胃ガン | あ~した、てんきになぁれっ!

あ~した、てんきになぁれっ!

動物園ひとり旅 as times goes by

5月28日放送の『主治医が見つかる診療所 』。

 テーマは胃ガン。
 患者数20万人以上といわれ日本人に最も多いガン。

 レギュラー医師に加えて、
  ソフトバンク・ホークス 王貞治監督の胃がん手術を執刀した
 藤田保健衛生大学病院 の宇山一朗医師。
  (消化器外科教授、胃ガンの腹腔鏡下手術の第一人者

 スタジオゲストは
   山口良一宮本和知はしのえみふかわりょう






腹腔鏡下手術
  お腹に小さな穴をいくつか開け、そこからカメラと手術器具を挿入。
  お腹の中をモニターに映しながら手術をするという方法。
  開腹手術に比べ、傷が小さいため患者の負担が軽く、手術後の回復も早い。

宇山医師)
  王監督が受けた手術は腹腔鏡下という手術で、
  従来の開腹術はみぞおちの辺りから、おへその下くらいまで大きく切ってやる手術ですが、
  腹腔鏡下の手術は1~2cmの傷を数ヶ所つけて筋肉を切る範囲も少ないですし、
  痛みも少ないので翌日から歩くことも出来ますし、身体に優しい手術ですので
  早く社会復帰することもできます。

草野仁)
  王監督は大変な健啖家でいらっしゃって、
  とても強靭な胃をご自身でも自慢しておられたんですが、
  その方でさえも胃ガンになる…。
  日本人って、胃ガンというのは多いということなんですね?

宇山医師)
  どんなに強靭な身体を作っていても、ガンになる、ならないとは関係ないと思います。
  特に日本は胃ガンが非常に多い国で、発症率で言うと世界一の国だと思います。

●胃ガン死亡率の国際比較(人口10万人のうち何名が胃ガンで死亡しているかの数値)
  日本   男:52.2人、女:27.0人
  イタリア 男:23.5人、女:15.5人
  フランス 男:11.0人、女: 6.6人
  アメリカ 男: 5.3人、女: 3.7人

草野仁)
  この数字で言うとアメリカの10倍くらい胃ガンで亡くなる人が日本にはいます。
東野幸治)
  男女で言うとやっぱり男性の方が多いですね。
  どの国でも大体男性の方が(女性の)倍くらいですもんね。
  新見先生、男女のあれはなんでですか?
新見正則 医師)
  男女どうして男が多いかですか?
  これはとても難しくてわからないんですけども…。
  冷蔵庫が出来てから胃ガンが減るんですよ。どこの国でも大体…。
  全く推測なんですけども、
  冷蔵庫がないと塩をいっぱい使うんです。(保存のために…)
  たぶん塩が関係してるんじゃないかということを多くの人が思ってるんです。
  大体、男の人の方が塩好き…ですかね?
  あとはもしかしたら男女の性差によってはじめから違うのかもしれません。
金武英 医師)
  これは昔から言われてるんですけど、
  「食生活ではないか?」とか言われてるんですけど、犯人はよくわかりません。

ふかわりょう)
  僕、犯人知ってます!
  元々日本は農耕民族でお米とか野菜とかお魚しか食べなかったんです。
  そこへ戦後アメリカが「じゃあお前ら肉を食え!」って肉を大量に入れることによって
  日本人は肉を食べるようになったんですけど、
  欧米人と日本人とで内臓の構造が違うから、
  欧米の人は牛肉とか食べても大丈夫なんです。
  でも日本人はそういうのに対応しきれない臓器だから、それで胃がんが増えた。
  それが正解ですね。
新見医師)
  大腸ガンではそれは正解です。
  大腸ガンの方は日本の人がアメリカに移民すると増えるんですよ。
  胃ガンに関しては宇山先生に聞いてみましょうね。
草野仁)
  そうですね。
宇山医師)
  肉の摂取量は胃ガンには関係ないと思います。
東野幸治)
  見事に先生方が叩き潰してくれましたね(笑)

※戦後日本で大腸ガンが増えたのは食生活の欧米化が原因だといわれている。
  胃ガンは肉の摂取量とは関係なく、塩分摂取量が関係しているのでは、といわれている。

●日本国内での胃ガンによる死亡率(人口10万人中何名が胃ガンで死亡しているかの数値)
  1位 秋田県  65.4人
  2位 山形県  57.3人
  3位 新潟県  55.7人
  4位 和歌山県 53.0人
  5位 富山県  52.8人

