家の近くの公園でチャンミンとどこかで見たことがある男子生徒が話している。
チャンミンの表情から二人の仲がいいとは思えなかった。
チャンミンを助けに行くタイミングを見計らうため二人から近い木の陰に隠れて潜んでいた。
"チャンミンならイケる"
"僕と付き合わない?"
まさかの告白だった。
なんでこうチャンミンへの告白シーンを頻繁に見なきゃならないんだよ。
しかも今回は同性から.....
チャンミンがきちんと断り安堵したのは束の間、
「僕の好きな人も...同性なんです。
って僕はその人だけなんですけど.....今までは異性がまぁ対象だったけど、今の好きな人だけはなぜか...」
チャンミンが奴に放った言葉が俺を地獄へ突き落とした。
もちろんそうじゃないかな~と薄々勘づいていたし、これで相手はミノだと確信した。
でも俺はショックだった。
そんな大事なことをよく知らない奴に話して俺には好きな人がいることも、その相手が同性だということも言ってくれない。
俺ってなんなんだろう。
二人にバレないようにソッとその場から離れた。
頭の中で何も考えられない
公園から家まで猛ダッシュで走り周りの人からは変な目で見られただろうけど、そんなのどうでもいい。
マンションの共用部にある小さな公園のベンチに座った。小さなすべり台とベンチしかないけれどこのマンションの憩いの場だ。
小さい頃はチャンミンと二人でこのすべり台で何百回と遊んだ記憶がある。
頭を冷やそうと思って外に出たのにこんなことになるとは。
『余計勉強に集中できなくなったな...』
チャンミンはミノが好き.....か。。
"またチャンミンに直接確認もせずに決めつけてるだろ"
ドンヘに言われた言葉が浮かぶ。
なんかもうどうでもいいや。
ただの失恋、みんな経験するもんだし...
「ユノ?」
『..........』
帰ってきたチャンミンと鉢合わせしてしまった。さっき同性に告白されたっていうのにそんな素振りも無い。
「どうしたの?勉強に集中できなかった?」
『..........』
「分からない問題でもあったの?」
『.....チャンミン』
「えっ...ちょッ.....ユノ?」
俺は気付いたらチャンミンを抱き締めていた。
あまりにも純粋に話しかけるチャンミンが、
俺の嫉妬と絶望の心には眩しすぎたから。
「どうしたの?...ユノ.....」
俺はチャンミンを抱きしめている腕に力を入れチャンミンの背に手の平を重ねた。
いくら初夏の気持ちのいい風が吹いていても
男同士で抱き合うと暑い。
仕方なく離れようしたら、
チャンミンが俺の背に腕をまわしギュッと力をこめた。
触れあっていると身体が熱くなる。
チャンミンの撫で肩に顎をのせ、
『どうして離れないの?』
「...ユノが辛そうだから」
『もう.....大丈夫だから、ありがとう』
そう言うとチャンミンは力を弱めそっと身体を離した。ただそれだけのことなのに凄く淋しく感じた。
「話してよ、話ぐらい聞くよ」
『..........』
「言ってくれないの?...僕たち親友なのに」
『じゃあさ、、』
「うん.....」
『チャンミンも話してよ、言ってよ...』
「え?な、に.....を?」
『チャンミンこそ何も言ってくれないし何も話してくれないじゃん』
「.....なんの、こと?」
...俺は最低だな。
チャンミンに責めるような口調で、
チャンミンの秘事を聞きだそうだなんて。
でも、もう後戻りはできない。
『チャンミンの好きな人ってミノ....なのか?』
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