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前に記事に書いたこと、長いです
息子は知的障害を伴う自閉症。親亡き後のことを考えて、成年後見人についての知識を得ようと勉強している。
■ストレートパーマは贅沢?
こんな話を聞いた。
天然のチリチリパーマの障害のある娘がいた。
本人のとってはコンプレックスだったので、母親は娘が幼い頃から月一回、美容院に連れて行き
ストレートパーマをかけてやっていた。
娘にとってはこれが毎月の楽しみであった。更に母親は娘の名義の通帳を作り、貯金していた。
月日は流れた。
娘は成人したが字を書けず、話す言葉も聞き取りにくい曖昧な言語であった。
そこで、母親は自分が死んだ後のことを考え、成年後見人を付けた。
ところが思わぬ事態に陥った。
後見人がついてからは、親でも子どものお金に触れることが出来なくなったのだ。
後見人から「ストレートパーマは贅沢だ」と言われ、貯金を下ろすことができなくなった。
後見人は一度付けると外すことは出来ない。
また「この後見人とは価値観が合わないから別の人に変えてほしい」と家庭裁判所に申し立てたとしても
後見人を変えることはできない。
「何のために本人名義にして、コツコツ溜めていたのか
娘のお金なのに自由に使えないのならば、娘のために使うお金として自分(=母親)の口座に全て入れておいた方がよかった」
と悔やんでも後の祭りであった。
成年後見人制度がよくないということではない。
この制度は親であっても、子どものお金を着服できないようにする、
あくまでも当事者(=障害のある子)の財産を守るためにある制度である。
ただ、あまり早々付けないで親が元気なうちは後見人を付けない方が賢明だと思う。
■15歳までに子ども用の口座を作ろう
20歳になって障害基礎年金を受け取るようになったら、振込先として本人名義の通帳が必要になる。
但し、ひとつ気を付けておかなくてはならないことがある。
それは、子どもが成人すると親権がなくなるので、子ども用の口座を新しく作ったり
引き出すことは本人でなければ出来なくなることだ。
従って、成人するまでに、子ども名義の通帳を作っておいた方がよい。
成人してからももちろん作れるが、親は親権を失っているので本人が銀行に行かなくてはならない等、何かとややこしい。
また、そこで「判断能力なし」とみなされると細かく追及されてスムーズに事が運ばなくなる。
それから、銀行によるのかもしれないが、15歳以上であれば本人直筆の申込用紙を自宅で書かせて親が持っていく必要がある。
字が書けない場合、困ったことになる。従って15歳になるまでに作っておいた方がよい。
さて、子どもが幼いうちから本人名義の通帳を作っている家庭も多いだろう。
ただ、バラバラと色んな物(お年玉とか)が入っていると
年金受給や障害者雇用枠で就労した時の報酬などとごっちゃになり、本人にとってはわかりにくくなるので
15歳になる前に1円だけ入金して、銀行口座を別に作っておいた方がよい。
■親族は信用できる?
後見人の話に戻ろう。「いよいよ親の寿命が近いな」と思ったらつければいい。
そんなとき健常の兄弟姉妹がいれば「後見人になってもらおう」という流れになる。
けれども、兄弟だって信用できない。
聞いた話だが、親が亡くなった後に「お店を開店するから、お金貸して」と
後見人である兄弟が障害のある兄弟の財産を使ってしまったらしい。
似たようなことは起こりうる。
■どうすればよいのか
息子は将来自動車を買ったり、海外旅行したり結婚して家を買ったりもしないだろう。
だから、子どもの通帳にせっせこ貯金しておく必要はない。
それから、親が元気なうちは、早々と後見人をつけずに
子どものための一番の使い道を知っている親の口座に貯めておき使うのが賢明である。
そうしないと、先の例の「ストレートパーマはダメ!」状態になる。
(まあ、キャッシュカードを必ず作っておいたり、ネットバンキングを利用すれば親でも下せるからね
これも自体が進むと出来ないようになるかもしれないから要注意だ)
さて、親が死んだら自動的に親が持っているお金は法定相続人である子どもに行く。
ここで後見人に管理してもらってもよいし、お金を手にして一気に使ったり騙されたりしないように
家族信託や生命保険信託というお金を他者に管理してもらう方法を利用してもよい。
色々な制度があるので親も勉強が必要だ。
松野さん叫んでます
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