前に冊子に書いたこと載せとくね
自閉症の子は言葉が遅れることがあります。
単語を懸命に教えても、オウム返しが増えるだけになることもあります。
例えば、電車の型番、国の名称、リンゴの銘柄を「王林、ジョナゴール、シナノスイート、世界一、富士…」と唱えていても
「ママ、電車に乗ってお出かけしたい」とか
「お母さん、このリンゴ美味しそうだね。買って~買って~」の会話はなかなかできません。
英語だって英単語を山ほど知っていても、「外国人と話したい」という動機がなければ、英会話は上達しません。自閉症の子は、これと似ているように感じます。
■初めての言葉
5歳、うどん屋での出来事です。
息子はうどんを食べていました。一本、うどんの切れ端が残っている器を、店員が下げようとしたその時です!
「まだ、食べる!」と叫んだのです。店員は慌てて器を戻しました。
全く喋らなかったのに自分の意思をはっきり示す相手に届く言葉
しかも二語文でした
初めての言葉は「お母さん」「ママ」ではなかったですが、嬉しくて舞い上がったことを思い出します。
さて、なぜ、この言葉が出たのか
それは「うどんを最後の1本まで食べたい、器を下げようとしている店員に何がなんでも伝えたい」という強い動機があったからです
この経験をきっかけに「要求を叶えるためには言葉という便利なものがあるんだ」と理解したのか、徐々に、例えば「カレーライス食べたい」としゃべるようになりました。
■幼児を持つ親御さんへ
子どもは友達が遊んでいる玩具が欲しくなったとき、相手に噛み付いたり、突飛ばしたりします。
そして、欲しいものが手に入ることを学習します。これも他人との関わりのコミュニケーションです。
ただ、これをすると奪われそうになった相手から逆に叩かれたり、噛み付かれたりすることもあります。
そんなとき「貸して」の気持ちで手を差し出し、「貸して」と言葉にしたら、相手から暴力を奮われることなく玩具を手に入れる経験をします。
こうして言葉を獲得していくのではないでしょうか。
自閉症の子にも「望みを叶えるためには便利な“言葉”というものが存在するんだ」ということを体験させるしかないのです。
■青年になっても
息子に「抱っこしてあげようか」というと「赤ちゃんじゃない!お母さんしつこい!」と逆切れされます。
椎茸が苦手な息子に椎茸入りスープを出すと「食べない!もう作らないで!」と言います。
ちゃんと会話として成り立っているので、嬉しく思う親バカな私でした。
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