Cside
「王様、眠れませんか?」
『んーなんか頭が冴えてて……
疲れてんのになんでだよ…ったく』
「疲れすぎていると逆に眠れないと聞いたことがございます」
『俺のことはほっといてチャンミンはもう寝て?自室に戻って良いから』
「………………いえ、職務ですから」
『悪いけどチャンミンがいたら余計眠れない。自室に戻って、これ命令』
「……………………承知いたしまた」
『ん』
バタンッ
なんだか僕はユノ様に嫌われているみたいだ。
そりゃあ面白味もない僕なんかと常に一緒にいるなんてストレスでしかないだろうし、
執事が心許せるウニョクさんではなくて申し訳ない。
ウニョクさんは学校生活でのボディーガードを担当している。
外は危険がいっぱいだから、
学校生活は二人でユノ様をお守りしている。
だからこそ、余計ウニョクさんの存在がユノ様を癒やしているのではないだろうか。
高校ではとても和やかな笑顔でいらっしゃるから。
「はぁ、落ち込んじゃう。でも仕方ない。
ユノ様は普通の学生以上に勉強をなさっているのだから…少しでもお身体を休めるよう僕が努力しないと。たとえ嫌われてでも」
僕はベッドでゆっくりと目を閉じ横になった。
ユノ様…
「僕の方こそ眠れないよ……」
瞼の奥にはユノ様のご立派な腹筋と、
これまた想像していた以上にご立派なユノ様のジュニア。
偶然とはいえ見てしまったユノ様のお身体が脳裏というか目にしっかりと焼き付いている。
僕はいつからこんなスケベになったんだ?
お優しいユノ様を…
そんな目で見るだなんて、僕はなんて汚いんだ。
「ん、ッ」
少し固くなりだした自分自身に手を伸ばし布団の中で握り、上下に動かす。
ユノ様を想像するだけで今にもイッてしまいそう。
「んんんんん、あっ!!…ッく、!ンッ」
ハァハァハァ…ハァハァ
最悪だ。
初めてだった。
ユノ様を想像しイッてしまうなんて。
今まで自分でシても、ユノ様を想像したことなんてなかった。
ユノ様のお近くにいるようになったから?
ユノ様のお身体を直接見てしまったから?
「どっちにしろ最悪」
罪悪感が増えていく。
ただ勝手にユノ様を想い慕うことがバレなければよいと安易に考えていたけれど、
ここまできたら僕の想いも、僕の行動も一切バレてはいけない。
真っ暗な部屋の中、
ティッシュで片付けている姿を客観的に想像しただげで滑稽で何よりも惨めだった。
「ユノ様……申し訳ございません…」
"チャンミン寝不足か?隈がすごいぞ?"
「……………少しばかり寝不足です」
"そんなんじゃ王様をお守りできないぞ?"
「…………………王様申し訳ございません」
『ん?別に何も悪くないだろ?謝る事ではないよ』
「………………………」
『ウニョク、チャンミンに冗談を言うなよ?チャンミンは真面目なんだから100%そのまま受け取ってしまうだろ?』
「いえ、ウニョクさんの仰るとおりです。私の職務を全うするためには、睡眠しかり体調管理は不可欠なので…」
『…………まぁほどほどにしろよ?』
高校へ向かう道中の車内。
あれから眠れなかった僕にウニョクさんに寝不足だとバレてしまった。
こんなんじゃあ、ウニョクさんが仰る通り本当にユノ様をお守りできない。
情けない。
『あ、のさチャンミン…』
「はい。何でしょうか?」
『その……えっと…』
「王様?」
『いややっぱいい!なんでも無い!!』
「…………左様ですか?何がございましたら何なりとお申し付けくださいね」
『……………うん』
ユノ様がお言葉に悩まれている。
それって言いにくいことを僕に言いたいってことだ。
まさか、僕の気持ちに気づいた?
いやいやそんな訳ない。
ユノ様の前では正常……を装えていると自負している。
じゃああれか?
僕のことが嫌いだから辞めてほしいとか?
あぁぁぁぁぁぁ
ユノ様は一体何を仰っしゃりたかったんだよーーー!?!?!!
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