Cside
『理由は、…………俺がチャンミナを…』
ゴクッ
ユノヒョンが僕を…?
"ユノさんいた!SM社のキム部長からお電話なんですけど!!"
『!!!!えっと…今ですか?』
"何かお急ぎみたいです"
『あー・・・分かりました。出ますね』
"お願いします"
『悪い、ちょっと行ってくるわ』
「……………………」
"えっと……どうぞ…?"
キュヒョンの言葉を
聞いたと同時に電話があったことを伝えに来た女性社員とともにユノヒョンは営業部の方へ駆け足で去って行った…。
ホッ
"何ホッとした顔してんの?"
「え?」
僕…今ホッとした?
ユノヒョンが僕をどう思っているか聞きそびれてホッとしたっていうのか?
"ユノヒョンがチャンミンを手懐ける理由が謎のままでよかったのか?"
「ホッとなんてしてない…」
"してたよ。ちゃっかりチャンミナなんて呼ばれてんのに、
普段のチャンミンなら不機嫌になってると思うけど?"
「!!!!!そんなこと!!」
"ないとは言わせない。
入社間もない頃に先輩に名前で呼ばれて不機嫌丸出しだっただろ?
しかも女性の先輩に"
「……………………」
"実は心の何処かでユノヒョンのこと良いなって思ってんじゃないの?"
「……………………」
"サンドイッチ貰って、その上名前で呼ばれて内心喜んでる。でもその嬉しい理由に名前を付けたくないからユノヒョンからの言葉が聞けなかったのにホッとしたんだ"
「意味わかんない」
"じゃあ言ってやる。好きなんだよユノヒョンのこと"
「……………………」
"認めたくないかもしれないけど"
「……………………」
"チャンミンのことよく知ってる俺が言うんだ。認めろよ?"
「………………認めろ?」
"あぁ、チャンミンはユノヒョンのこと"
「とっくだよ!!」
"……っチャンミン?!…とっくってなんだよ?"
"シムくん?大丈夫かな?"
「部長すみません。声を荒らげてしまいました。頭を冷やしてきます」
"あ、あぁ……"
僕は微動だにしないキュヒョンを置いて、
御手洗へと向かった。
キュヒョンはきっと呆れてるんだ。
僕のこの……バカげた気持ちを。
とっくだよ…
本当に今更すぎる。
もうずっと前に別れた恋人を、
しかもあっさり別れることになった恋人を今も好きでいるだなんて、
その上、別れた恋人を追ってこの会社に入社したんだ。
僕は狂っている。
キュヒョン、お前の同期の親友は狂ってんだよ。
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