磯山さやか
  東北地方が多いですね。
秋津壽男 医師)
  これもやはり先程の塩分説に関係するんですけど、
  寒い地方はどうしても塩分が過多になるんです。
  ところが1つ不思議なことがありまして、
  秋田、山形とありますけど、岩手県というのは非常に胃ガンが少ないんです。
  隣なんですよ。(岩手県は24位)
  調べてみたら、塩分の摂り方は岩手、秋田、山形でほとんど差がない。
  それなのに、何故か岩手県だけ胃ガンが少ない。
  未だに理由がわからなくて、いろんな人が調査中です。
  そのあたりに何か解があるかもしれません。。。

山口良一)
  和歌山県だけ異質な感じが…。
  梅干食べ過ぎて、塩分もあるし酸っぱいし…。
秋津医師)
  梅干は胃酸には勝てませんから。
  胃酸はもっとはるかに酸っぱいです。
ふかわりょう) それ全部海沿いの県ですよね。
東野幸治)   あっ、そうですよね。
山口良一)   日本はほとんど海沿いですから…。(一同爆笑)


●胃ガンへの疑問


①「焦げ」を食べると胃ガンになりやすい?

   YES…1名(新見医師)、NO…5名。

南淵明宏 医師)
  動物実験で発がん物質ということで胃のガンが誘導されたということだと思います。
  日常生活において動物実験と同じくらい(大量の)焦げを
  食べるということはありえないです。1日何kgとかね…。
金医師)
  全く同じです。
  量的な問題を無視するのは非科学的だと思います。
  例えば、我々は普段紫外線を浴びてますが、非常にたくさん浴びればやはり体に悪い。
  それをちょっとでも悪いでしょ、って言ったらキリがないです。
宇山医師)
  肉とか魚とかの焦げの中に発がん物質があるというのは証明されているわけですけども、
  それが胃ガンと関係しているかどうかということは全く証明されていないですよね。
  現状で関係あるかといわれたらNOだと思います。
森智恵子 医師)
  焦げというのは、食べ物を楽しむ上で美味しさにもつながりますから…。
  あえてよける方が余程神経質なのであって…。
  好んで私の場合は食べてます!
  美味しいですから。

草野仁)
  新見先生、お一人がYESということで…。
新見医師)
  悪いという根拠もないですが、良いという根拠もないですから…。
  特別焦げた物が好きでなければ、やめられた方が良いと思います。

常識的な量であれば焦げを気にする必要なし

はしのえみ)
  質問があるんですけど…。
  アルコールはやっぱり良くないんでしょうか?
秋津医師)
  うんと濃いスピリッツ、例えば焼酎でも60度くらいのありますよね。
  あれは物理的な胃の障害が起きますから、
  それを修復する時にエラーが出て胃ガンになりやすいといわれています。
  ただ、割と飲みやすい口当たりの濃さのアルコールであれば心配ないです。
東野幸治)
  えみちゃんは夜な夜な毎日お酒を飲んでらっしゃいますよね。
はしのえみ)
  1日1本缶酎ハイ!(笑)
秋津医師)
  それくらいなら問題ないと思います。

※そもそもガンとは、
  元々正常だった細胞が何らかの原因で異常を来たしガン化。
  無秩序、無限大に増殖してしまう状態をいう。
  アルコール度数の高いお酒をたくさん飲むと、胃の粘膜を傷つけてしまい、
  それが何度も繰り返されると修復の家庭でガン細胞が出来てしまうと考えられている。

秋津医師)
  お酒の中には医療用のお酒というのがありまして、
  病院で使う薬としてのお酒があるんですね。
  日本薬局法という医療法で決まっている葡萄酒というのがありまして、
  一般に食欲増進、強壮、興奮の為、または下痢の時などに一さじずつ与える、とあります。

ゲストによる試飲会
  宮本和知) ちょっと「養命酒」っぽい感じ。
  はしのえみ)お薬っぽい…。ちょっと後味苦い。
  山口良一) 漢方も入ってるような…。


②胃ガンは遺伝するか?
   YES…1名(秋津医師)、NO…5名。

新見医師)
  実際、はっきり遺伝するガンは、大腸ガンの一部と甲状腺ガンの一部なんですね。
  遺伝という言葉の解釈なんですけど、
  確かに胃ガンの方が家系にいらっしゃる方のほうが、
  いろんな食生活ですとか、そういう影響で多いだろうと思います。
  ただ、はっきりした意味での遺伝ではNOにしておきました。
南淵医師)
  遺伝が全く関係なく、
  突然その家系の中で胃ガンになる方は結構いらっしゃいますんで、
  それはやっぱり遺伝とはいえないし、
  やっぱり油断しちゃいけないということですよね。
宇山医師)
  遺伝という言葉が難しいと思います。
  ある特殊な病気のように必ず親から子供、劣性遺伝、隔世遺伝という言葉があるように、
  そういう意味でいう遺伝は胃ガンにはないと思います。
  ただ、私が経験した患者さんでも、5人ご兄弟がいらして4人皆30代で胃ガンになって…。
  ある意味での特殊な家族発生、非常にまれですから、そう多くはないと思います。

