Cside









"なにかの間違いだよ、な?"

「部長が言ってんだぞ?しかも日本支社に行く前からって……もう確実じゃん」

"確実って…"

「僕は浮気相手だったってこと。
危ないな、危うく告白しちゃうところだった」

"チャンミン…"

「なんだよ、キュヒョンがなんでそんな顔すんの?」

"悪い……俺がなんか"







昨日言ったことを謝っているのだろうか。



ユノヒョンは今でも僕を好きでいる。
だから告白するべき。
チャンミンの人生を思って別れた。



まぁ、昨日はっきりそう言ってた手前、
この状況は確かにキュヒョンが暗い表情になるのも理解できるけど、




「キュヒョンは何も悪くないよ」

"チャンミン……大丈夫か?"

「うん。大丈夫……ほら、仕事しないと」

"あぁ、なんかあったら言えよ?"

「わかってる。ありがとう」

"お昼は肉付き合うから"

「さっさと行けっw」












今日は契約書のチェックが溜まってるから仕事に集中しないと。












ポタッ





あれ?






ポタッ


ポタッ






ポタッ







おかしいな。

なんで僕泣いちゃってんの?










うぅぅぅ、









いつから浮気相手だったんだろう…
もしかして始めから?


そんなことない…よね?
だってすごく真剣だったし、
毎日のように話しかけてくれていた。



じゃあ付き合っている間ってこと?




やっぱり男の僕じゃ満足出来なかったってことなのかな。
僕は僕なりに頑張っていたんだけど、
どう足掻いたって女性のような柔らかさもなければ女性と同じ快楽を与えることが出来ない。



ははッ…、
ユノヒョン演技上手いんだから。


完全に騙されていたな。












ポタッ



ポタッ




『特別だから』




つい昨日までユノヒョンが僕に向けていた言葉。




苦しい…よ








部長が会議でよかった。
デスクで泣くなんてこと今どき新入社員でもしないのに、


僕の涙は一向に止まらない。













『チャンミナ!!どうした?!ん?』

「ゆ、の…ひょん……」

『誰だ?チャンミナを泣かしたやつ!』

「…………………」グスッ

『誰だ?俺が一発殴ってやるから!』

「……………もう、や……めてよ」

『チャンミナ?』




もう止めて。
僕に優しくするの。
これ以上惨めな姿見せたくない…




"ユノヒョン!チャンミンから離れてください"

『えっちょっ?!!なんだよキュヒョン』

"なんだよ?それはこっちの台詞です"

『は?』





キュヒョンがまだお昼にもなっていないのに、審査部の方に来た。
きっと僕を心配してくれて、トイレがてら顔を見に来てくれたんだろう。


ただタイミングは最悪だったようだ。











僕とユノヒョンとの間に入り込み、
ユノヒョンを睨みつけているキュヒョン。

こんなキュヒョン初めてだ。




"ユノヒョン、もうチャンミンに近づかないでください"

『はぁ?!』

"俺たち全部知ってんすよ"

『………………全部知ってる…?
じゃあキュヒョンの前では"シム"と呼ばなくていいんだな?』

"いいえ、呼ぶ以前に今後一切チャンミンに近づかないで下さい"

『なっ!!なんでそんなことキュヒョンに言われねーといけないんだよ』 

"チャンミンを振り回さないでほしいだけです"

『振り回す?』  

"もう別れてますよね?"

『……………ッ!!』

"最低なことしておいて今更なんですか?"

『それは……』

"反論しないってことは最低なことしたって自覚あるんですね"

『……………ッ』



キュヒョンの迫力にあのユノヒョンが負けた。
なんだかその姿が、
本当に僕って浮気相手だったって言われているみたいだった。




"チャンミン気晴らしにコーヒーでも買いに行こう"

「………………」

"チャンミン!"

「え?、あ…うん……行く…」




僕とキュヒョンがその場から動いても、
ユノヒョンはずっと僕のデスクの前から動かなかった。



ただ、下を向き拳をギュッと握り締めていた。






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