はい、どーも!井上です!

 

 

関西を中心に精神医かつ産業医しています!

 

 

ラフな人生をめざしていきましょう(^^)
 

 

 

 

発達障害や知的障害のある

 

子供をもつ親からの相談として

 

『子供が、学校でカッとなって

 

衝動的に同級生を殴ったり

 

学校のモノを壊して大変…』

 

という相談は珍しくありません。

 

 

 

 

あまり世間的には

 

話題にはなりませんが

 

同じ悩みをもつ親御さんも

 

少なくはないでしょう。

 

 

 

 

そのたびに

 

親が相手の家までいって

 

謝罪したりするのですが…

 

 

それだけではなく

 

"弁償"が必要な話もあるので

 

出費もかさむとのことです。

 

 

 

 

ただ、この話は

 

決して子供(未成年)だけではなく

 

知的障害の成人や認知症の人が

 

公共や他人の物を壊すケースも

 

あるわけです。

 

 

 

 

では

 

そのような時に

 

精神疾患で

 

責任能力がない成人が

 

民事的なトラブルがあった時も

 

家族はどこまで

 

責任を持つ必要があるのでしょうか。

 

 

 

 

『本人がやったことなんで…』

 

と言って、知らん顔をする人も

 

いそうな話ではありますが…。

 

 

 

 

あなたが

 

何かを壊された側の被害者なら

 

『いや、家族が弁償してよ…』

 

と思うこともあるでしょう。

 

 

 

 

さて

 

”家族だから”

 

という理由で

 

どこまで責任があるのでしょう。

 

 

 

 

そこで

 

知っておいて欲しい原則は

 

民法上のお話では

 

精神障害などで


責任能力がない人が

 

起こしてしまった損害は

 

”監督義務者が賠償責任を負う”

 

ことになっています。

 

 

 

 

監督義務者とは

 

たいていの場合が

 

親とかパートナーですね。

 

 

 

 

ただし

 

その一方で

 

『損害を起こさないように

 

監督義務を十分に果たしていた場合は

 

賠償責任を負わない』

 

とも規定されています。

 

 

 

 

つまり

 

裁判になった時は

 

結局のところ

 

”どれだけ監督義務を果たしていたか”

 

が争点になるようです。

 

 

 

 

 

 

法的な側面からすれば

 

このような扱いですが

 

 

医療や福祉の側面から見れば

 

精神疾患を家庭でケアする人に

 

賠償責任が発生するならば…

 

 

正直な話を言えば

 

関わりたくなくなる人がいても

 

おかしくはないでしょう。

 

 

 

 

精神疾患の子を持つ親や

 

夫が認知症になった妻などは

 

これからもずっと

 

緊張感のある生活が続き

 

疲弊するリスクがあります。

 

 

 

 

もう患者さんと

 

関わりたくない理由から

 

ネグレクト状態になる

 

可能性もあります。

 

 

 

必要な通院も放置したり…

 

行政上の手続きをしなかったり。

 

 

 

 

もちろん

 

それによる

 

不利益を受けるのは

 

患者さん本人になります。

 

 

 

 

責任を負いたくない思いが

 

強くなりすぎて…

 

 

患者さんが

 

トラブルを起こさないように

 

家から出さないような

 

監禁事件にまで発展するリスクも

 

あることでしょう。

 

 

 

 

とはいえ

 

被害者がいる限りは

 

司法の判断を

 

甘くするわけにも

 

いかないでしょう。

 

 

 

 

たしかに

 

『精神疾患の患者さんを

 

地域の皆で支えましょう』

 

とは言うものの…

 

何かトラブルがおきたら

 

結局は、”監督義務者”

 

責任を取らずを得ないです。

 

 

 

 

もちろん

 

だれもが寛大な心を持って

 

生きていくことが理想ですが…

 

 

今でできることは

 

行政の対応だけでなく

 

民間による保険

 

もっと手厚くすることでしょう。

 

 

 

 

一般的には

 

だれかをケガさせた時のための保険は

 

個人賠償責任保険

 

存在しています。

 

 

 

 

聞きなじみがない保険

 

かもしれませんが…

 

 

これは

 

自転車保険の一部にも

 

組み込まれている保険なので

 

実は多くの人にとって身近。

 

 

 

 

しかし

 

当たり前の話ですが

 

この保険は

 

わざと人をケガさせるなどで

 

損害を与えた場合は対象外で

 

保険金は出ません。

 

 

 

 

それでは

 

知的障害の人が

 

スーパーの棚を壊したら…

 

 

統合失調症の人が

 

隣家のドアを蹴って凹ましたら…

 

 

『それは”わさと”なのか?』

 

の判断の難しさが生まれるでしょう。

 

 

 

 

とは言うものの

 

最近は知的障害者など

 

精神疾患を持つ人を

 

対象にした保険も

 

耳にするようになりました。

 

 

 

 

今後はこのあたりが

 

広がっていきながら

 

損害をカバーすることが

 

現実的な対応になるでしょう。

 

 

 

 

 

 

ちなみに

 

今回の記事は

 

キレイごとではなく

 

現実的なお話をしました。

 

 

 

 

しかし決して

 

忘れないで欲しいのは

 

『一般の人に比べて

 

精神障害者が暴力を

 

ふるやすいことはない』

ということです。




たしかに

 

精神障害者の人が

 

センセーションな事件を

 

起こした報道を

 

見聞きすることもあるでしょう。

 

 

 

 

そのためなのか

 

『精神障害者って怖い…

 

あぶない人なんだ…』

 

とレッテルを貼って

 

勘違いされやすいです。

 

 

 

 

しかし

 

2023年版の犯罪白書では

刑法犯に占める

 

精神障害者の割合は0.8%

 

 

 

 

さらに

 

令和5年版の障害者白書での

 

精神障害者の全体数としては

 

人口千人あたり49人です。

 

 

 

 

今回の記事は

 

『責任はどこにあるのか?』

 

について書いてきましたが

 

これらのデータをから見ても

 

精神障害者が

 

粗暴な犯罪におよぶ割合は

 

むしろ低いことは忘れないで下さい。
 

 

 

では、今日はこのへんで!

 

See You Next Time Bye-Bye!!

 

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