Cside











「え?おばあちゃん家?」

"今年のお盆はお母さんの実家に行こうと思うんだけど、チャンミンは塾があるでしょう?だから行くか行かないかはチャンミンが決めて良いわよ"

「最近おばあちゃん家には行ってなかったのに今年は行くの?」

"ちょっとおばあちゃんの体調が良くなくてね。この暑さで心配だから"

「…………お父さんは?」

"お父さんもおばあちゃん家に行くわ"

「そ、うなんだ………」






小学生までは毎年のように夏休みの時には行っていたおばあちゃん家。
お母さんの実家でソウルからはかなり離れた遠い田舎。

中学生になってからは行かなくなっちゃったけど今年は行くようだ。


「どれくらい行くの?」

"1週間ぐらいよ。お父さんも仕事休むって"


お父さんも夏休みってわけか。





どうしようかなぁ
おばあちゃん家って何もないし、ネット環境も悪いからゲームもできない。
近くに友だちがいる訳でもないし、

だったら1週間ぐらい1人で家にいるほうが良いのかもしれない。
もちろん塾もあるし。




「僕はいいかな……塾に行くよ」

"そ?わかったわ"

「おばあちゃんに宜しく言っといてね」

"はいはい"







そうして僕の夏休みはアルバイトもしていないからほぼ塾だけになり、勉強だけの夏休みとなった。
別に受験生ってわけでもないんだけど。













『え?1週間ひとり?』

「はい。まぁ慣れっこですけどね。父も母も仕事でいない日はよくありますから」

『そうなんだ。でも心配だな』

「大丈夫ですよ。衣食住には困らないので」

『…………………なぁ、その1週間のうち1日でもいいからチャンミンの家に泊まるってのはダメか?』

「え?」

『俺もほぼバイトだし、チャンミンもほぼ塾だろ?夏休みなのにデートも出来ないから、夜だけでもチャンミンと一緒にいれたらなって……』

「………………」

『迷惑……だよな?ごめん』

「…………いえ、親に相談してみます…」

















"え?ユンホくんを?"

「うん…………その…ダメかな?」

"仮にも付き合ってるんでしょう?これがたたの友だちとか先輩後輩なら……ねぇ?"

「………………変なことはしないよ」

"変なことって?"

「っそれは!!」

"それにまだお父さんは知らないからね。チャンミンとユンホくんの関係を"

「……………うん…」



別にユノヒョンとお泊りだから何かするつもりはない。

純粋に夏休みの思い出というか、
なかなか会えないからせめてものというか、まぁ一緒にいたいってだけ。






"仕方ないわね"

「えっ?!いいの!?!!」

"ただし2週間後にある塾のテストで上位に入ること。これが条件よ"

「う、上位って?」

"そうね〜前回は15位だったから10位内に入ればいいわよ"

「結構だな……」

"どうするの?"

「の、臨むところだ!」

"じゃあこれまで以上に頑張りなさい"







15位から10位内は正直厳しい。
ソウル大合格を何人も排出している塾ってことでソウル市内から通っている子が多い。
でもここは頑張り時だ。




そう僕は目標があれば燃えるタイプ。
それからはユノヒョンとの電話やメッセージも減らし、塾の時間を終えても先生に質問の時間を貰ったり、自習室にもほぼ1日中いた。

その努力の結果、













「11位…………」

"前回15位から11位は頑張ったなシムチャンミン。次回は10位内を目指せるよ"

「………………………はい」



塾の先生は僕を褒めてくれたけれど、
僕は目標達成とはならなかった。






"どうだったの?…ってその表情的に10位内はダメだったのかしら?"

「…………うん。11位だった……ダメだったよ……」

"チャンミン……"

「ユノヒョンには残念だけど断るよ」

"…………………今回だけ、"

「え?」

"今回だけは目標クリアとはならなかったけど、いいわよ。ユンホくんが家に泊まっても"

「え?!でも」

"すごく努力していたのは見ててわかってるから"

「…………ありがとう」

"そのかわり、変なことしないこと!いい?"

「し、しないよ!!!」





どうしよう…ユノヒョンがうちに泊まるだなんて……へ、部屋を片付けないとっ!!



やばいっこんなドキドキする夏休みなんて初めてだ!!!


















Yside










『おじゃましまぁす』

「い、いらっしゃい………です」

『はは、言葉が変だよ』

「………………ッ仕方ないじゃないですか!!緊張してて……//」

『うん。俺もなんか緊張しちゃってる』

「ユノヒョンって緊張するんですか?」

『当たり前だろ?』

「……意外です。体育祭のときも緊張とか見受けられなかったですし、その後の………僕の頬にキスしたのだって……///」

『ん?思い出して顔赤くしてんの?』

「なっ?!?!!!」

『あーはーはー』

「もぅ!早く部屋に行ってて下さい!飲み物持っていきますから」

『はーい♪』








ガチャッ






さすがチャンミン。
部屋が片付いている。


以前テスト勉強のために来ていた時と何も変わらない。
そういやテストが終わった日にも来たっけ………そこで俺たち……………






「何か?」

『ん?』

「部屋の真ん中で立っているなんて、何かありましたか?」

『いや……懐かしいなって』

「懐かしい?」

『ここで知ったんだもんな…俺たちが幼少期に会っていたって』

「……………」

『夏休み前のテストでは一緒に勉強出来なかったから、あの日振りってわけ』

「そうですね……すごく昔に感じます」

『うん』

「あ、座って下さい。麦茶です。
外暑かったですよね?室温大丈夫ですか?」

『うん。丁度いいよ。ありがとう』







この部屋でテスト勉強を一緒にして、俺の順位は確実に上がった。
それから俺たちは恋人同士になって、

キスもした。




TBちゃんが急に卒業しちゃって、
そのことでチャンミンとかの仲に亀裂が入ってしまった。
俺の心の弱さが原因だったけど、
でもチャンミンはそんな弱い俺を受け入れてくれた。


で、体育祭後にシレっと交際宣言みたいなことをして若干チャンミンを困らせてしまった。
だってなんかチャンミン人気が出そうな気配がしたから。
それは俺が困るから。








TBちゃんがいないテーマパークにも2人で行ったけど、

チャンミンが隣りにいると平気だったし、なんならちょっとTBちゃんのことを忘れていた…ずっとチャンミンとのお化け屋敷や観覧車に邪な気持ちで、

つまりチャンミンのおかげで俺はTBちゃんとの別れを乗り越えることができたんだって実感した。








で、今この部屋には俺とチャンミンの二人だけ。

チャンミンのご両親もいなければ帰ってくる心配も無い。








さぁどうする男チョンユンホ。
恋人になってまだ三ヶ月が過ぎたぐらい………。






「どうしましょうかユノヒョン…」



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