破壊と再生
ある日、観葉植物の植え替えをしていた。
元気に育っていたはずなのに、
鉢の中を見ると根がぎゅうぎゅうに絡まり合い、
水も栄養も吸えなくなっていた。
そのままでは枯れてしまう。
だから一度、根をほぐし、傷んだ根を切り、土を入れ替える。
見た目には「壊している」ように見える作業。
でも実際は、生かすための破壊だった。
人生も、仕事も全部同じ流れを持っている。
始める。
学ぶ。
真似る。
練習する。
うまくやろうとする。
最初は成長している実感がある。
前に進んでいる感じがする。
でも、ある地点で必ず起きる。
矛盾。
「学んだ通りにやっているのに苦しい」
「正しいはずなのに、うまくいかない」
「頑張っているのに、心がついてこない」
この場所。
ここで多くの人が、立ち止まる。
人はここで思う。
もう無理。
もうダメだ。
「向いていないんだ」
「才能がないんだ」
「私には無理なんだ」
そうやって、前に進むことをやめる。
やめてもいい。
でも実は、この矛盾の場所は
ダメなのではなく、
破壊と再生の入口のでもある。
破壊は、怖い。
今まで積み上げてきたものが壊れる感覚。
信じてきた考え方が合わなくなる感覚。
正解だと思っていたものが、しんどくなる感覚。
でもそれは、
自分が次の段階に進んでいるというサインでもある。
今までの形が自分と合わなくなっただけ。
ここから起きるのが、本当の再生。
人や環境から教えられた正解ではなく、
「自分の感覚」に戻り始める。
外の声がノイズに聞こえる時期がくる。
孤独を感じる時期がくる。
でもそれは、
自分と外の境界線が生まれている証拠。
そしてその再生のステージを恐れずに進んでいくと
やがて、
外の声はノイズではなく
ただの情報になる。
選べるようになる。
必要なものだけを受け取れるようになる。
自分の中心に立ったまま、
世界と関われるようになる。
存在として生きるステージ。
再生とは、元に戻ることじゃない。
統合すること。
学んだこと
感じたこと
失敗したこと
壊れたこと
迷ったこと
全部と本来の自分と統合し、
「本当の自分」になること。
もし今、あなたが
矛盾の場所にいるなら。
苦しさの中にいるなら。
「もう無理かも」と思っているなら。
それは、終わりじゃない。
再生の入り口かもしれない。
破壊が始まっただけ。
再生の前段階。
壊れることは、弱さじゃない。
迷うことは、失敗じゃない。
苦しむことは、間違いじゃない。
それは全部、
自分という人間が一人立ちし始めている証拠。
人生はずっと
破壊と再生の繰り返し。
でもそのたびに、
人は少しずつ
「自分」になっていく。
もし今、
立ち止まっている人がいるなら。
言いたい。
それは後退じゃない。
あなたは今、
一番大事な場所に立っている。
あきらめなくていい。
壊れていい。
迷っていい。
そして、
また再生すればいい。
それが、人が生きるということだから。
