Cside







あぁ、こんなに気持ちよかっただろうか…




こんなに心が温かく、でもドキドキと鼓動がせわしなく鳴っていただろうか…









ユノヒョン…








クチュッ


『ここまで』




「……ん、」

『そんな顔しないで』

「そんな顔ってどんな顔?」

『気持ちよくて、止めないでーって顔』

「なっ?!!僕はそんなことッ!!!」





決してそんな顔をした意識はないし!
気持ちいいは正解だけど、
止めないでなんて……思っては…ないし。


止めるんだ…へぇ……ぐらいだったし!!





『あーはーはー
拗ねないでよ。チャンミナは本当に可愛いんだから』

「別に拗ねてもないし!」

『そっか…俺はもっとしたかったけどな』

「へ?」

『気持ち良すぎてこのままチャンミナのこと襲いかけたぐらいだ』

「襲っ?!」

『でもやっともう一度付き合うことができたんだ、急ぐ必要はねぇだろ?』

「………う、ん…?」




なんか、理解できるような…できないユノヒョンの言葉に脳内ハテナマークだけど、
とりあえずユノヒョンもキスが気持ちよかったってこと…///だよね?言ってたし。



僕だけじゃなくて、
同じ感情だったってことが、すごく心がポカポカとすると同時に、なんだかむず痒くも感じた。








あ、なんか僕


すごく恋してるって感じだ……//// デュフッ











 




『じゃあ俺は帰るよ』

「えっ?!もう?」

『今日はチャンミナを家まで送ることと告白することが目的だったし』

「え、でもまだ9時だよ…?」






さすがに泊まってほしいとまでは思わないけど、
でも恋人に戻れたんだから、
こう…色々と話したり、



もう少しキスしたり、






ってのがあっても良くない?

ユノヒョンってこんなにあっさりしてたってけ?
昔はもっとなんて言うか…
グイグイ来てくれていたし、
僕が何も言わなくてもユノヒョンの家に泊まるように言ってきたりしてた。
しつこいくらい…(嬉しかったけど)


そう、つまりはもっと僕と時間を共にしてくれていたのに。




5年も経てば人は変わってしまうのだろうか。
なんだかそれはそれで寂しい。













『まーたそんな顔する!』

「そんな顔って!気持ちよくて、止めないでーって顔になるわけないじゃん!」

『ん?今は帰らないでーって顔!』

「なっ?!!?!」





なんなんだよ!
僕ってそんなに顔に出やすい?!
前にキュヒョンに言われたことある気もするけど、自分では断じてそんなことないって思ってる。







『チャンミナ、やっともう一度付き合うことができたんだ。
焦る必要はないと俺は思ってる。
今度はゆっくり進んでいこう』

「今度は?」

『前は…正直俺の勢いみたいなとこがあっただろ?』

「勢い…」

『だから今回はお互いの気持ちを尊重し合いながら…ゆっくり…な?』

「…………………わかった…よ」

『ありがとう』



別に前回が勢いでつきあったわけではない。
ユノヒョンはそう感じていたのだろうか。
確かにユノヒョンに付き合おうって言ってもらって嬉しくて固まっていた僕に半ば強引にキスをされたんだった。



きっとその時のことを言っているんだろうな。





「律儀な人だよ」

『ん?』

「なんでもないよ」

『そう寂しそうな顔をしないで。
大丈夫、週末に泊まりに来るから』

「………………勝手だね。僕の意見は?」

『良いって言うだろ?』

「…………何その自信…仕方ないなぁ」




なんでもお見通しのようだ。
それも顔に書いてあるのか?




『チャンミナの仕方ないが聞けた!』

「はい?」

『俺の好きな言葉〜』

「変な言葉が好きなんだ…」

『誰でもいいわけじゃないぞ?チャンミナ限定なの!』

「あ、………そう…」




仕方ないのどこがいいんだか。
でもこれ以上聞いても、どうせ理解できないんだろうと思って僕はそのまま黙った。






そうして僕たちは明後日の週末を心待ちにしながら玄関先で別れた。


手なんか振ったりして、













ガチャ…ッ



扉が閉まったと同時に



「掃除しとかなきゃ!」










僕はさっきユノヒョンにバレた写真を元の位置へ戻し、明日も仕事だというのにせっせと掃除を始めた。





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