の変化は根本の解決にならない場合が多いと思っています。「怒られるのが怖いから持ってくる」ではなく、「自分が必要だと思うから持ってくる」と生徒自身が考えられるようになれば真に生徒が成長しているといえると思います。もちろんそれは簡単なことではないし、僕も(考えて)怒鳴ることもありましたが、やはり生徒自身の成長につながるために何が必要かを考えることが教育だと思います。

 

②忘れた生徒に恥ずかしい思いをさせて提出を促す

 恐怖心と同様に羞恥心を利用するのも注意が必要だと感じます。僕もさまざまな忘れ物への対策の中で、未提出者の名簿を掲示したり、居残りをさせたりしましたが、やはり生徒自身が感じたり考えたりすることの中から成長は生まれてきます。提出物を出すことはなぜ大切なのかを生徒たちに考えさせ、染み込ませることが大切だと思います。

 

 しかし、これら2つのことが決してやってはいけないことという意味ではありません。生徒の実態や発達段階、場面などによって指導方法を変える必要はありますが、何も考えずに「恐怖心」や「羞恥心」を利用して指導するだけになってしまっては、生徒は根本的には成長しないと考えているので、「なぜ」それが大事なのかを教師は根本に持っておく必要があると思います。

 

 僕が考える提出物を期限内に出す理由は、「時間を守る」「約束を守る」ことの大切さを教えることだと思います。これら二つのことには当事者だけでなくその先に待っている「人」がいます。その、向こう側にいる人のことを考えられるようになると成長したといえると思います。約束を破られた人の気持ちや提出物が出ていなくて困っている人の気持ちが理解できるといいかもしれませんね。

 また、約束を守るという観点からいうと、守れない時にしっかりと謝ることも大切だと思います。誠意ある態度について考えるきっかけになればいいとおもいます。

 

 先述しましたが、僕の考えは単なる一例に過ぎません。僕もカミナリのように怒ったこともありますし、雰囲気をピリッとさせることも時には必要だと思います。しかし、生徒自身が自ら考え、判断し行動していく」ためにはどうすべきかを優先した時怒鳴ることだけで終わらせることは、指導の不十分さを感じます。

 また今後、提出物の形もICTを使った提出方法に変わっていくのかなと思いますが、生徒への接し方や他にも参考になれば嬉しいです。