はい、どーも!井上です!

 

 

関西を中心に精神医かつ産業医しています!

 

 

ラフな人生をめざしていきましょう(^^)
 

 

 

今日は

 

強迫症(強迫性障害)

 

の治療方法について

 

お話したいと思います。

 

 

 

 

強迫症という疾患は

 

先日もある芸能人が

 

闘病されているニュースに


なったので

 

知っている人もいるでしょう。

 

 

 

 

典型的な症状としては

 

『手洗いがやめられない』

 

『何度もカギを確認してしまう』

 

などがありますね。

 

 

 

 

この強迫症は

 

どこかで耳にしたことがあるとか

 

自分も似たような点があるなど

 

割と身近な症状や疾患だからこそ

 

世間的には軽い疾患だと

 

思われる節もあります。

 

 

 

 

しかし実際には

 

日常生活にも弊害もでて

 

退職に追い込まれる人もいます。

 

 

 

 

そのうえで

 

この疾患の治療するには

 

”何か1つ薬を飲めば解決”

 

のような話ではなく

 

 

ほとんどのケースで

 

曝露反応妨害療法

 

重要になっていきます。

 

 

 

 

この曝露反応妨害療法は

 

心理士のような専門家と

 

二人三脚で進めることを

 

お勧めしますが

 

 

なかには

 

1人で頑張っている人も

 

おられますよね。

 

 

 

 

そこで今回は

 

この曝露反応妨害療法で

 

よく勘違いされる点について

 

お話させてもらいます。

 

 

 

 

 

 

そもそも

 

『曝露反応妨害療法とは何ぞや?』

 

と思う人もいるでしょう。

 

 

 

 

超ラフに説明をすると…

 

簡単にいえば

 

苦手なことや嫌に感じることに

 

あえて自分から触れて(曝露して)

 

避けることをしない治療法です。

 

 

 

 

たとえば

 

『汚れている恐怖によって

 

何度も手を洗ってしまうAさん』

 

を例にとってみましょう。

 

 

 

 

最初は

 

Aさんが苦手に思っている

 

つり革や手すり、ドアノブ等を

 

素手で触ってもらいます。

 

 

 

 

今までなら

 

そのあとに手を何度も

 

洗っていたAさんですが

 

それを妨害…

 

つまり手を洗わないように

 

グッと我慢をし続けるのが

 

曝露反応妨害療法です。

 

 

 

 

このブログ記事では

 

曝露反応妨害療法という

 

堅苦しい名前は置いといて

 

ここからはトレーニング

 

表記していきますね。

 

 

 

 

つまり

 

強迫症の治療には

 

薬だけではなく

 

繰り返しトレーニングが

 

かなり重要になるのです。

 

 

 

 

ただ

 

このトレーニングのなかで

 

間違った方法や

 

勘違いしている人も多いので

 

その点について

 

今回は説明させてもらいます。

 

 

 

 

よくある勘違いは

 

ただ何となくでもいいので

 

つり革を触れられるようになる

 

トレーニングをすることです。




それはほぼ無意味です。

 

 

 

 

重要なことは

 

トレーニング中には

 

頭のなかで

 

最悪のケースを思い浮かべながら

 

取り組むことなのです。

 

 

 

  

これだけの説明では

 

意味が分からないでしょうから

 

ここでも先ほどの

 

『頻繁に手洗いをするAさん』

 

を例にとってお話しますね。

 

 

 

 

トレーニングでは

 

苦手なものに

 

曝露される(触れる)ことが

 

スタートであることは

 

先ほどお伝えしました。

 

 

 

 

ただ

 

けっして、これは

 

ドアノブを触るとか

 

物理的な話だけではないのです。

 

 

 

 

そもそもAさんは

 

汚れたものに触るという

 

物理的な行為と戦うのではなく…

 

 

ばい菌やウイルスが手について

 

・不潔なモノにまみれて過ごす不快感…

 

・重篤な病気になるかもという恐怖感…

 

などのネガティブ感情との戦いです。

 

 

 

 

つまり

 

自分の頭のなかで

 

このネガティブ感情を

 

出来るだけMAXに生み出して

 

それに耐えていくことが

 

価値あるトレーニングなのです。

 

 

 

 

たとえば

 

