はい、どーも!井上です!

 

 

関西を中心に精神医かつ産業医しています!

 

 

ラフな人生をめざしていきましょう(^^)
 

 

 

最近は

 

TVなどでも

 

ギャンブルをはじめとする

 

依存症の話題を

 

よく耳にしますね。

 

 

 

 

当然ながら

 

精神科の外来では

 

ギャンブルに限らず

 

アルコールをはじめとした

 

依存症の患者さんと

 

接する機会も多いです。

 

 

 

 

そこで今回は

 

アルコール依存症の治療において

 

大切なことをお話します。

 

 

 

 

 

 

まず

 

アルコール依存症の治療には

 

・下戸になるような作用のある薬

 

・酒を飲みたい気持ちを抑える薬

 

などの色々な薬での治療があります。

 

 

 

 

あまり知られていないので

 

『薬での治療があるんだ!』

 

と、本人はともかく

 

家族には喜ばれることも多いです。

 

 

 

 

しかし

 

いくら治療薬が

 

あるからと言っても…

 

言うまでもなく

 

その薬を飲んでいなければ

 

効果が出ることはありません。

 

 

 

 

薬物治療だけに

 

限った話ではありませんが…

 

 

依存の対象と

 

距離を取り続けるためには

 

治療を開始したり

継続することがすごく大切です。





そもそも

 

アルコール依存症の

 

患者さんのなかには

 

どのような症状があっても…

 

 

『自分は依存症ではない』

 

と頑なに認めない人も

 

決して珍しくありません。

 

 

 

 

『依存症は否認の病』

 

とも言われるくらいなので

 

ある意味、仕方ないのですが

 

とくに治療の初期の段階では

 

これもよくある話です。

 

 

 

 

だからこそ

 

『自分は依存症ではないが…

 

家族や会社が強く言うから…』

 

と渋々、通院をしている人もいます。

 

 

 

 

外来では

 

家族などから

 

そのような患者さんの様子を

 

『最初のうちは断酒してたけど…

 

結局、また飲んでしまっている』

 

という話を耳にもします。

 

 

 

 

おそらく、そこには

 

家族として、治療者から

 

”叱ってほしい”

 

”喝を喝れてほしい”

 

という願いがあるかと思います。

 

 

 

 

たしかに

 

今まで、一緒に生活されていて

 

苦労されたことも多かっただろうし

 

その気持ちもお察しします。

 

 

 

 

しかし

 

ほとんどの治療者は

 

その家族の期待に

 

応えることはありません。


 

 

 

もし

 

禁酒の約束があったのに

 

再び飲酒したことが

 

ほぼ確定であってもです。

 

 

 

 

それは

 

治療者が患者さんを叱ったところで

 

何も治療のプラスにならないし

 

そもそも

 

その欲求を抑えられない疾患だと

 

知っているからです。

 

 

 

 

とは言うものの

 

本人の心のなかでも

 

『やってしまった…

 

気持ちを切り替えていかないと…』

 

という治療の意欲を

 

高めてもらう必要もあります。

 

 

 

 

そのためにも

 

家族から

 

事前に飲酒の話があっても

 

『最近、飲んでいませんか?』

 

とストレートに尋ねます。

 

 

 

 

本人も

 

叱られたくないなどの

 

色々な理由によって

 

『いや、全然飲んでませんよ』

 

と否定することも多いです。

 

 

 

 

たとえ

 

それが明らかに虚偽でも

 

そこから理詰めて責めても

 

何も治療にプラスになりません。

 

 

 

 

叱ってしまった方が

 

『もう、やってられねーよ』

 

って、治療の中断に

 

繋がってしまうだけです。

 

 

 

 

だからこそ

 

明らかに嘘であっても

 

『信じますね。でも心配なので…

 

飲んでしまったら教えてくださいね』

 

とサラッと伝えて深追いしません。




とくに初期のころは

 

この繰り返しです。

 

 

 

 

患者さんがいつの日にか

 

『ごめん、飲んでしまったわ…』

 

と正直に話してくれることを

 

待っています。

 

 

 

 

もちろん

 

そこまでの関係になるには

 

それなりに時間もかかります。

 

 

 

 

しかし

 

その時間で作られる

 

信頼関係こそ

 

依存症治療の開始にも継続にも

 

大切になっていくのです。

 

 

 

 

 

 

今回は

 

アルコール依存症を例にして

 

依存症治療のお話をしました。

 

 

 

 

病院というのは

 

受診したからといって

 

一発ですぐ依存症が改善する

 

魔法の場所でもありません。

 

 

 

 

たしかに

 

依存症の治療には

 

薬を使うこともあれば

 

集団療法を行うのも

 

スタンダードなことです。

 

 

 

 

しかし

 

本当の意味で

 

治療のスタートを切るには

 

患者さんにとって

 

病院という場所が

 

『否定されずに話ができる環境』

 

『気にかけてくれる人がいる場所』

 

と思ってもらえることが

 

何よりも先決です。

 

 

 

 

本人も家族も

 

治療さえ開始すれば

 

スパっと依存を辞めれることを

 

願うことだと思いますが…

 

 

やはり

 

そんなに簡単な話でもありません。

 

 

 

 

だからこそ

 

治療をしつつも

 

うまくコントロールできなかった時…

 

 

また治療再開の一歩を踏み出せる

 

パーソナルトレーナー的な役割

 

医療には求められています。

 

 

 

 

”気にしてくれる人がいる”

 

と感じられることは

 

”また気持ちを切り替えて頑張ろう”

 

という治療意欲につながるのです。

 

 

 

では、今日はこのへんで!

 

See You Next Time Bye-Bye!!

 

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