草野仁)
  秋津先生はYESとお答えになりました。
秋津医師)
  だいたい皆さんと基本的には同じ意見なんですけど、
  胃ガンになりやすい家族だとか、
  胃ガンが要注意な家族っていうのは存在するんですね。
  もし、家族、親戚に胃ガンが何人かいらっしゃる方は遺伝を怖がるんじゃなしに、
  「私は胃ガンに要注意な家系だから、まめにチェックしよう」、だとか
  そういう意味で遺伝はあると考えるのも1つの手だと思います。


③ストレスが多いと胃ガンになりやすい?
   YES…3名(新見医師、南淵医師、秋津医師)
   NO …3名(宇山医師、金医師、森医師)

宇山医師)
  ストレス性潰瘍もないということに今、医学的にはなっているんですね。
  ストレスが及ぶのは胃炎までと言われています。
  胃の粘膜がただれたところが‘びらん’というか胃炎。
  それが完全に剥げ落ちた場合、粘膜下層にまで落ちてしまえば潰瘍ということですが…。
  ストレスで潰瘍にまではならないというのが大体今の通説だと思います。
  ですからストレスだけで胃潰瘍になったり胃ガンになることはないです。

※ストレスがたまって胃の具合が悪くなるというのは多くの人が経験すること。
  しかし最近の研究では、ストレスの影響があるのは胃の粘膜まで。
  つまり胃炎までだという。
  粘膜下層を越えて傷が出来る胃潰瘍や胃ガンは
  ストレス以外の原因がなければ起こらないという考えが現在の主流。

新見医師)
  ガンというのは実はたくさん出来ては消えているらしいんですよね。
  人間の体が免疫でやっつけてるんですよ。
  そういう免疫が実際ストレスがあると変化するというのは間違いないんです。
  ですから何人かの方はそういうストレスによって免疫系の変化が起きて、
  実際にはやっつけられるものが生き残って
  ガンになったということが可能性としてはあると思います。


④ピロリ菌って胃ガンの原因になるの?
   YES…3名(南淵医師、新見医師、秋津医師)
   NO …3名(宇山医師、金医師、森医師)

新見医師)
  実際、ピロリ菌を「除菌」といって、
  なくした群となくさない群の検査は差がなかったんですね。
  だからNOと言いたいんですが…。
  やっぱりピロリ菌いない方がいいんじゃないのっていう、
  さっきの同じ理論でYESにしておきました。
秋津医師)
  ピロリ菌はやはり胃炎、胃潰瘍の原因になりやすいし、
  そうなるとガンのリスクも出てきます。
  だから、健康な胃の人にはピロリ菌ぐらいいても問題ないんですけども、
  胃炎とか胃潰瘍とか言われてる方は、ピロリ菌の除菌をした方が良いと思います。
森医師)
  はいっ!私にはピロリ菌がおりました!
  で、私がこんなに元気ですから関係ないと思いますっ!(一同笑)
宮本和知)  ポジティブだなあ!
はしのえみ) 気持ちいい!(笑)

宇山医師)
  一般的にピロリ菌の感染に男女比の差はないんですね。
  女性も男性も同じ比率でかかってます。
  しかし、胃ガンは男性の方が2倍多い
  海外でアフリカとかピロリ菌の感染が非常に多い国があるんですけど、
  そこで別に胃ガンが多いわけではないと…。
  そういう現象から考えると、
  ピロリ菌がいるから発ガンする可能性が非常に高いのかと言われると
  NOって言うべきかなということでNOにしました。

※ ピロリ菌…胃の中で酵素を出し胃壁を傷つけると言われている。
   ピロリ菌と胃ガンとの関係は様々な研究機関が解明に当たっているが、
   直接関係があるかどうかは、まだわかっていない。


