今日は「ダウ理論『株価はすべての事象を織り込む』」というお題で書きたいと思います。
今日はメールマガジンの定期配信日です。
今回のメールマガジンのテクニカル講座では、チャートを分析する際、市場参加者が意識しそうな株価の目途をつける手順について解説しています。いきなり、フィボナッチリトレースメントやフィボナッチエクステンションを引く前にやることがあるのですよ。
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さて、以前、以下の記事で、ダウ理論について解説したことがあるのですが、今回はダウ理論の「株価はすべての事象を織り込む」をもとに、海運株の株価形成について考察した結果について書きたいと思います。
ダウ理論について書いた記事は以下の通りです。是非、テクニカル分析をしたい人は読んでくださいね。
ダウ理論の「株価は全ての事象を織り込む」は、世の中に公開されている全ての情報は、一瞬にして市場に織り込まれて株価が形成される、という考え方です。
そして、株価は、株価に影響を与える全ての要因を織り込んで形成されるというのが、テクニカルをやっている奴の常識になっています。ファンダメンタルに影響を与える要因というのは、世の中の全ての事象を織り込むのですよ。
ところで、今回は、ダウ理論の「株価は全ての事象を織り込む」をもとに、バルチック海運指数が海運株の株価形成に与える影響について考察してみたいと思います。
以下のチャートは、商船三井(9104)、日本郵船(9101)、川崎汽船(9107)のチャートにバルチック海運指数を重ねたものです。
商船三井の日足チャート
TradingView提供のチャート
日本郵船の日足チャート
TradingView提供のチャート
川崎汽船の日足チャート
TradingView提供のチャート
以上のチャートを見ると、どの銘柄も、株価が1回目の山を形成するまでは、バルチック海運指数に先行して、株価が上昇していることが確認できると思います。例えば、バルチック海運指数が頂点をつける前に株価が頂点をつけてますよね。そして、バルチック海運指数が頂点から下落する前に株価が下落し始めていることが確認できると思います。
これは、海運業のファンダメンタルを示すバルチック海運指数を先取りして株価が動いている事に他ならないと思います。
そして、株価の1回目の山が崩壊してから、次の山を形成する過程では、株価はバルチック海運指数が下落基調でも上昇していることが確認できると思います。
また、株価が1回目の山を形成した後は、ファンダメンタルの指標となるバルチック海運指数の上下を株価が追っていることが確認できると思います。
以上のことから、株価が1回目の山を形成する過程というのは、機関投資家などが、あらゆる手段を講じて情報を収集し、海運株に関するファンダメンタルを分析をしている可能性が考えられ、このようにバルチック海運指数に先行して株価が上昇しているものと思います。例えば、衛星写真などで、沖に停泊している貨物船が何船あるかを見れば、船舶の需要が逼迫していることは確認できますからね。
よって、機関投資家は、独自の情報網を駆使して、バルチック海運指数の上昇・下落を予想していると推測できます。機関投資家は、ファンダメンタルとしてのバルチック海運指数は意識はするものの、独自の情報網を駆使してバルチック海運指数を先取りしているものと思います。
先程のように、船舶需要が逼迫している状況が確認できれば、バルチック海運指数が上昇することは予想できますから、株価がバルチック海運指数に先行して上昇するのは当然だということです、
これは、ダウ理論の「株価はすべての事象を織り込む」通りになってますね。
ところが、株価が形成した1個目の山が崩壊した後は、株価はバルチック海運指数の上下を後追いしてはいるものの、はっきり言って、ファンダメンタル無視の仕手株化していると思います。こうなったらバルチック海運指数ナンボのもんじゃ!状態ですよ。
株価の1個目の山が形成される過程では、機関投資家などが株価形成に重要な役割を果たしていると思いますが、1個目の山が崩壊した後は、ファンダメンタルもくそもない、値動きだけを追いかける投資家が株価を形成しているということだと思います。要するに、単にマネーゲームに興じているだけということですね。
つまり、株価の1個目の山が崩壊した後は、バルチック海運指数の影響は軽微で、値動きに乗ってトレードしているイナゴ祭り状態ということですよ。
以上から、イナゴ祭り状態の時にバルチック海運指数が下落していることを確認していれば、海運株なんて買ったら博打を打つのと同じだと理解できると思います。つまり、海運株を買う際にバルチック海運指数を見る必要性というのは、「買わない」という結論を得るためだけですね。
また、海運株が上昇し始めた時に、バルチック海運指数を見る意味は、ファンダメンタルが良好であることが維持されていることを確認するためには必要となると思います。しかし、株価は、バルチック海運指数に先行して動いているので、チャート分析でエントリーからエグジットまでのシナリオを描いてトレードをしなければ儲けるのは難しいと思います。テクニカル分析では初動の動きを察知できますから、買うタイミングはテクニカル分析で考えられますよ。
結局のところ、海運株を買う際にバルチック海運指数を見る意味は、まずは、「買わない」という結論を得るために必要だということです。もう一つは、ファンダメンタルが良好であることが維持されていることを確認するためだけですね。
つまり、海運株を買うタイミングを計るためにバルチック海運指数を見ることは意味がないということです。「海運株を買うならバルチック海運指数を見ろ」と言われるのですが、買うタイミングを計るためにバルチック海運指数を見ることは意味がないということですよ。これは理解できたよね。
もし、初心者が「海運株を買うならバルチック海運指数を見ろ」を信じて実践したら、バルチック海運指数が頂点を目指して上昇しているのに、株価が下落しているから「バルチック海運指数が上昇しているのに、株価が下落している!これは、きっと買いだ!」とやっちまうな。あーあ。落ちるナイフは掴んじゃダメなんだよ。
皆さんに言いたいことは、世の中には、もっともらしいことを検証もせずに、ちょろっと言ってしまうおバカさんがいるのですよ。きっと、考える頭が無いんだろうね。
ここで言いたいことは、「どんな人が言うことでも鵜呑みはいけない」ということです。必ず、自分で調べて納得してから知識にしてくださいね。
もう一度言いますが、どんな銘柄を買う時も、ファンダメンタルが良いことを確認した上で、テクニカル分析でエントリーからエグジットのシナリオを描くことが必要だと思います。
とにかく、株式投資でファンダメンタル分析は絶対必要だからね。まぁ、ファンダメンタル無視のトレードは、クリープを入れないコーヒーみたいなものですわ。
業績の裏付けがある銘柄を選び、そして、テクニカル分析でエントリーからエグジットまでのシナリオを描いてトレードすることをお勧めします。
まずは、業績が伸びることが期待できる銘柄を選びましょうね。
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