Cside
キュヒョンの奴何が、
定時になったら迎えに来るから〜だよ。
定時15分前に契約書のチェックを提出するなんてふざけてる!
んで、ちゃっかり飲み会には参加しているキュヒョン。
そういうところ尊敬はしないけど、
さすがだなと思う。
まぁでも、良かった……かも。
「これで飲み会に参加しなくて済む」
ハァァァァァ
思わずため息が出てしまった。
果たして僕は、
ユノヒョンに会いたいのだろうか。
ユノヒョンと話したいのだろうか。
『参加しなくて済む?』
「!!!!!!」
『ため息なんてして』
「……………ユノ…ヒョン…」
驚いた。
今回の主役でもあるユノヒョンが定時をとうに過ぎているにもかかわらず、
平然と僕の目の前にいる。
そして、
そんなことよりも、
「どうして僕がいることを…」
『んなの、皆の前で挨拶したときから気づいてるよ。俺がチャンミナに気づかないわけ無いだろ?』
「……………………」
気づいていながら、
今の今まで話しかけてこなかったってのが気になりますけど?
ま、それほどユノヒョンにとっては僕の存在なんてどうでもいいということだろう。
だって普通なら、
別れたあとに元恋人が勤める会社に入社していたら、
驚いたり、理由を聞いたり、なんならストーカーだって疑われてもおかしくない。
それなのにユノヒョンは僕に問い詰めることをしない。
「今日の主役が遅れてたらだめなんじゃない?」
『ちゃんと部長に伝えてるよ。
それに日本支社に行く前から良くしてくれていた取引先に挨拶しに行っていたんだ』
「そ、」
『そんなことよりチャンミナ、』
プルルルルルッ
プルルルルルッ
「スマホ鳴ってるよ」
『ん?あぁ』
プルルルルルッ
プルルルルルッ
「出なよ」
『いや、大丈夫…それより』
「出なって!!」
『………………あぁ』
ちょっと大声で言ってしまった。後悔…
『はい、…はい、えぇ今から向かいます。
遅れてすみません。ん?審査部のシムチャンミン…ですか?あぁ今一緒にいますよ。もちろん二人で向かいますので』
「なっ?!」
『では、はい後ほど』
ピッ
『てことで、チャンミナ今から俺と一緒に行くぞ!』
「何勝手に決めて?!キュヒョンみたいだ!」
『キュヒョン…?』
「あ、その…同期で、ユノヒョンと同じ営業部の……」
『…………あぁチョキュヒョンか。
チャンミナの同期だったんだ。
丁度いい。あいつは飲み会にノリノリだったから同期としてぜひ行ってやれ』
「別に僕とキュヒョンはそんなっ!」
『チャンミナ』
ビクッ
『ほら、一緒に行くぞ?』
「…………………」
なにそれ。
なんで僕に向けて、
まるで恋人みたいに手を差し出してくるんだよ?
僕たちとっくの昔に別れてるんだよ?
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