Cside

















僕たち東方神起は
20周年という幸せすぎるカムバ活動を国内で一旦終え、
現在はアジアツアー真っ最中だ。


つい先日もバンコクでユノヒョンとライブをしたばかり。








だというのに、僕はすでにユノヒョンに会いたいと思ってしまっている。


カムバ活動中はほぼ毎日一緒にいたし、
ツアーの準備やリハでもいつも会っていた。





「それでも会いたいものは会いたいんだ」





そう素直に言えるキャラでもなければ、
年齢でもない。

20年前お互い10代だったにも関わらずユノヒョンは常にメンバーとして、リーダーとして僕を守ってくれていた。
そんなことにも気づいていなかった僕。



「生粋だっだろうな」







20代になって恋人同士になったというのに、変わらず僕を守ってくれていたユノヒョン。

一度だけ「僕もユノヒョンを守りたい。守ってもらってるだけの存在は嫌だ」って言ったことがあったっけ。


そしたら、
『守ってるっていうより、愛しているだけだよ』
と壮絶イケメンの笑顔で言われてしまった。





キュン死にしなかった僕って凄くない?




















プルルルルル


プルルルルル








「もしもしユノヒョン?」

『チャンミン今日さ…』

「今日がなんですか?てか夜ですよ?」

『………………今から会えない?』

「今から…ですか……予定があるんですけど」

『こんな時間に予定…あんの?』

「はい。大切な恋人の誕生日なんです。
デートのお誘いはしていないんですが、会いに行こうって思ってたんです」

『チャンミン……』

「ユノヒョン、今からユノヒョンの家に行ってもいいですか?」

『………当たり前だろ。今すぐ会いたい』

「ふふ、待っててください」






恋人に甘えられるってすごく嬉しい。
恋人になりたての頃は、なかなか本音を言ってくれていなかった印象だから。


もちろん仕事として、
メンバーとして意見を本音で言い合うことはあるけれど、

プライベートになった瞬間にユノヒョンは僕の気持ち最優先になっていた。
それがユノヒョンの恋愛スタイルなんだろうけど、
僕だって男だから、
恋人優先にしたいって思っていた。







ピーッ



勝手知っているユノヒョンの家。
暗証番号も、何処に何が置かれているのかも知っている。

ユノヒョンの家に来たらすぐにすることは冷蔵庫チェック。
料理が全くできないユノヒョンはほとんどが外食かペダル。
だからユノヒョンの家に行くときは、
いくつかおかずを作って行くようにしている。




