Yside














会えないって辛い。







しかも物理的に会いに行ける距離じゃないってことが更に辛い。






今日はチャンミンの誕生日。
なのに俺はイギリスのロンドンにいる。


仕事だから文句はないし、
ロンドンでの仕事は新しい発見も多くて刺激的で楽しい。





だけど、ここにチャンミンがいればもっと楽しいのだろうと考えてしまう。








『直接おめでとうって言いたかったなぁ』





俺の誕生日の時は夜遅くにチャンミンが来てくれた。
カムバ活動とアジアツアーの最中で多忙だったし、時間があれば休みたいと思うだろうに、チャンミンは来てくれて祝ってくれた。


それがどんなに嬉しかったか。
だから俺もチャンミンに直接おめでとうを言いたかったんだけど、




『さすがに無理だよなー』









金曜日に誕生日イベントを終えたチャンミン。
ペンたちと幸せな時間を過ごしたと思う。
何故思うのかって?
だってチャンミンから連絡がないから、
ぶっちゃけ、ペンの皆のSNSを見て感じたってこと。


アカペラとか、ダンスもしたって。




しかも、





"チャンミナ、センイルチュッカハンダー"



って叫んだ男性ペンにニッコニコの笑顔をしたチャンミンの動画まで見た!


いや、可愛いよ?
俺のチャンミンの笑顔は世界平和に繋がるぐらい可愛いのは百も承知。

なんだけど……





男に言われてあの笑顔は
絶っっっ対に誤解させるし、なんなら男のペンは恋に落ちたと思う。うん絶対。

そんな笑顔しないでよ。
俺にだけ見せてくれ。
男性…だけじゃない、女性にも見せないで俺だけの可愛いチャンミンでいてくれ。



と思ったのは正直のところ。




『俺って心狭いのか?』



折角チャンミンの祝いの場で、
あんなに幸せそうなチャンミンの動画を見て嫉妬って…ハァァァ






電話をしたくても、
時差でなかなかタイミングが合わない。


だからせめてメッセージだけでもと思うんだけど、てかチャンミンから一度もメッセージが来ていない!
俺が『ロンドンに行ってくる』と連絡して、
「気をつけて」と来たっきり。




おいおい、
俺の誕生日に愛し合ったあの幸せはどこへ行ったんだよ。


『チャンミンからメッセージがほしいな』




































ブーッブーッ



ブーッブーッ







ポケットに入れてあるスマホがバイブで着信を知らせている。
でも、今は写真撮影の仕事中のため出ることができない。






ブーッブーッ




ブーッブーッ







俺が電話に出れないなんてよくあることだから、ほとんどの友人は着信だけを残しすぐに切るパターンが多い。
でも今回はなかなか切らない。


ちょっと変だな?と思っていたらたぶん表情に出てしまったのだろう、


"お昼休憩にしましょう!"

とカメラマンが言ってくれた。
申し訳ない気持ちでいたら、

"腹が減って集中できなくなってきたわ俺"

と笑いながら言ってくれて、
すごく気遣いのできる方だなぁと関心した。






ブーッブーッ




鳴り止まないスマホの通知。
すぐに手に取ると、



『チャンミンっ!』

「あ、もしもし?よかった出てくれた…」

『悪い撮影してて』

「ごめんなさい。今って…大丈夫なんですか?」

『昼食の時間になったよ』

「……よかった」

『チャンミン、誕生日おめでとう』

「……………あ、覚えててくれてました?」

『当たり前だろ?』

「なんか全然連絡がなかったので、忙しくて忘れちゃったのかなって…」

『ごめん連絡できてなくて、
でもさチャンミンからの連絡もなかったじゃん!』

「あー・・・それは」

『それは?』




ちょっと歯切れが悪い。
まさか浮気…?いやいやそんな訳…




「怒ってるかも…と」

『怒ってる?』

「はい。皆が口を揃えて言うんです。
スタッフさんは冗談交じりですが、あとキュヒョンとか、だから…」

『え?怒ってるって俺が?』

「………はい」

『え?何に?』

「僕に対して……」

『なんでだよ?!』




訳わかんねーよ!
俺がチャンミンを怒ってる?
いやいや意味不明だし、

スタッフさんもキュヒョンもって何で?!