●胃ガン体験者100人アンケート

  胃ガン発見時に痛みは? あった…25人、なかった…75人。

宇山医師)
  胃ガンで痛みを訴える方は少ないと思いますね。
  もちろん中にはいらっしゃいますけども…。
  どうして痛みがあまり訴えられないかということを説明しますと。。。
  ガンというのは胃の内側の粘膜からできるもんなんですけど、
  粘膜そのものは痛みを感じる神経は少ないですね。
  潰瘍なんかで痛くなるのは、粘膜が脱落してなくなって損傷を受けて、
  そこに胃酸がかかったりすると、そこが痙攣みたいなのを起こして痛む、って
  言われてるんですね。
  胃ガンというのは必ずしも潰瘍を伴う訳でもありませんし、
  まあ、おできみたいなできものが出来る訳ですから、
  痛みを訴えることは少ないと思います。

※胃袋の内側には痛みを感じる神経はほとんどない。
  胃潰瘍で痛みを感じるのは潰瘍が粘膜下層を越えて深く胃を傷つけてる場合で
  ここに胃酸などの刺激がかかると胃が痙攣を起こし、
  その異常な動きが痛みになると言われている。
  しかし、胃ガンは傷を作らずに発症することが多く、
  胃酸がかかっても痙攣を伴わないことがほとんど。
  その為に痛みを感じにくいとされている。


●胃ガン体験者100人アンケート

 胃ガン発見時の自覚症状は?
   痛みがあった…25人、何らかの異変があった…33人、全く症状なし…42人。

   主な自覚症状 … 異常なほどの疲労感、体重の減少、胸やけ。
               食欲低下、味覚の変化、便が黒い、貧血、など。

宇山医師)
  例えば、胃の入口と出口の所は生理的に元々狭いわけですけど。
  胃の出口の部分にガンができてしまうと、食べ物が詰まってしまって食べられなくなる。
  そうしますと、絶えず食欲不振とか膨満感とか上腹部の不快感とか、
  そういう形で症状が出ることもあります。
  これが胃の入口に出来た場合も、
  食べ物が入っていきませんから、つかえてしまいますので、つかえ感とか。。。
  そうなりますと食事が摂れない訳ですので
  だんだん体重が減ってきて3ヶ月で10kg痩せたとか…。
  そういう形で初めて病院へ行って検査をすると胃ガンが見つかるとか
  そういうことはあると思います。
宇山医師)
  しかし、すごく大きな腫瘍が胃の真ん中くらいに出来た場合、
  この部分は非常に広がってますので、食べ物の通過場所が結構ありますから、
  こういう場合は症状が出にくく、普通にご飯も食べられるけども、
  でもやはり、じわじわ胃ガンから出血すると、なんとなくお通じが黒っぽいとか…。
  で、病院へ行って検査すると胃ガンが見つかったとか…。
  そういういろんな症状が
  ガンの手術を受けた方のインタビューで出てきた症状だと思います。

東野幸治) 胃から出血しても痛くはないんですか?
宇山医師) 出血と痛みは関係ないと思います。

森医師)
  私が経験したのは…。
  妊婦さんがつわりだと思っていたところが、出産の時に胃ガンがかなり進行してた。
  普通つわりは12週くらいで落ち着きますので、
  それを越しても相当症状が強いという方は
  胃カメラなどを受けられた方が良いかなということを一度体験しました。


●今回のアンケートで全く症状がなかった方も42人、その理由は?

金医師)
  胃ガンを2つに分けて下さい。
  進行ガン早期ガン
  早期ガンというのは粘膜ガンですから症状がないんです。

宇山医師)
  胃も一定の厚みのある壁があります。
  内側が粘膜、粘膜があって、胃も動くので(その外側に)筋肉がある。
  その外側に漿膜(しょうまく)という胃を覆ってる膜があります。
  粘膜から漿膜までで胃の壁を形成してるわけです。
  ガンというのは必ず胃の内側の粘膜から出来るものなんです。
  それは横側、水平方向にも大きくなるし、縦側、垂直方向にも大きくなります。
  早期ガンか進行ガンかというのは、
   垂直方向、ガン細胞が筋肉の所まで到達していないガンを「早期ガン」と呼びます。
   進行ガンの方は深さが筋肉を越えてしまっている方、
   筋肉を越えてしまうと転移率が40%とか50%とか、ちょっと跳ね上がる、
  そういうのを「進行ガン」と呼びます。
  横方向の大きさはいくら大きくても筋肉に達してなければ「早期ガン」、
  いくら小さくても垂直方向に筋肉に達していれば「進行ガン」ということになり、
  転移率も高くなります。

東野幸治)
  早期ガン、進行ガンというのは時期が早い遅いは関係なく、結局、深さの…。
草野仁)
  言葉だけの感じでいうと素人は、
  早期ガンっていうと、ガンが出来てそんなに時間が経ってないものだと解釈しがちですが
  そうではない、ということですね。

