義母様が認知症の始めの頃、
まだ、一応人として辛うじて
会話少しできた頃。
「タタンさんはお金持ちだから」
と、僕にいうのだ。
僕は扶養家族だ。
稼いでいるのはハニーだ。
僕の稼ぎで生活は成り立っていない。
その頃は、そこまでボケていると思わなかったので
「なに? 僕そんなに稼ぎ無いよ」と
否定していても、暫くすると
何かの折に言ってくる。
「タタンさんお金あるしなぁ、
お金持ちやん」
一体全体、どこからそういう事に
なっていったのか全く分からないけど
その思い込みは消えることなく
入院する今日まで続いたのであった。
印税が貰えるわけで無し、
特に何か仕事に行くわけで無し
家にウダウダいるんだから
稼ぎなんて無いに決まってるじゃん。
なぜ、そんなことを言うのか?
初めは嫌味だと思っていたが
今考えると、僕の趣味のお仕事は
メッチャ儲かると勘違いしていた感じだ。
もう、どうでもいいが・・・
認知症の人は、思い違いをしたら
それを脳内で変更訂正するのは
かなり難しいという事が分かった。
「かもしれない」と言うと
それがいつの間にか
疑惑や疑問ではなく、
「である」の状態になっている。
実家の実母も、結構そういう傾向があって
勝手に思い込んで納得しているときがある。
後で言うと、
「だって、そう思ったから」と言う。
何故確認しないのかと言うと
「だって、そう思ったから」と言う。
そう思ったら、
そういう事だと勝手に決める。
必ず確認するように言い聞かせているが
年寄りにはありがちで・・・
だから、オレオレ詐欺の類に
引っかかるんだよね。
義母はもういいが、
実家の母にはよく言って聞かせなくては。
いやいや、大丈夫じゃないって!
