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コラム書いてます
知的障害を伴う自閉症の息子は現在22歳です。
中学校時代は特別支援学級に在籍していました。
高校は義務教育ではありませんから、普通高校に、支援級はありませんでした。
ですから、中学卒業後は特別支援学校高等部に入学しました。
私の周りの障害のある子を育てているママ友の中には「特別支援学校高等部を卒業すると中卒扱いになってしまうから大学受験もできないかもしれないし
就職に不利になるから普通の高校に行きたい」と言っている人もいました。
確かに特別支援学校高等部を卒業してもいわゆる高卒資格を得ることはできません。
特別支援学校高等部を卒業すると、履歴書に書く学歴としては
「○○特別支援学校高等部卒業」と書くことになります。
周りからそんな話を聞くと心が揺らいでしまう親御さんも多いのではないでしょうか。
さて、私は息子が高等部に在籍しているとき、障害がある子どもの就職についてのセミナーに参加したことがあります。
そのとき、人事の方が次のようにおっしゃっていました。
「”○○ができる/できない”ということではなく、仕事をする上で知ったかぶりをしないで
素直に『分かりません』、『助けてください』と言える人、そう言う人が結果として長く勤めています。」
「質問することを恥ずかしいと思ったり、注意を受けるとふてくされてしまったり、素直に聞けない場合、対応がなかなか難しいです。」
この話を聞いて、私は、「周りの友達と比べて僕は出来ないことが多すぎる」の劣等感を感じず、
自信を持てる学生生活を送ることができる場にいることが大切なのではないか。
そうすれば、人事の方がおっしゃったことが出来るようになるのでは…と思いました。
息子は、高等部卒業後、企業ではなく就労移行支援事業所に通うことにしました。その場所は私が住んでいる場所から離れたところにありました。
学校での個人面談の時の話です。面談日に進路担当の先生と担任から
「私どもは(学校のある)〇〇区外の事業所について詳しくなかったので、午前中にお母さまが書かれたご希望の就労移行支援事業所を見学に行ってきました。
見学をしないで、本日の面談で話ができないと思ったので…」と言われました。
私「え、見に行って下さったんですか、先生、お忙しい中、わざわざ息子のために足を運んで下さりありがとうございます!」
先生「進級希望先は保護者の方が直接交渉するよりも、学校長の名前でまず実習希望を依頼した方が先方の心象がいいことが多いです。
仮に実習できたとしても、実習後、内定が出なかったら次の策として、区内の実習先で○○と○○がありますので、そちらに行って…」
こんな風にドンドン決めてくれます。
最後に担任と進路の先生から「お母さま、今日は寒い中、お忙しい中、お越し下さってありがとうございました」と言われました。
「(いやいやそれはこっちのセリフ)先生方、息子のためにいろいろと考えて下さり、本当に感謝しています!) 」と私は頭を下げました。
このやりとりを普通科高校に障害のある子どもを通わせている知人に話をすると「過保護すぎる学校!」と言われてしまいました。
けれども、私は「過保護でもありがたい。親の力ではできないことを、学校側が交渉してくれているのだから…」と知人の言葉に反発しました。
■普通科高校にいると情報が入らない
中学の頃に支援級で同じクラスだったお子さんが普通科高校へ進級しました。
道でばったり会ったのですが、「高校卒業後の進路が見えない」と相当悩まれていました。
私の息子が就労移行支援事業所に行くことを伝えると、「それってなあに」と聞かれました。
私はその存在すら知らない知人のことを驚いたと同時に「障害がある生徒が少ない学校に在籍していると、保護者にも情報が入らないのだな。
親自らが相当の努力をして情報をかき集めないとダメなんだな」と感じました。
と同時に過保護と言われようと 改めて”特別支援教育を受けられる恵まれた環境”をありがたいと思いました。
■スペシャルスクール
私は週末、知的障害者移動支援の仕事をしているのですが、特別支援学校高等部を卒業して、企業に就労して10年経つ青年がいます。
彼は自分の苦手を知り、できないことについては、周りの人に頼ったり質問したりできます。
言われた仕事をきちんとこなせ、注意や指摘されても素直に受け取り働き続けています。
「普通科高校や商業科高校などに行った方が伸びるのではないか」と漠然と考えるのではなく、わが子の特性や障害の程度を見極めて進路を選ぶことが大切だと思います。
高等部卒業後、障害者雇用枠であっても卒業すれば否応なしに、凄まじい競争社会に放りだされる子ども達。
母校で安心安全を確保されていた経験がそれを乗り越えるエネルギーになるのではないでしょうか。
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