生みの親は後悔も、「犬アレルギーでも大丈夫」な盲導犬から始まったミックス犬の物語 | タテドーのブログ

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何百年もの間、純血種の犬は大切にされ、人々はお気に入りの犬種に夢中になってきました。しかし、1990年代、ミックス犬(デザイナードッグ、ハイブリッドドッグとも)という新しい流行が起きました。

 始まりは、オーストラリアのブリーダーで、当時はオーストラリア王立盲導犬協会(現在のガイド・ドッグス・ビクトリア)で働いていたウォーリー・コンロン氏が受けた依頼。内容は、米国ハワイ州に暮らす盲目の女性に盲導犬を提供することでした。ただし、女性の夫が犬アレルギーだったのです。


 コンロン氏はスタンダード・プードルの訓練に何度か失敗した後、スタンダード・プードルをラブラドール・レトリバーと交配することにしました。この結果、「ラブラドゥードル」として3頭の子犬が盲導犬の候補になったのです。このうちの1頭だけは、依頼者の夫がアレルギーを起こさなかったのです。この犬はスルタンと名付けられ、訓練を受けてハワイに送られました。

 しかし、残りの2頭を盲導犬として引き取りたがる人はいませんでした。人々が興味を示すのは純血種のラブラドール・レトリバーで、ミックス犬ではなかったからです。

 そこで、コンロン氏は盲導犬協会の広報部門に、ラブラドゥードルというまったく新しい「非アレルギー性」の盲導犬を生み出したとメディアに知らせ、宣伝してほしいと頼んだのです。この戦略は功を奏し、人々は突然、この新しい盲導犬種を熱望するようになりました。

 ラブラドゥードルの噂が広まると、一般市民もペットとして欲しがるようになりました。そして、ほかのブリーダーもラブラドール・レトリバーとプードル、ゴールデン・レトリバーとプードルの交配を始めました。その後、多くの犬種がプードルと交配されるようになり、かわいい名前のミックス犬が次々と誕生、「ドゥードル」ブームが巻き起こったのです。

現在、プードルは考えられるほぼすべての犬種と交配されていますが、米国で最も人気があるのはラブラドゥードルとゴールデンドゥードルです。パグル(パグとビーグルの交配種)やゴルダドール(ゴールデン・レトリバーとラブラドール・レトリバーの交配種)など、プードル以外の犬種を組み合わせたミックス犬も登場しています。


 とはいえ、アメリカンケネルクラブやカナダケネルクラブ、ユナイテッドケネルクラブなど、北米に本部を置くケネルクラブのほとんどはミックス犬を犬種として認定していません。ミックス犬にはブリーダーの個人的な好みが反映されており、犬種の外見は標準化されていないのです。

 ドゥードルは犬アレルギーを引き起こさず、抜け毛もないと広く信じられていますが、そうとは限りません。特に、プードルとほかの純血種を両親に持つ場合は。プードルが75%、ほかの犬種が25%のドードゥルは、プードルの「低アレルギー性」の被毛を持つ可能性が高いですが、保証されているわけではありません。

「低アレルギー性」は文字通り、アレルギーを引き起こしにくいという意味です。純血種であれ、ミックス犬であれ、アレルギーを引き起こさないと保証されている犬はいないのです。

 ただし、犬アレルギーに悩んでいても、プードルやビション・フリーゼ、ポーチュギーズ・ウオーター・ドッグなど、低アレルギー性の犬種と一緒に暮らせる人もいます。現在の盲導犬プログラムでは、ドゥードルよりむしろ、ラブラドール・レトリバー、やゴールデン・レトリバー、ジャーマン・シェパードなどを訓練するのが一般的です。

 コンロン氏はラブラドゥードルを生み出したことを「後悔している」と公言しており、ドゥードルの流行に便乗しようと無差別に交配された犬に見られる健康上の問題を嘆いています。しかし、ラブラドゥードルやほかのミックス犬を愛する人々の見方は違います。良くも悪くも、このようなミックス犬は今後も存在し続けることでしょう。