頭を空っぽにした状態で

 

何も考えずに

 

ただただ何となく

 

つり革を触れることができた、では

 

トレーニングにならないのです。

 

 

 

 

もちろん

 

トレーニングの初期の頃は

 

それでもいいのかも知れませんが

 

『触れる』ということだけを


ゴールにしているのは

 

全く治療の本質ではないことを

 

忘れてはいけません。

 

 

 

 

もしトレーニングのときに

 

ちょっとの不快や不安を

 

乗り越えられたとしても…

 

 

結局、日常生活という

 

本番のなかで耐えきれずに

 

すぐ手洗いをしていては

 

治療が上手く行ってるとはいえません。

 

 

 

 

だからこそ

 

トレーニングの時は

 

最悪のケースを頭に想定して

 

ネガティブ感情と

 

戦っていくことが重要。

 

 

 

 

たとえば

 

ドアノブを触りながら

 

頭のなかで

 

『汚れが体に染みつくかも…』

『重篤な病気がうつるかも…』

 

のように想像しながら取り組むのです。

 

 

 

 

もちろん

 

不快感や不安感で

 

動悸はするし、手に汗握るし

 

呼吸が速くなっていくなどの

 

身体的な症状も出てくるでしょう。

 

 

 

 

しかし

 

それの症状は

 

ずっと続くわけではありません。

 

 

 

 

つまり

 

不快感や不安感のピークは

 

時間と共に去っていきます。

 

 

 

 

この

 

『手を洗わなくても

 

不快や不安な感情は軽減していく』

 

という成功体験の積み重ねこそ

 

 

”手を洗わなくても大丈夫”

 

という考えにつながり

 

 

いつも止めれなかった

 

手洗い行為を

 

自分で止めることが

 

できるようになるのです。

 

 

 

 

 

 

では、今日のおさらいです。

 

 

 

今回は強迫症における

 

曝露反応妨害療法の

 

落とし穴について

 

お話させて頂きました。

 

 

 

曝露には『曝す(さらす)』

 

という意味がありますね。

 

 

 

 

もちろん

 

物理的に

 

嫌な状況やモノに

 

曝されることも意味します。

 

 

 

 

しかし、精神的に

 

不快感、不安感、恐怖感などの

 

ネガティブな感情に

 

思いっきり自分が曝されて

 

時間とともにピークが

 

落ち着くのを経験することが

 

とても重要な治療法なのです。

 

 

 

 

なので

 

このトレーニングをするときに

 

つり革やドアノブに触りながら

 

 

『大丈夫、大丈夫…

 

汚れが体に入ってこない…

何も病気にもならない…』

 

 

というように強迫観念を

 

否定しながら行うことは

 

本質からずれています。

 

 

 

 

そもそも

 

強迫症の患者さんは

 

すでに頭のなかでは

 

『別に、手すりに触ったくらいで

 

病気なんかにはならない』

 

ということは頭では

 

十分に理解できています。

 

 

 

 

それでも

 

手洗いをやめれないのが

 

この疾患なのです。

 

 

 

 

だから

 

トレーニング中に

 

改めて『大丈夫…大丈夫…』

 

と自分に励ましの声をかけて

 

その一瞬くらいは

 

つり革に触ることができても

 

治療の本質ではないのです。

 

 

 

 

むしろ

 

その反動によって

 

『やっぱり、触るとヤバい…』

 

と強迫観念はさらに

 

大きくなってしまいます。

 

 

 

 

まず目指すべき姿は

 

強迫観念を

 

完全に打ち消すことではなく

 

それが頭のなかにあっても

 

放っておきながら

 

生活できるようになることです。

 

 

 

 

最悪なケースを想定した

 

トレーニングを繰り返すことで

 

『別に手を洗わなくても

 

大した問題ではないか』

 

という意識に変わっていくのです。

 

 

 

では、今日はこのへんで!

 

See You Next Time Bye-Bye!!

 

 

===(新刊 発売中)===

 

待望の1年ぶりの新刊。

 


『自分の感情を抑えすぎて


もう作り笑いに疲れたよ…』

 

というあなたに ^^

 

 

【みんなのネガティブ感情のおてあて】

 

 

12月15日に発売。

 

絶賛、発売中です!

 

★Amazon★

 

★楽天★