Yside
"ソンヒ様お久しぶりです"
"ウニョクさん……お久しぶりです"
『おいおい堅いって、もっとラフに話せないのか?』
"オッパ!無理に決まってるでしょ!
13年ぶりなのよ"
『13年も?』
"私とオッパはテレビ電話で何度も顔を見ていたけれど…ウニョクさんのお顔は小学生のころ以来。緊張するのは当たり前よ"
『あー悪かったって……で、どう?』
"どうって?"
『ウニョクを見て、ウニョクはソンヒを見てどう思った?』
"それは……////"
"大変、美しくご成長なさってますね。
幼少期は可愛らしいお方でしたが今はすっかり大人の女性かと…//"
"………ありがとうございます…///
ウニョクさんも、素敵な男性です!"
"ありがとうございます……///"
つまりいい感じってことだな。
今日はソンヒとウニョクの見合いの日。
子どもの頃にソンヒがウニョクを格好いいって言っていたのを思い出したのが見合いのきっかけ。
ソンヒの留学が決まった時ウニョクがソンヒ様が留学だなんて…と少し落ち込んでいたから、
もしかして当時二人は両思いだったのではと思った。
そう、二人が結婚して子どもが生まれたらその子に東方の國の貢献者になってもらいたい。
俺は女性と結婚は、
はなっから考えていない。
だから貢献者がいなくなることをチャンミンはすごく責任を感じていた。
もちろんソンヒとウニョクの考えを尊重するから今は二人には伝えていない。
そうなってくれたらいいな〜ぐらいに考えている。
とりあえず、
チラッ
ソンヒもウニョクも昔話や留学話で盛り上がってるし、
まぁまぁ良い感じなんじゃないかな♪
"オッパ、ウニョクさんとても素敵な方ね"
『だろ?俺の親友なんだから』
"昔から変わらずオッパのこと守ってくれてるし、私のことも気にかけてくださってるわ"
『…………好きなのか?』
"まだわからない。
でもねオッパ、ウニョクさんは私の初恋なんだよ。初恋の方がそのまま素敵な方でとても嬉しい"
『俺からしたら、よくわからない男なんかよりウニョクだと安心するけど』
"オッパ風ふかしちゃって"
『当たり前だろ?』
"…………ウニョクさんがどうお考えかわからないけどね"
『そうだな』
"無理やりは嫌だからね。オッパの権力振りかざしてウニョクさんに私の気持ちを押し付けないでよ"
『わかってるって』
「今日なにかスケジュールにない来客などございましたか?」
『来客?ないよ?』
俺の部屋でチャンミンが淹れてくれるココアを飲む時間。
この時間は俺にとってとても大切なんだ。
気兼ねなくほっこりと気を休められる時間。
「そうですか……ウニョクさんがいつも以上に素敵なスーツに見を包んでいらっしゃったので何かあるのかと……」
『…………………』
「それに昼間ユノ様から呼び出しのご連絡もございませんでしたので、何かあったのかと思った次第です」
『あぁ、ちょっとソンヒと話し込んでいただけだよ』
「………お久しぶりの家族水入らずのお時間でしたか?」
『はは、まぁそんな感じかな』
「それはそれは良かっかです」
まだ言えない。
チャンミンにはまだこの考えは秘密。
俺が無理やり見合いをさせたと勘違いしてしまうかもしれないから。
ごめんなチャンミン。
見合いから2ヶ月が経った頃、
『で、どう?』
"どうとは……?"
『ソンヒと上手くやってんの?』
"……えっと…先日交際を始めました……///"
『そうか!それはよかった』
"しかし私なんかがソンヒ様と交際なんかよろしいのでしょうか…"
『良い悪いなんか関係ないだろ?
ソンヒの自由じゃないか』
"しかし王妹と執事ですし"
『関係ないよ。変な男なんかよりウニョクだと俺も安心だし……それに親父も嬉しいはずだ』
"………………有り難いお言葉です"
『今は親友として話してるんだけど?』
"…………大切にするよ、ユノの大切な妹を"
『頼むよ』
ウニョクとソンヒが幸せになってくれたら俺はとても嬉しい。
ソンヒには今まで兄らしいこと何もしてあげれていなかった。
もちろん離れて暮らしていたってのは大きい。
でもソンヒは俺以上に親とも遠く離れていたから、
きっと寂しかったはずだ。
戻ってきたからには、たくさんの愛情を注いでやりたい。
「王様、明日の式典ですが……」
『ん?何か問題でも発生した?』
「その……スマン王が王様とお話する時間がほしいとおっしゃっているようです」
『スマン王が?俺に?』
「はい……いかがいたしましょうか」
『…………もちろん時間を作るよ』
「………しかしスマン王は王様を目の敵にされています……なんだか嫌な予感が」
『あーはーはー深読みしすぎだよ』
「しかし!」
『別に二人きりで話すわけではないんでしょ?』
「はい。合間時間で良いとのことですが」
『なら大丈夫』
「……………承知いたしました」
スマン王が俺と直接話したいことってなんだ?
TVXQ連合以降、会話以前に目を合わすことすら無かった。
時々睨まれてるかも?と思うことはあったけど……
でも明日の式典は東方の國で行う。
いわばスマン王からしたらアウェイな場。問題を起こすなんてことはしないはずだ。しかも今回の式典は平和がテーマ。
そんな式典中にケンカなんて売らないだろうし、マイナスプロモーションをするはずがない。
でも、まぁ気は引き締めておこう。
式典当日
会場内に限られた数ではあるがマスコミが数名入っている。
珍しいな…
"これはこれはユンホ王ご無沙汰しております"
『スマン王お久しぶりです。お元気そうで何よりです』
"お互い健康には気を付けんとね"
『そうですね』
カシャッ
カシャッ
俺とスマン王が珍しく並んだからか、
数名のカメラマンがシャッターをきる。
"ところでユンホ王は結婚について考えているのかな?"
『結婚……ですか?いえまだまだそんな歳ではないので』
"23でしょう?國を背負っている者、
結婚を視野にいれるべき年齢ですよ"
『ははは、ご忠告ありがとうございます』
"そこで我が国の王女と結婚なんていかがかな?"
『!!!!何を急におっしゃいますか』
"我が国と東方の國が1つになれば東方の國の景気もよくなりますよ?東方の國をお助けできると考えたのですが?"
『…………有り難いお言葉ですが…』
"会ってもいないのに断るなんて失礼ではないですか?"
『…………………』
いきなり結婚の話を出すほうが失礼だろ!
と言いたい気持ちをぐっと抑えた。
チャンミンが心配そうに俺を見ている。
スマン王からマウント取られているだけでなく、結婚話なんて……チャンミンも心配するだろうな。
『申し訳ございません。
私には交際している方がおりますので、』
"ほ〜一旦どんなお嬢さんなんですか?"
『………………』
"少しぐらいお話していただいてもいいのでは?"
『申し訳ございません……』
カシャッ
カシャッ
!!!!!
ッマスコミに聞かれてしまったかも。
探られたりしたら最悪だな。
"もしかしてお嬢さんではないとか?"
『……どういう意味でしょうか』
"深い意味なんてございませんよ"ニヤリ
『……………左様ですか…?』
チラッ
今……スマン王チャンミンを見たか?
まさか、まさか俺とチャンミンの関係に気付いて……るのか?
いやいや、
そんな訳ない。
まさか…………な?
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