Cside










コーヒーを片手に僕たちはデスクへとそれぞれ戻っていった。
ユノヒョンとキュヒョンは2人揃って営業部へ、僕は1人審査部へと向かった。













僕がコーヒーを飲みながらちょっと一息ついていると、




『シム、これ』

「!!!!!!」

『どーせ魚だけじゃ後で腹減るだろ?』

「これ…さっきの……お店の」

『"特別"だからな』

「!!!!!!!」





さっきのコーヒーショップでコーヒーと一緒に買っていたサンドイッチを、
僕の席に置いてニカッと笑顔を振りまいて去っていった。



僕が魚だけじゃすぐにお腹が空くって思った…ってことみたい。




「自分用に買ったんじゃなかったんだ」









僕はポツンと置かれたサンドイッチを人差し指でツンツンとしながら、
「だから特別ってなんなんだよ…」

と遠目で営業部の方に視線を動かした。




視線の先ではユノヒョンとキュヒョンがまたイチャイチャしていて内心モヤッとした。





























Yside









『はぁぁぁぁぁ…』

やっちまってるよな俺…










なにが"特別"だよ。





でもチャンミナに今恋人がいないってことが分かって俄然やる気が出た。
特別と言って動揺しているチャンミナの表情からは嫌がってる様子はない。




そのうえ、その困っているって表情がかわいい!





このまま押し通せば、あの時みたいにまた恋人関係になれるのではないだろうか。






















Cside







『シ〜厶くん♡』

「!!!!」ゾクッ

『あれ?シム?』

「なっなんですか?!キモいっすよ」

『キモいっ?!だと!!』

「で、なんですか?」

『この契約書のチェックお願いしたくて』

「契約書のチェックはクラウドに申請してください」

『は?なにそれ?』

「あぁ、2年前にクラウドを導入したのでフローが変わったんです」

『まじか〜申請方法教えてよ』

「…………営業部の誰かに聞いてください」

『いーじゃん。チャンミナ教えてよ』

「シッ!」

『ん?』

「名前!」

『……………シム教えてよ。
つーか、呼び方別に良くないか?仲良くなったって言えば誰も疑問に思わねぇって』

「でも…」

『だってチョキュヒョンのこと、
キュヒョンって呼んでっけど?誰も不思議に思ってないし』

「それは…同じ営業部だし……」

『俺のキャラを考えたら誰も何にも思わないだろ?』

「……………………」




本当に?
ユノヒョンが僕を会社でチャンミナって呼んで周りは不思議がらないのだろうか。
そりゃあユノヒョンのキャラ的にはおかしくないけど、


でもどっから話が漏れるかなんて分からない。




営業部と審査部として同じ会社ってだけでもリスクだと僕は思う。
なるべるユノヒョンとは関わらず、
ただ同じ空間にいるってだけで僕は良いんだよ。






『…………わかったよ。シムって呼ぶ』

「へっ?」

『俺とのことバレたくないんだろ?
チャッ…シムが嫌なことを強要したくないからな』

「ん?」

『じゃ、キュヒョンにでも申請方法聞くわ』

「…………………」

『ありがとな』








ユノヒョンは僕に背を向け、
一度も振り返ることなく営業部へと戻っていった。






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