はい、どーも!井上です!

 

 

関西を中心に精神医かつ産業医しています!

 

 

ラフな人生をめざしていきましょう(^^)

 

 

 

今日はあまり話題には

 

あがってこないテーマでの

 

災害時のお話をしましょう。

 

 

 

 

それは

 

避難所における

 

認知症患者さんの対応について。

 

 

 

 

2024年1月1日の大災害によって

 

たくさんの人が避難所での生活を

 

今も余儀なくされています。

 

 

 

 

おそらく

 

そこが決して

 

快適とは程遠い環境であることは

 

あなたも想像できるでしょう。

 

 

 

 

能登半島というエリアでも

 

高齢者の割合が多くて

 

体力面などで

 

避難所暮らしが大変なのは

 

よく報道をされています。

 

 

 

 

本来は

 

それだけ高齢者も多いなら

 

おそらく認知症の患者さん

 

おられることでしょう。

 

 

 

 

そこで今回は

 

認知症の患者さんの

 

避難所生活について

 

気をつけることを

 

お話したいと思います。

 

 

 

 

 


大前提として

 

認知症の患者さんは

 

急激な環境の変化への適応が

 

大の苦手です。

 

 

 

 

たとえば

 

自宅から施設入所をした時も

 

しばらくの期間は

 

かなり落ち着かずに

 

施設スタッフを困らせることも

 

よくあるお話です。

 

 

 

 

それが

 

災害時の避難所となれば

 

言うまでもありません。

 

 

 


普段とは違った

 

騒々しく快適でもない場所での

 

生活が始まるとなると

 

本人も、かなり混乱をして

 

認知症の行動心理症状(BPSD)

 

誘発させやすくなってしまいます。





たとえば

まったく落ち着かずに

 

イライラして急に大声を出したり…

 

 

『家に帰る!!帰る!!帰る!!』

 

と強い帰宅願望をずっと訴えたり…

 

 

周りの忠告を聞かずに

 

避難所内をウロウロと


動き回ったりします。
 

 

 

 

当然ながら

 

『今、自宅に帰ることが

 

どれだけ危険なことなのか』

 


『家が倒壊してしまって

 

帰る場所がないのか』

 

などを論理的に話をしても

 

なかなかピンときません。

 

 

 

 

このような時は

 

ウソも方便であり

 

『外は寒いから、もう少しここで休もう』

 

『あとちょとだけ、だからね』

 

『私も、今日はここに泊まるよ』

 

などで

 

少しでも安心してもらう声かけ

 

とても大切になってきます。

 

 

 

 

安心してもらうためには

 

やはり避難所の職員よりも

 

家族や顔見知りから

 

このような優しい声かけをしてもらえると

 

より安心につながります。

 

 

 

 

しかし

 

残念ながら

 

それだけで全てが

 

上手く行くわけではありません。





これは避難所に

 

どれだけ余力があるかにもよりますが

 

やはり少しでも落ち着いてもらうために

 

物理的な環境づくりは必須です。

 

 

 

 

被災者のだれにでも

 

避難所でのストレスには

 

「プライバシーの確保が困難」

 

という項目が上位にあります。

 

 

 

 

最低限の間仕切りのなかで

 

服を着替えたり

 

貴重品を奪われないように


襲われたりしないように

 

皆、神経をすり減らしています。

 

 

 

 

そのような状態で

 

フラ~と認知症の人が

 

あなたの空間に入ってきたり…

 

モノを取っていこうとしたり…

 

隣で大声で騒ぎ立てしまう…。

 

 

  

やはり

 

周囲との摩擦が大きくなって


関係も悪くなってしまいます。


 

 

 

だからこそ

 

認知症の患者さんにこそ

 

”個室”とまではいかなくても

 

段ボールなどの即席でもいいので

 

壁際にパーテーションで区切って

 

できる限りの刺激が

 

入ってこない空間作りが必要になります。

 

 

 

 

さらに

 

問題点として挙がるのが

 

避難所での


排せつの臭いの問題です。

 

 

 

