Yside

















あと3日








コトンッ

「ホットココアです」

『あぁ、ありがとう』

「緊張しますね」

『緊張?』

「あと3日…しかありませんから」

『……………そうだな』





あと3日。
それはTVXQ連合までの日数だ。









緊張…はしている。
初めての公務だから。


でもそれ以前に、
話に入れるだろうか……
話を聞いてくれるだろうか……


そもそも、
話を理解できるだろうか。









不安でしかない。



































"明日…だな"

『あぁ、』

"準備は万全か?"

『一通り資料は読み込んだ。
あと俺の考えもまとめた』

"……………………"

『なんだよ、足りないとか言うのか?』

"……悪かった"

『え?』

"私が病気になってしまったばっかりに、ユノには申し訳ないと……思っている"

『は?らしくない事言うなよ』

"父親として言う。
TVXQ連合は話を理解している素振りをしておけばいい"

『………………何だよそれ』

"最後ぐらい父親としてユノを想ってのことを言ったまでだ"

『…………………』




確かに、ずっと王として接しられ、
父親らしいことなんて皆無だった。

でも、




『最後まで王気取ってろよ。
今さら父親感出されても調子狂う』

"…………………"

『それに見てろ。
俺の晴れ舞台を、民に認められる瞬間を』

"………………一丁前のことを言いよって"

『あーはーはー王として成長してるだろ?』

"楽しみにしているよ"







親父に大口を叩いてしまった。
民がどれほどTVXQ連合に関心があるかわからないが、
18歳の新人王の精一杯の姿を見せるしか方法はない。



そんなことできるのかな。
でも、できると思うしか今の俺には成す術がない。

大丈夫……大丈夫………。


















「明日は正午前に連合が開かれるホテルへ向かいますので、今夜はお早めにお休みください。ご着用いただくスーツはこちらに掛けておきます」

『ありがとう』

「……………王様、大丈夫です。
今までうんと勉強なさいました。自信を持って明日をお迎えください」

『うん。なんかさ、今日親父と話してちょっとだけ自信…ていうか大丈夫って思うようになったよ』

「お父様とお話できてよかったですね」

『……………もう時間がないしな』

「……………ご様態はいかがですか?」

『…………………』フルフル

「そう……ですか………」





ギュッ


俺はチャンミンを抱きしめた。
目の前のチャンミンの耳が赤くなったのがわかった。
付き合いだしてから、抱きしめるのなんてほぼ毎日しているのに
毎回チャンミンの耳や顔は赤く染まる。


いじらしい。






『明日、チャンミンはどこにいる?
俺の側にいる?』

「はい。王様の後ろにおりますよ」

『そっか…それは心強いな』ハハ…





チャンミンに弱音を吐く。
情けないと思われたかもしれない。
でも、チャンミンが側にいるかどうかはかなり重要。




『ださい……よな?』

「???」

『一応、王なのにこんな弱音…』

「………………」

『親父には大口叩いて、見てろよ!…なんて言ったんだけどチャンミンには…弱音吐いちゃった』

「………………」

『王として、男として、情けないって思われても仕方ないんだけど…
こんな情けない王だけど俺のこと見捨てないでほしい』




こんなお願いをするなんて、
自分でも驚いた。

でも、明日を考えれば考えるほど怖いし身体が震えてしまう。 







ギュッ




「見捨てるとか…情けないだなんて、
そんなこと私が思うわけないじゃないですか」


抱きしめていたチャンミンが俺の背中に手を回し少し強く抱きしめ返してくれた。
背中が暖かい。
チャンミンの手の温もりが、
服を通しても感じる。




「初めての公務です。
それだけでも緊張することなのに、王様は18歳という若さです。緊張しないはずがありません」

『………………』

「情けない王だなんておっしゃらないでください。弱音を吐くということはすごく勇気が必要なことです。王様はお強いお心をお持ちですよ」

『そんな…わけ……』

「それに私に本音を仰ってくださって嬉しいです。王様の特別みたいで……」

『…………チャンミンは特別だよ?』

「……ありがとうございます」

『でも、チャンミンの前では格好いい王でいたいな』

「私は別に、王様が王様でなくても慕っておりますので……////」

『それってどういう意味?』

「だから、好きって意味で!………ッあ、」




ニヤ~




「騙しましたね?」

『騙すだなんて人疑義が悪いな?
単純にどういう意味かな〜って思っただけだよ』ニヤニヤ

「………///」

『チャンミンに好きって言ってもらえるとすごく嬉しいしパワーが湧く』

「常に思っておりますよ…//」

『わかってるよ。
でも常に言葉にしてほしい。チャンミンは恥ずかしいかもしれないけど俺は相当嬉しいから』

「…………そうなんです…か?」

『うん!!』




耳も頬も苺のように紅いチャンミン。
今一体何を考えているのかわからないけど口を一文字に結ぶ姿がなんだか可愛い。



あーなんかただチャンミンを見ているだけで癒されるし、王として頑張ろって気になる。
不思議だよな本当に。







「好きです」

『ん?』

「私は執事として自分の感情を表に出さない様訓練をしてきました。
でも言葉にすることで王様が嬉しいとおっしゃるのなら、私は努力します」

『チャンミン……』

「好きです王様、ずっとずっと大好きです」




なんだよ。
嬉しすぎて涙が出そう。
ここで泣いたら完全に情けないから泣かないけど。





「キス……したいです」

『チャンミンからのお願いは全部聞かないとな』





チャンミンがそっと目を閉じた。
そのキス顔だけで俺は飯が食えるなんて真剣に考えてしまった。


少し特徴的なチャンミンの唇に俺の唇を重ねる。










チュッ



わざとリップ音を立てたら、
俺の服の裾を握ったのが分かった。




俺は顔を左右に動かしながら
チャンミンの唇をハムハムと味わう。


「ん、…ッ」


「あンッ」


「は、あ…ッん」



チャンミンから漏れる息が甘く妖艶だ。



いつもとは違うキスにチャンミンは戸惑っているのか、
それとも感じているのかは正直わからないが呼吸するタイミングを見失ったのだろう、
唇を薄く開いた。






その瞬間、







「!!!!!」


「ン――――ッ!」



チュッ




クチャッ




俺はチャンミンの口内に舌を入れ、
チャンミンの生暖かい舌や歯列を俺の舌で堪能した。


突然のことにチャンミンは抗議をしていたようにも感じたけれど、
悪いが無視するよ。




だって正直ずっと我慢していたんだから。





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