「チャンミナ、センイルチュッカハンダー」

『ん?』

「僕の誕生日イベントで、男性のペンが叫んだ言葉です」

『あー、うん知ってるよ』

「…………知ってたんですね」

『動画が出回ってたし、で?』

「スタッフさんが、その時の僕の笑顔にユノヒョンが嫉妬しちゃうんじゃないかって……言ってて。キュヒョンもすぐにユノヒョン怒ってないか?って連絡してきたから…」

『…………………』

「そんな風に言われるとちょっと不安になるというか、別にユノヒョンはそんなことで怒るような人じゃないことぐらい分かってるんですけど、でもメッセージも何も無いし、段々と不安になってきてて、
だから……」



畳み掛けるように話すチャンミン。



「謝ろうと…電話しました」

『チャンミン…』



電話越しでもわかる、
チャンミンは本当に不安に思っていたんだってこと。きっとベッドの上で正座で電話しているんじゃないかな。


俺がメッセージを送らなかったから。
チャンミンから送ってきてほしいなぁなんて思って、ちょっと待っていた自分が愚かすぎる。


チャンミンを不安にさせてしまっていたとは。
まぁ原因は若干違うみたいだけど。





『ちょっとだけ』

「………ヒョン?」

『正直ちょっとだけ嫉妬した』

「………………」

『でも別に怒ってはないよ』

「本当?」

『でもさ、お仕置きって言っていいのか……帰ったら俺だけのチャンミンだって証明してよ』

「証明ってどうやって…」

『ん?そんなの簡単。俺だけに見せるチャンミンのエロエロな姿を見せてくれればいいから』

「エ、ロエロっ?!!?!」

『楽しみだなー』

「ちょっ、勝手に話を進めないでくださいよ!」

『せっかくのチャンミンの誕生日なのに?』

「いやいや意味がわかりません。僕の誕生日なら僕の願いをですね、」

『チャンミンの願い事って?』

「………………それは…」




願い事なんて無いのか、
それとも言えないような願い事なのか?





「願い事なんて決まってます。
僕の願いはユノヒョンとずっと一緒に東方神起を続け、ユノヒョンと幸せになること…ですよ」

『チャンミン…』

「だからー・・」

『わかった!俺が帰ったらすぐにヤろう!』

「はいぃぃぃ???」

『え?だって俺と幸せになることが願いなんだろ?だったら俺と愛し合うことが幸せってことじゃん』

「なんて安直な考えなんだこの人は」ハァ

『え?じゃあ、ヤんないの?』

「……………それは」

『それは?』

「………シますけど……///」

『あーはーはー』

「恥ずかしいです……」

『幸せになろう俺たち』

「…………待ってますから。
韓国で僕は僕の仕事をしながら待ってます。だから早く帰ってきてください」

『………………』




離れている時間は1週間も経っていない。
その間にメッセージはなかった。

大人の恋愛なんてそんなもんだと、
友人はよく口を揃えて言う。




でもそれは俺には無理だった。
駆け引きしたつもりはないけれど、
結果的に駆け引きだったかもしれない。

俺がメッセージを送らなければ、
チャンミンからメッセージを送ってくれると、


馬鹿なことをした。






『チャンミン誕生日おめでとう』

「ユノヒョン…」

『本当は直接会って言いたかったよ』

「電話越しは直接に入らないんですか?」

『入らないかな。
直接会って言えたら抱きしめることもキスだってできるだろ?
愛する人の誕生日にそんなこともできないなんて無念だよ』

「大丈夫です。僕の誕生日は来年も再来年も、この先もあります」

『そりゃあそうだけど』

「だからこれからの誕生日は抱きしめてくれたら、それだけで幸せです」

『キスもするよ?』

「………////」

『あと、エッチも』

「あーもーわかりました!」

『約束だからな』




これからもチャンミンの誕生日を祝うことができる。
そう間接的に言ってもらえて、すごく幸せな気持ちになった。

愛する人を祝えるってすごく幸せだ。





「ユノヒョンありがとうございます。
僕は今世界一幸せです」

『俺も世界一の幸せ者だ。
チャンミン、生まれてきてくれて俺の側にいてくれてありがとう。愛してるよ』







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