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20時じゃないけど、質問があったので載せるね
【質問です】
以前、立石先生の投稿で、保育園時代色々な先生の補助のおかげで、普通クラスにいた子が、小学校でも普通クラスで大丈夫だと思っているけど、本人のために支援級の方がいいのでは、という内容でした。
我が子は、今小学校1年生で、軽度知的障害なのですが、幼稚園も加配はつかずに、普通クラスでした。
小学校に上がり1学期は問題なかったのですが、2学期になり本人もなれたのか、学校や週2回放課後等デイサービスに行っているのですが、先生や他の子に暴言をはくようになりました。
家でも、私に対して、ひどい言葉を言ってきます。
かなりKYな感じで、本人に注意すると、その場では反省するけど、すぐに忘れてしまうのか、また同じことを繰り返す感じです。
勉強は、まだ一年生なので、普通についていけるようですが、他の子に迷惑をかけているので、普通級ではない方がいいのか、悩みます。
でも、まだ一年生なので、人との関わり合いを普通にさせていく中で、育ってくれたら良いとは思っていますが、どのように息子に対して対応したらいいのか、立石先生のアドバイスをお願いします。
【お答え…立石私見です】
他の子への迷惑を考えるよりも、まずお子さんのことを優先に考えてみたとき、一番よい教育環境はどこか検討されるのが良いと思います。
幼稚園、保育園の間はまだ周りのお友達も幼児ですから、思ったことを口に出したりわがままだったりします。
けれども、小学生になって学年が上がるごとに友達関係は複雑化して行きます。幼児期のように「みんな仲良く」といったわけには残念ながらいきません。
暴言を吐いてしまい、注意されてもよく分からない様子で忘れてしまうということですが、これが続くと、周りの友達から嫌がられ避けられてしまったり、いじめにあったりすることもこれから起こる可能性もあります。
そんなとき、なぜ自分が友達から避けられているのかがわからず、たとえ、その原因が自分の言動にあることがわかったとしても、場の雰囲気が読み取れない発達障害の子は本人の努力や気合で行動や言動を改善することが難しいと思います。
そうなると、ご本人もかなり悩むことになるのではないでしょうか。
勉強面でも一年生のうちはなんとかついていけたとしても、例えば2年生ですと「1000mlは何デシリットルですか」といったような算数の問題が出てきます。
知的遅れがないとされている境界型知能の子(IQ80~90くらい IQ70以上あると知的遅れがないとされ、支援級の対象とは概ねなりません)の子もなかなか理解ができない難しい内容になってきます。
私の思いですが、お子さんは早い段階で支援学級に移った方が良いと感じます。
「とりあえず通常級に入れて、いよいよダメになったら支援級に移ればいい」と考える親御さんも多いですが、私はこれはよくないのではと感じています。
とりあえず入れられた期間、お子さんが相当ダメージを受けてしまうと思うからです。
入学して数か月なのに自己肯定感が低くなったり、自信をなくしたりするとなかなか後で挽回するのは相当難しくなります。
人間関係の面でも学習の面でもお子さんにあったの細かい指導を受けたが結局は伸びていくような気がしてなりません。
そのためのスペシャルな教育が特別支援教育であり、これを行っているのが支援級や支援学校です。
こちらのコラムがとても参考になると思いますので、ぜひお読みくださいませ
↓
https://h-navi.jp/column/article/35028935
信州大学医学部
子どものこころの発達医学教室教授
附属病院こどものこころ診療部長 本田秀夫
通常学級にいれば『いい刺激』を受けられるのでは?と思われる保護者の方も多いかもしれません。
私は、30年以上、発達障害の子どもたちをみてきました。その経験をもとに、通常学級に入ったことで受けるプラスの刺激やマイナスの刺激についてお伝えします。
大勢の中でいろいろな刺激を受けるけれど…
親御さんや学校の先生と特別支援教育の話をしていると、「この子に通級指導教室や特別支援学級が合うのも分かりますが、通常学級で大勢の中に入ったほうが、いい刺激を受けるんじゃないですか」と言われることがあります。
確かに大勢と交流すれば、いろいろな刺激を受けます。しかしその中にはプラスの刺激もあれば、マイナスの刺激もあります。
発達障害のある子どもは、通常学級にいると「自分だけ、ほかの子たちと何かが違うぞ」という違和感を持つことがあります。
通常学級では、同級生はだいたいみんなできているのに、自分だけうまくいかないという経験をすることがしばしばあるのです。