 

災害時には

 

水が使えなかったり

 

トイレの問題はよく浮上します。

 

 

 

 

そのなかで

 

認知症の患者さんに限りませんが

 

高齢者はオムツ着用してことも多く

 

オムツ交換など

 

排せつに対する介護を

 

避難所のなかで

 

どう行うのかの問題があります。

 

 

 

 

実際に

 

視覚的な問題であれば

 

さきほどのパーテーションで

 

何とかなることも多いでしょう。

 

 

 

 

しかし

 

臭いに関しては

 

なかなか解消できません。

 

 

 

 

だからこそ

 

物理的に避難所で可能であれば

 

赤ちゃんもしかりですが

 

”オムツ交換の専用スペース”

 

などを設けることができたら

 

オムツ交換などの介助する人も

 

周りにそこまで気を使いすぎずに

 

サポートすることができます。

 

 

 

 

 

 

今回は避難所で

 

認知症の患者さんを受けれる時の

 

必要なハード面の対応として

 

お話をしてきました。

 

 

 

 

しかし

 

もしあなたが被災者になった時

 

自分や大切な人の命のことで

 

頭がいっぱいいっぱいで

 

かなりストレスフルな状況です。

 

 

 

 

そのような時に

 

人に優しくできる心の余裕が

 

一体どこまであるでしょうか。

 

 

 

 

避難所では

 

ほぼ全員の人が

 

プライバシーの確保の問題に

 

悩まされていて辛いのに

 

 

『なんで認知症の人だけが

 

個室とかの空間を作っているの…?』

 

 

『大声で叫ばれると、寝れないですけど…』

 

 

『排せつの匂い…何とかなりません…?』

 


と思ってしまうのではないでしょうか。

 

 

 

 

しかも

 

認知症というのは

 

外見で分かるものではないため

 

もしかしたら

 

『ずっとウロウロしてる老人がいる…

 

あの人、不審者だろ…物色してる…』

 

とも思うこともあるでしょう。

 

 

 

 

もしかしたら

 

自分の心に余裕が無くなってくると

 

『迷惑ですよ!!』

 

『しっかり家族が見てて下さい!』


のように口に出して


注意してしまうかもしれませんね。

 

 

 

 

ただ


実際に言葉にされなくても

 

その冷ややかな視線

 

介護をしている家族たちは

 

とても苦しい思いをしています。

 

 

 

 

『迷惑かけてごめんなさい…』

 

『騒いでほんとにすいません…』

 

 

自分も生きるか死ぬかの

 

同じ被災者であるはずなのに…

 

避難所に行けば

 

また違う罪悪感などのストレスで

 

とても辛くなってしまいます。

 

 


 

そのストレスの矛先が

 

認知症の患者さん自身に向かって

 

大声で怒鳴りつけてしまったり…

 

色々と悪循環になるのは

 

想像がつくのではないでしょうか。

 

 


 

では


このような状況を

 

少しでも緩和させるには

 

どうしたらいいのでしょう。

 

 

 

 

結局のところ

 

周りに理解してもらったり

 

協力してもらうしかありません。

 

 

 

 

ただ、それには

 

避難所で近くのスペースの人に

 

『うちのおばあちゃん認知症なんです』

 

と自ら早い段階で紹介したほうが

 

少しは気が楽になります。

 

 

 

 

ただ

 

本来なら普段の日常から

 

認知症の患者さんを

 

地域住民に知ってもらって

 

挨拶だけだったとしても

 

少しでも交流しておくこと

 

いちばん良いことです。

 

 

 

 

それによって


避難所で出会ったときに

 

『あぁ、あそこの家の

 

お爺ちゃんなら仕方ないなぁ』

 

と、暖かく理解してもらったり

 

協力してもらえます。

 

 

 

 

避難所で

 

顔見知りのたくさん人が

 

話かけてくれたりするだけで

 

患者さんも安心できるので

 

いいことづくめなのです ^^

 

 

 

では、今日はこのへんで!

 

See You Next Time Bye-Bye!!

 

 

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