「冷蔵庫におかず入れて、これでよし!」

『チャンミン、来てたの?声かけてよ』

「シャワー室からよくわからない鼻歌が聞こえていたので声はかけませんでした。
それより髪を乾かしてきてください。風邪引いちゃいますよ」

『せっかく恋人が俺の誕生日に会いに来てくれたのに?抱きしめることも許されないの?』

「そ、そういうのは髪を乾かしてからにしてください…///」

『言ったな?約束だからな!』






そう言って洗面所にダッシュして、
すぐにドライヤーの音がして安心した。



風邪なんて引いてられないから。




















「!!!!!」

『チャンミン♡』

「火を使ってるのに驚かせないでくださいよ」

『ごめんごめん。でも約束じゃん』

「約束?」

『ひどい!髪乾かしたら抱きしめていいって』

「状況ってものがあるじゃないですか!」

『えー・・ん?この匂いってもしかしてワカメスープ?』

「はい。誕生日ですから」

『チャンミン……ありがとう』

「今日、どうでしたか?」





今日はユノヒョンのセンイルパーティー。
ファンの皆さんと一緒にお祝いをしてもらっていた。
だからシャワー室からご機嫌な鼻歌が聞こえていたんだ、




『幸せだった。つくづく俺って幸せ者なんだって実感出来たよ』

「そうですね。みんなユノヒョンのことが大好きですから」




あ、ちょっと嫌味っぽかったかも。





『………………チャンミン?』

「さぁ、ワカメスープを食べましょう!
12時まで時間無いですよ?あと1時間しかないですから」

『…………チャンミン?ねぇ俺の目見て?』

「見てますよ〜」

『チャンミン!』




こういうちょっとした僕の声の色とか言葉選びで気付いちゃうんだからユノヒョンって。
流石と言うか、悔しいって言うか……





でもさ。
今回のカムバでも思い知ったけど、
やっぱりユノヒョンってすごい。
バラエティの共演者や、
後輩たち、スタッフにまで愛されている。


わかっていたけど、
僕だけのユノヒョンじゃなくて、ちょっと遠くに感じてしまった。


僕だけのユノヒョンだなんて、
おこがましいというか、
思うことすらバカバカしいのだけど…







『1番幸せなのは恋人のチャンミンが俺のために夜遅くに来てくれたこと』

「ユノヒョン…」

『好きな人を抱きしめられるって幸せなことだよ』

「…………………」

『俺の幸せはチャンミンありき。
チャンミンがいないと、そもそも幸せの土俵にすら立てないんだから』

「なんですかソレ…」

『だから、ペンに嫉妬なんてしないで』

「……………………」

『ペンがチャンミンに嫉妬しちゃうんじゃない?』

「………そんなわけ…」






チュッ





『愛してる』

「ユノヒョン……」





次第にキスが深くなる。
ユノヒョンの舌が僕の口内を食べてるって感覚。
僕はユノヒョンの舌の動きに正直ついていけない程で、ユノヒョンにすべてを任してしまっている。





抱きしめられるのも、
キスも久々。




ずっと忙しかった。
カムバの準備だけじゃない。

ユノヒョン単独のYouTubeやバラエティ、僕単独のバラエティもあった。


だから体力温存もしかり、
ぶっちゃけイチャイチャする時間すらなかったのだ。



だから、
こうやってユノヒョンの温かさに包まれて、
プクッとした柔らかい唇に触れられただけで身体が熱くなってしまう。






「ユノヒョ、ンッ…」

『チャンミン、ベッドにいこう』

「………でもワカメスープ…食べないと、」

『…折角作ってくれたけど、朝に食べても良い?』

「…………ユノヒョンのお母さんへの労りや感謝も込めているんですけど……」

『けど?』

「僕のこの熱い身体を冷ますためにも、
ワカメスープは明日の朝かなと勝手ながら思います」

『そう簡単にチャンミンの身体の熱が冷めると思うなよ?』ニヤリ





右口角を上げてニヤリとしたユノヒョンを見て僕の身体が興奮したのがわかった。

結局こうやっていつもユノヒョンの表情ひとつで僕は興奮して制御できなくなってしまう。


もっと触れてほしいし、
中に入ってきてほしいとさえ思っちゃうのだから。





『なにチャンミン…エロい顔してんの?』

「……………んあっ、」

『そんな顔したら俺が止まらないってわかっててやってるでしょ?』

「…………あ、ンッ…ちがっ!!ただ……ッ」

『ただ?』

「………中に入ってきてほしいって…ッ思っただ……ンッ」

『あーーいいね。
大好物だよエロいチャンミン。
すぐに入れるから待ってろ!』






そう言って僕の前と後を同時に溶かすユノヒョン。
細くて長いユノヒョンの指の動きが僕の中で感じて…気持ちいい!!



こういうことに謎に器用なユノヒョンをちょっと恨めしくて睨んで見たら、



『よがっちゃって可愛い♡』

「!!!!!ちがっ」

『よし、入れるよ。腰上げて』

「……………ハァッハァッん、」

『うん綺麗だ』




















「ん、…………ッ!!!!」



寒くて目が覚めた。
足が布団からハミ出ていたから、布団を被せようとしたら腰に激痛が走った。



ここ最近感じたことのない痛み。






スーッスーッ 



スーッスーッ





痛みの根源でもあるユノヒョンは気持ちよさそうに眠っている。


「すっきりした顔しちゃって」



ゆっくりと腕を伸ばし布団に手をかける。



「!!!!無理だ……今日1日動けないかも」


寒いからとにかく布団を被りたい。
2月に生まれたままの姿でいるなんてあり得ない。





「…………ユノヒョン、ユノヒョン!」

『ん〜?』

「起きて!寒いから布団ほしい!!」

『……………寒いの?』

「はい!寒いから!!お願い!!」

『ふふ可愛いな俺のチャンミン♡』

「へ?ちょっ………」




布団と共にユノヒョンも僕に抱き着いてきた。
まぁ暖かいんだけど。




抱き枕かなんかと勘違いしているであろう僕の額に唇を寄せる恋人。




『チャンミン……幸せ』

「………………僕もすごく幸せですよ」





ステージの上での格好いいユノヒョンも。
常に懸命に自分自身と向き合うユノヒョンも。
時にはお茶目で可愛いユノヒョンも。


20年の月日があったからこそ、
今の僕たちがいる。





「ユノヒョンの言った通り。
ユノヒョンがいないと、幸せの土俵にすら立てない。なんか分かった気がする」





ユノヒョン。
生まれてきてくれて、
僕の側にいてくれて、






ありがとう。
愛してます。





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