宇山医師)
  発生してからの時間というのは誰にもわかりませんので。
  時間じゃなくて深さですね。
  早期ガンが進行ガンになるまでには大体3年から5年かかると言われています。
  もちろん進行ガンの方は発ガンしてから時間が経ってるわけですけど、
  その時点が何年くらい経ってるのかはわからないので
  早期ガンか進行ガンというのは
  ガン細胞の深さだけで定義されているということですね。

早期ガン進行ガン







 ※早期ガンと進行ガンの違いは「深さ」
   発症したガンが粘膜下層までにとどまっていれば、どんなに横に広がっても「早期ガン」
   逆に筋層の深さにまで達していれば、いくら横に狭くても「進行ガン」。
   胃ガンのリンパ節への転移率は、早期ガンで約15%、進行ガンで約40~50%。
   早期ガンの段階で発見することがいかに大切かということ。


●早期発見のためのキーワード…定期健診

東野幸治)
  胃ガンの定期健診ってやっぱり胃カメラですよね?
秋津医師)
  定期健診には大きく2種類ありますよね。
  バリウム検査と内視鏡(胃カメラ)検査。
  それぞれにメリットがあるんです。
    バリウム検査は、遠くから全体のシルエットを見てる。
    胃カメラ検査は、アップで個々の部分を精密に見てる。
    それぞれにメリットがあるんですけど、
    スキルス胃ガンは胃カメラでは意外と見つけにくいんですね。
    バリウムで全体のシルエットを見た方が良い。
  例えば1年ごとに、今年はバリウム、今年は胃カメラと交互にやるという手もありますね。

草野仁)
  いずれにしても、定期的に検査をしていくということがとても大事だとわかりましたけど、
  では実際にガンが見つかった場合には、どういうふうに治療をしていくのでしょうか?

新見医師)
  ガンの治療はいろいろあるんですけども、ともかく年々進歩してます。
  もしも病気になるなら1年でも後の方が良いと思います。(笑)
  例えば30年前であれば、お腹を開ける手術しかなかったんですよ、開腹手術
  もうちょっと手前に来ると
  今度は内視鏡で内側から削るという手術が出来るようになりました。
  で最近は、腹腔鏡といって、お腹をガバッと切らずに小さな穴を開けるだけで
  同じような程度の手術が出来るようになってます。
  一応3段階ですね、手術は…。

※胃ガンの手術…大きく分けて3種類。
 ①開腹手術
     最も多く行われる。お腹を大きく切る必要がある。
 ②内視鏡手術
     胃の粘膜で見つかった極早期の胃ガンに対して行う。内視鏡で切除する方法。
 ③腹腔鏡下手術
     患者に優しい治療法。
     お腹を開かずに小さな穴をいくつか開けカメラと手術器具を挿入。
     お腹の内部をモニターに映しながら、手術する方法。
     開腹手術に比べ出血量が少なく手術後の回復も早いと言われている。


●スタジオにおいて腹腔鏡下手術のデモンストレーション。
   腹腔鏡下手術のトレーニングボックスを用いて宇山医師が実践。

  最初に1ヶ所穴を開ける
  → ガスが発生する機械につなぎ炭酸ガスを入れる。
  → お腹がカエル腹のように膨らむので手術する作業空間を確保できる。
  → 腹腔鏡を挿入しモニターで確認できるようにする。
  → 手術器具を挿入。(縫合のデモンストレーション)

●藤田保健衛生大学病院での宇山医師による腹腔鏡手術のドキュメント。
   胃ガンのため胃の3分の2を摘出
   手術時間3時間16分
   出血量40cc
   手術後3時間で自力歩行
   手術後10日で退院

●胃ガン腹腔鏡下手術のデメリット
  手術が出来るガンの条件が限られる。
  手術の難易度が高い。
  この手術法が可能な医師の数が少ない、など。


草野仁)
  胃ガンにならないための生活、というとどんなふうに考えればよろしいでしょう?
宇山医師)

  予防という意味ではっきり証明されているのは、

  
ビタミンCと生野菜と果物


  これはかなりの人口の統計で、そういうことはある程度、理由はわかりませんけれど
  生野菜と果物がガンの防止に役立つと…。
  ただ大量に摂る必要はないと思いますけど、
  そういう食事とか食生活に気をつけるというのは予防には一番良いですね。

※食物とガンのリスクの関係
   野菜と果物 … 胃ガン、大腸ガンなどの‘おそらく確実な’リスク低下。
   運動     … 結腸ガンの‘確実な’リスク低下。

※塩分を控える、野菜や果物をバランスよく摂る、など。