Cside











無事に終わった。


無事にTVXQ連合をユノ様は終えられた。














となると、考えてしまうことはひとつ。











『そしたらチャンミンの全部をちょうだい』


『ん?エッチしよ?ってこと』


『俺頑張るから、俺とエッチしよ?』






あーーー!
また脳内でユノ様のお言葉が再生される。
何周目の再生だよって自分でツッコんでしまうほど。



このままではヤバい。
気を休めようと僕はテレビを点けた。








ピッ








「これは…ユノ様……のことだ」



テレビの中のコメンテーター達がTVXQ連合について話をしていた。







"少子化を食い止めるにはもっとインパクトのある政策が必要です"

"生産性がないってのはその通りですよ。
同性カップルの養子縁組なんて少子化を食い止めないです"

などの辛口の声と同時に、






"あのスマン王を前にしてご自分の意見を発言なさったのは評価すべきです"

"多様性のこの時代に相応しい同性婚の法整備については良かったと思います"




称賛されている!
これはユノ様にご報告をしなければ!!







と行儀悪かったけど、
ダッシュでユノ様にお伝えしたけれど、
ユノ様はあまり見たいご様子ではなかった。

まぁ、食事中と言われればなんにも言えないけど。












"でも……相当のイケメンでしたね。
伝統服もいいですが、スーツ姿は少女漫画に出てくる王子様そのものでしたね"

"女性たちはメロメロだったみたいですよ。SNSでは黄色い声て溢れていましたから。"

"18歳という若さで初の公務と考えたら、成功ではないですか?
他国の女性ファンも獲得したようですし"








「イケメン……ファン…?女性がメロメロ……?」





王族の話題にしては似つかわしく無い単語に、僕は動揺してしまった。


SNSの検索欄に"東方の國 王"と入力してみたら、うじゃうじゃとユノ様の容姿に関する投稿がヒットした。










「なんだ…これ………ユノ様がアイドル化している…」


TVXQ連合のニュース画面をスクショした画像や、王位継承の儀の時のニュース画面のスクショまで出てきた。


「素敵〜結婚したいだとぉぉぉ?!!」



待て待て待て待て。
こんなのユノ様がご覧になられたら…
僕に勝ち目ないって。

アイコンから分かる、
絶対に可愛らしい女性たちだってこと。












フルフルッ


「駄目だ。何かしていないと頭が悪いことばっかり考えてしまう」


ユノ様がお部屋に籠もっていらっしゃる時は執事としてやることがない。


うーん。
庭の草むしりでもしようかな。





僕は草むしりに没頭し何も考えないように努めた。

けど、やっぱり色々考えちゃう。



ユノ様にSNSを見ないように…なんて無理な話だし、
どうにかユノ様のお気持ちが変わらないように…したい。







「すぐに終わる関係だと…思っていたのに、繋ぎ止めようと必死な自分がバカバカしい」




ポタッ







変だな。
勝手に涙が出る。



容姿を褒められることは素晴らしいことだし、ユノ様にとってはプラスなこと。
執事として喜ぶべきこと…じゃないか。













ポタッ



ポタッ











俺とエッチしよ?



「エッチ……ユノ様のお気持ちが変わる前に、したい…」



ユノ様はTVXQ連合が終わったらとおっしゃった。
つまりは今日とか…じゃないのかな?









"チャンミンさーん、草むしりをなさっていたんですね。探しましたよ。
王様の夕食の準備ができました"

「あ、すみません。ありがとうございます」






僕は夕食の準備ができた旨をお伝えするためにユノ様のお部屋に向かい扉をノックしたが反応がない。


コンコンッ




コンコンッ






「おかしいな。外出はされていないはずなんだけど…」






ゆっくりと扉を開けると、
ユノ様はベッドの上で眠っていらっしゃった。


長い手足を折り曲げ少し小さくなって眠っていらっしゃる。
スマホは机に置いてあり、動画鑑賞中に寝落ち…ってわけでは無さそう。




どのぐらい眠っていらっしゃるかはわからないけど、夕食の時間だからお声がけし、
ポワ〜とした表情で切れ長の目を細めながら椅子へ腰掛けられた。



お話を伺うと昼食後しばらくしてから今までで眠っていらっしゃったようで、
相当TVXQ連合がお疲れだったんだと痛感した。


分かってはいたけれど、
僕の想像以上の負荷だったんだと、
少し心が傷んだ。



















そうして夕食を終えられ再度お部屋へ伺ったら、ご自分で浴槽にお湯を沸かしていらして、少し不機嫌に怒ってしまった。



だって、まるで僕なんて必要ないって言われているみたいに感じてしまったから。

執事の職務をユノ様ができてしまったら、
ユノ様に楽々とこなされたら、


僕の存在意義って何?




SNSに溢れているユノ様ファンの女性たちにユノ様のお心を奪われてしまうのではないだろうか…なんて超絶ネガティブ思考になってしまっていた。







焦っていたんだ。











怖かったんだ。

















だから、


「エッチはしないですか?」






なんてことを発してしまったんだ。







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