そういう経験を刻々と積み重ねていくと、学年がある程度上がったときには、孤立した感覚を味わうようになります。
集団に入って刺激を受けようとした結果、むしろ孤立感を増して、「どこにも居場所がない」と感じてしまう子どももいるわけです。
通常学級で、発達障害のある子どもが同級生と同じ課題に頑張って食らいついて、ついていこうとするのは、間違っています。
そうではなくて、親や先生が頑張って情報共有をして、その子が参加しやすい課題を用意するべきです。
通常学級で十分に対応することが難しければ、特別支援教育の仕組みを活用して、子どもの居場所をしっかりと用意するべきでしょう。
大人がやるべきことは、学習以前の段階で、子どもに無理な努力をさせることではないはずです。
小学校で通常学級にいれば、確かに多くの子どもたちと交流できます。
授業や行事などを通じて「いい思い出」をつくることもできるでしょう。しかし、大勢との交流には「いい刺激」もあれば、そうではない刺激もあります。
発達障害のある子どもの場合、大勢の中ではマイナスの刺激を受けることも多いと感じています。「悪い思い出」ができて、それをずっと忘れられなくなる子どももいます。
私は、「通常学級にいれば、いい刺激を受けられる」という考え方は、幻想だと思っています。
親御さんや学校の先生が「面倒見のいい子もいるので、通常学級でも大丈夫ですよ」などと言うこともありますが、そのような考え方は甘いと思います。
そんなふうに、同年代の友達に過度な期待を寄せてはいけません。小学校低学年くらいであれば、まだみんな無邪気ですから、同級生が困っていたら助けようとする子どもも多いです。
しかし学年が上がり、子どもたちが思春期を迎えると、そのような場面は減っていきます。
基本的には、思春期の子どもたちは、気の合う相手を選んでつき合うようになります。
そのとき、個性的で目立つ子どもは、ほかの子どもたちから敬遠されることがあります。
個性的な子どもは、みんなが成長していく過程で、グループの中で浮いてしまうことがあるのです。
そのような状況になったとき、子どもはそこを「自分の居場所」だと感じられるでしょうか。大人は、子どもの同級生にサポートを期待するのではなく、自分たちで発達障害のある子どもをサポートする用意をしておく必要があります。
子どもが受ける「いい刺激」についてもう少し言っておくと、私は、発達障害のある子どもが通常学級に参加したときに「いい刺激」を受けるのは、どちらかというと周りの子どもたちだと思っています。
通常学級には、基本的に「学校の標準」をこなせる子どもたちが集まります。
通常学級は平均的な子どもの集団になりやすいわけです。
そこに発達障害のある子どもが参加して、ほかの子どもたちと違う部分が目立った場合には、発達障害のある子どもが刺激を受けるというよりは、むしろ通常学級のほかの子どもたちが「多様性」を実感しやすくなります。
私は通級指導教室や特別支援学級、特別支援学校の中でも子どもたちは「いい刺激」を受けていると思っています。
発達障害のある子どもはマニアックな趣味を持っている場合も多いのですが、通常学級よりも通級指導教室や特別支援学級のような場のほうが、趣味の合う子が見つかりやすい場合もあります。
上手な先生がそういうところに注目して、気の合う子どもを組み合わせてクラス分けをしていることもありました。
そういう例をよく見ていたので、親御さんから「通常学級に入ったほうが、いい刺激を受けるのでは」と聞かれたときには、むしろ通級指導教室や特別支援学級のほうが「いい刺激」を受けて「いい仲間」ができることも多いという話をすることもあります。
ただ、誰かにすすめられたことを渋々やってみたときには、それがうまくいっても失敗しても、すっきりしないことがあります。
みなさんが、「小1の4月から特別支援教育を受ける」ということにいま一つ納得できないという場合には、ご自身が納得できる選択肢を取ってほしいと思います。
お子さんが通う可能性のある学校や学級を、一緒に見学させてもらい、お子さんがどこに通いたいと思うかを確かめてみてもよいでしょう。
「本田がそう書いていたから」というだけの理由で支援を受けることは、おすすめしません。
そうではなく、基本的にはお子さん本人の意思を大切にしながら、本人がまだうまく判断できないところについては、親御さんがお子さんのために必要だと思うことを、納得して選ぶようにしてほしいと思います。
小学校選択については、アメブロで10月16日から連載で詳しく詳しく書く予定ですよ
また、20時に寄ってね
このドリル
ひらがなが書けなくて苦労している子のきっとお役に立てると思います
紹介動画 見てね
全文字、立石の指導動画付きです