Cside













正直驚いた。
僕たちの関係に気付いていらっしゃったなんて。



その上否定なさらず、認めてもくださっていたなんて…






「でも東方の國に王族は必要…だし」






















元王様、つまりユノ様のお父様がご病気で亡くなられた。
余命宣告を受けていたから、心の覚悟があったにせよ、それでも急すぎた。






「ユノ様のお心が心配だ」









僕は心苦しいがユノ様に王族としてお別れの会のお話をしなければならない。

お亡くなりになった翌日に。







本来、そういった行事は奥様が主となってするのが世間一般的だろうけど、
王族はまだ10代の王様であるユノ様が仕切らなければならない。




「酷すぎる…」









フゥゥゥ





ユノ様のお部屋の前で深呼吸をした。









コンコンッ


「チャンミンです。失礼します」

『ん、入って』




ユノ様のお声はいつもと変わらない。






でも、表情やいつも澄んでいる瞳に覇気がない。

僕は執事としてではなく、
恋人として何をしてあげられるのだろうか。


恋人としユノ様のお力になるには…














ギュッ



頭で色々考えてみたけど、
やっぱり僕にはこれぐらいしかできない。





ユノ様はお言葉では少しおちゃらけてお話されているけれど、
その声色はいつもより低くそして小さい。


泣いてほしいとお願いしても、
お父様とのお約束で泣くわけにはいかないと少しばかり頑固だ。









ズズッ


ズズッ







『なんでチャンミンが泣くんだよ?』

「ユノ様が泣けないのなら、代わりに私な涙を流します」






面倒くさい奴って思われても良い。
僕はそれほどにユノ様が心配だった。

10代で父親が亡くなるなんて、
しかもそれが元王。

お節介野郎でもいい。









ギュッ






















『………ッ』



ユノ様から啜り声が聞こえた。









『これは……もらい泣きだから…』

「………ユノ様…………はい。私の涙のせいですね、申し訳ございません」

『チャンミン………ッ』

「…………………ユノ様…」



ユノ様は声は荒げないものの、
僕の背中に回してくれた手が僕の服をギュッと握り震えている。


本当は声だって荒げながら泣いてほしい。









以前、お父様が余命宣告されていることを知った日も静かに涙を流されていた。


だから今のユノ様にとってはこれが最大限の表現なのだろう。

そのお姿を僕に見せてくださっている。




不謹慎だけど、嬉しいです。ユノ様……

























Yside






『…………………忘れてくれ』

「???」

『泣いたことは……忘れてほしい』

「…………それは…いくらユノ様のお願い事でも出来かねます」

『チャンミ〜ン』

「ふふ、私にとっては宝物ですから」

『宝物?』

「僕にだけ見せてくださったお姿ですので」

『…………………』

「誰にも言いませんのでご安心ください」

『……………じゃあさ、チャンミンにしか見せない俺を今から堪能しない?』

「……どういうことでしょうか?」

『ん?そのままの意味!』




「………ッわ!!」






俺はチャンミンをベッドへと倒した。







チュッ


チュッ







「…ッ、ん」




チュッ





「あ……ッ、」




チュッ





チュッ









あー気持ちいい。
チャンミンの唇はどうしてこう俺を誘うんだろう。



俺の舌をゆっくりとチャンミンの口内へ入れた。
ビクッと大きく反応したチャンミン。




可愛い









『チャンミン、このままシよっか』

「………………ユノ様…」



チャンミンの首元に顔埋め、
チャンミンの匂いを肺一杯に取り込む。






それだけで酔える。













「だ、………ッだめです!」

『………………え、?』


チャンミンに強く肩を押されて、
強制的に身体を離されてしまった。



「明日はお別れの会ですし、朝からバタバタです。それにお父様がお亡くなりになった翌日だというのに…不謹慎です」

『…………………』ガーンッ



断られた。
しかも正論で。



「……あ、あの………ユノ様?」

『…………わかったよ』

「……………怒ってますか?」

『怒ってないよ』

「……………………」

『本当に、怒ってないから。
でも……我慢した分次するときは覚悟しておいて』

「…………///」






チュッ





『へ?』




チャンミンからキスされた。




頬に。








「わ、私だって我慢しているってこと分かってくださいね…////」










ギューーーーーーン!!!





もってかれた。
完全に。




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