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我が子に知的障害がある程度あれば、支援級や支援学校に通わせる親御さんも多いでしょう。
教員数も多く、個別にきめ細かく対応してもらうことができるからです。
けれども、知的障害がない場合、通常学級(普通学級) に籍を置くことになります。
たとえコミュニケーション能力や社会性、行動に課題があり親御さんが支援級への入学を希望しても、自治体によってですが支援級への入学許可が出ないケースもあります。
そんな場合、学校側に対して何をお願いすればよいのでしょうか?
通級指導教室へ通わせることをお願いする
自治体によって頻度は異なりますが、通常学級(普通学級)に籍を置きながら月に数回 、発達に課題のある子どもに対しての特別授業を受けることができます。
いわゆる通級指導教室(通級)です。
これを ぜひ希望しましょう。
どうしてかと言うと…
通級指導教室に通っている生徒には、たとえ通常学級(普通学級)に籍があったとしても、
「個別の教育支援計画」や「個別の指導計画」を作成することが、小学校・中学校・高等学校の学習指導要領において義務付けられているからです。
逆に通常指導教室を利用していない場合は個別の教育支援計画の作成は、学校側に義務化されてはいません。
個別の教育支援計画が立てられなければ、通常学級(普通学級) の中で放っておかれることもあるかもしれません。
それでも教室から脱走したり、奇声を発したりすれば学校側も何かしら対処をしなくてはならない状況になりますが、おとなしいタイプの子はある意味「手のかからない子」なので放置されやすく、特に気を付けなくてはなりません。
保育園、幼稚園では加配の先生を拒否しないで
話は少し逸れますが、発達に心配のあるお子さんが保育園や幼稚園に入園する際、
園側が「この子に加配の先生をつけたい」と思ったとしても、親御さんが 認めなければ、園が勝手に加配の先生をつけることはできません。
そうなると、園側は限られた人員の中で大勢の子どもの一人として対応しなくてはならなくなり負担がかかります。
また、個別にそばについて対応してくれる保育士がいないため、放っておかれる可能性もあります。
先の見通しを持たせて全体の活動に加わることができるようにしたり、お友達とのコミュニケーションがうまくいくようサポートを受けて無駄に傷つかないようにするなど、
寄り添って支えてくれる先生がいることで、発達に心配のあるお子さんに成長が見られたという話は数多くあります。
親のプライドはちょっと横に置いておいて 、子どもにとって何がベストか考えてみましょう。
小学校に入学してから通級指導教室に通うことを申し出るのも同じことだと思います。
個別支援計画が立てられても
さて、話は戻りますが…
通級指導教室に通い、個別の教育支援計画が立てられるとき、親御さんとの面談や聞き取りもあるでしょう。
具体的には
- 成育歴
- 子ども本人の特性(どんなことが苦手で、どんなことが得意か)
- 子どもが理解しやすい指示の伝え方
- パニックを起こしたときの対処法
- 絶対に食べられない給食メニュー
- 絶対に避けてほしいこと(*急に音楽を鳴らすのではなく事前予告し、小さな音から徐々にボリュームを上げる等)
- 保育園・幼稚園からの細かい申し送り
- 主治医や療育施設からのアドバイスの共有 (発達検査・心理検査の結果を渡す)
- クラスメートとの相性(どのようなタイプの友達が苦手なのか、どんなタイプの子と馬が合うか)
学校の先生方は、自閉症についての一般的な知識 は持っていますが、
自分の子どもについては、0歳から育ててきた親御さんのほうががよく分かっています。
しかし先生方にもプライドがありますので、「発達障害の我が子にはこれこれこういう対応をしてくれないと困ります!」という姿勢ではなく、
「○○してもらえると助かります」「○○してもらえると嬉しいです」という伝え方がよいと思います。
スペシャルな教育
息子が小学校に入学したとき、特別支援学校は“盲・聾 養護学校”、特別支援学級は“特殊学級”という名前でした。
平成19年4月の学校教育法の改正により特別支援教育がスタートし、特殊学級、養護学校という名称から特別支援学級・学校という名称に変わりました。
特殊な子どものための教育という考え方ではなく、子ども一人ひとりの状態(教育的ニーズ)に合わせて特別な支援を行うという方針をあらわした名称です。
スクールバスに書かれた「○○特別支援学校」の名前を見て「特別に支援されるなんて、嬉しいな…」、
誇らしげな感情を持ったことを思い出します。
私は成人した知的障害者の移動支援の仕事をしているのですが、特別支援学校の卒業生でもある利用者の方が「僕はスペシャルスクールに通っていたんだ」と言っていました。
「なんて素敵な言い方なんだろう」と思いました。
親は子どもの人生に伴走し続けることはできません。
発達に課題があった場合、知的障害 があろうとなかろうと、いろいろな人の手を借りることはこれからの子どもの人生にとって必要なことではないでしょうか。
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