Yside







『悪いんだけどさ、
いったい何の話?婚約者って何?』

「!!!!この期に及んで!!」

『いや、まじで何の話なのかわかんねーんだって!!』

「………………本当に?」

『ああ、』

「…………………」

"チャンミン……"




チャンミナもキュヒョンも一体なんなんだ?
婚約者って誰に?って俺みたいだけど、
さっぱりわからん。




『俺に婚約者がいるって?』

「…………うん」

『一体誰がそんなこと…?』

"部長です"

『部長?!
部長とそんな話したことないんだけど』

「え…?」

"じゃあなんで部長がそんな嘘言う必要があるんですか?"

『いやいや、知らねーから!』




部長が俺に婚約者がいるって言いふらしてんの?
部長に婚約者どころか恋人の存在だって話したことねーけど?




「ホントにいない?」

『いるわけねーだろ』

「……………ほんとにほんと?」

『当たり前!チャンミナに嘘なんてつかねーし!』

「じゃあなんで…」

『もし俺に婚約者がいるなら、
それはチャンミナしかありえない』

「……………へ…////?」

"あの、そういうのはこの問題が解決してからにしてもらえます?"

『あ、悪い』

"とりあえず部長に話を聞きましょう"

『たく、部長…なんでそんな嘘を…ハァァ』

"嘘かどうかはまだ決まってません"ニヤリ

『キュヒョン!!お前どっちの味方だ!』

"俺はチャンミンの味方以外無いっす"ククッ

『キュヒョン…お前………』






ブラックなキュヒョンの不敵な笑み。
完全に俺を掌でコロがしてやがる。

俺はキュヒョンのオモチャか?






でも、ま。
チャンミナに心強い親友がいて良かった。



性格ひん曲がってっけど。





















『部長!』

"……びっくりした。どうした大騒ぎして。
今日は珍しく早く帰ったんじゃなかったのか?
審査部のシムくんまでいるじゃないか"

「……………失礼しています」

『部長!俺に婚約者がいるって言いふらしているみたいですね!!』

"言いふらすなんて人聞きの悪い。
チョンが頑張っているのは婚約者がいるからだと説明したまでで…"

『だーかーら、何で俺に婚約者がいるなんてことになってるんですか?』

"いるんだろ?"

『いませんよ!!!
そんな話部長としたことないじゃないですか?!』

"私とではなく、日本支社の木村さん。
日本支社ではチョンの上司だった人から聞いたんだ"

『木村さん……確かに木村さんは上司でしたけど、でも婚約者なんて話…していないです』

"寂しそうにしているチョンに女性を紹介しようとしたら婚約者がいると言われたと、私はそう聞いたぞ?"

『……………あ、』

"思い出したか?"

『……………はい』

「!!!!!ッ」

『でもそれは咄嗟の嘘といいますか…あまりにも女性を紹介してきたので断るための口実でした』

"…….…なるほど"






まさか部長と日本支社の木村さんが連絡しあっていたなんて、



ん?




『部長、日本語話せるんですか?』

"俺も昔、日本支社にいたんだよ"ニヤリッ

『そんな話聞いてません!』





まさか部長が日本支社に行っていたなんて!
だから二人は繋がってたってことかよ。






チラッ


俺はチャンミナに視線を動かした。




目だけを見たらノーリアクションと言いたいところだけど、
口元がニヤついてる。


チャンミナ、俺はお前のそんな表情ひとつで調子に乗っちゃうんだけど?

誰が見ても俺に婚約者がいなくてホッとしたって表情なんだけど?






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