はい、どーも!井上です!

 

 

関西を中心に精神医かつ産業医しています!

 

 

ラフな人生をめざしていきましょう(^^)

 

 

 

あなたの生活圏に

 

病院ってありますか。

 

 

 

 

今日は

 

その病院の数について

 

お話したいと思います。





突然ですが

 

あなたの周りでは

 

医療施設は増えていますか?

 

それとも減っていますか?





『そういえば最近

 

駅前に病院できてたなぁ…』

 

とか

 

『あんまり病院が

 

つぶれるイメージないなぁ』

 

という感覚をもっていれば

 

”年々、病院は増えているのかも”

 

と感じるかもしれませんね。




そもそもの話ですが…

 

街中の医療施設には

 

病院とか診療所クリニックなど

 

色々な名称がありますよね。




実はこの名称には

 

明確に法律でキッチリと分けて


定められているのを

 

ご存じでしょうか。

 

 

 

 

雑学のクイズとかで

 

たまーーに出てくるのですが

 

まずはそちらから

 

説明させてもらいますね。

 

 

 

 

ざっくりと言えば

 

入院できるベットの数(=”病床の数”)

 

で分けられています。





まず大きく2つに分けられます。

①病院(20床以上)


②診療所(0~19床)

 

 

 

健康診断で大きな異常な結果や

 

普段にはめったにない不調があれば

 

『”大きい病院”で診てもらおう…』

 

とか言いますよね。

 

 

 

 

その

 

”大きい病院”こそが

 

まさに分類上の”病院”なのです。

 

 

 

 

たとえば

 

あなたの家の近くにある

 

○○市民病院とか○○総合病院は

 

”大きい病院”ですよね。

 

 

 

 

当たり前のように

 

”病院”という名称を使っていますが

 

20床以上あるでしょうから

 

それは法的にOKなのです。

 

 

 

 

その一方で

 

小さい医療施設では

 

勝手に”病院”とは名乗れず

 

診療所という

 

カテゴリーに入ります。




そして

 

ちょっとややこしいのが

 

この診療所という分類も

 

(A)有床診療所(1~19床)

 

(B)無床診療所(0床)

 

に分けて語られることがほとんどです。

 

 

 

 

そして

 

世間的に”クリニック”

 

呼ばれる医療施設のほとんどが

 

(B)無床診療所なのです。

 

 

 


ちなみに

 

有床診療所(1~19床)とは

 

・産婦人科の産前産後の入院

 

・整形外科の手術後のリハビリの入院

 

とかで使われる規模が

 

イメージがしやすいでしょうか。

 

 

 




さて

 

最初の話になりますが

 

このような医療施設が

 

増えているかどうかでしたね。

 

 

 

 

先日

 

『2022年のデータ』が

 

厚労省から発表されたので

 

キリ良く『2000年のデータ』と比較して

 

みてみましょう。

 

 

 

 

歯医者を除いた

 

医療施設の全体数としては

 

102,090(2000年)⇒113,338(2022年)

 

 

 

つまり


約20年で

 

10,000施設以上の増加

 

認められています。

 

 

 

 

『あぁ、やっぱり

 

年々、増えているなんだ』

 

と思うかも知れませんね。

 

 

 

では


その内訳を見てみましょう。

 

 

 

 

この増加傾向に

 

大きく貢献しているのは

 

無床診療所(つまりクリニック)です。

 

 


74,971(2000年)⇒99,224(2022年)

 

 


その差も

 

24,253施設であり

 

かなりの増加ですね。

 

 

 

 

あなたの

 

『そういえば駅前に

 

またクリニックができたなぁ』

 

という感覚は大正解でしょう。

 

 

 

 

ただ

 

ここで終わってはいけません。

 

 

 

 

減っているものがあります。

 

 

 

それが”病院”です。

 

 

 

復習ですが

 

20床以上の医療施設を

 

”病院”と表現するのでしたね。

 

 

 

 

こちらは着実に

 

年々と減っており

 

具体的な数字で見ると…

 

9,266(2000年)⇒8,156施設(2022年)

 

 

 

ここ20年程で

 

1,000以上の”病院”が

 

姿を消しているのです。

 

 

 

 

これが意味することは

 

簡単に言えば

 

『入院する場所が減ってきた』

 

ということになりますね。

 

 

 

 

ちなみに

 

簡単な内訳として

 

20~90床の小規模の病院は

3,811(2000年)⇒2,913(2023年)

 

で約900施設が無くなっています。

 

 

 

 

これくらいの

 

小規模の病院は地域密着で

 

そこまで大がかりでない

 

手術の対応をしてくれたり…

 

 

急性期の病院で手術した後に

 

在宅復帰のための

 

療養準備に使わせてくれたり…
 

 

家で介護者が病院になった時

 

介護を受けている人を

 

数日だけ入院対応してくれたり…

 

 

かなり


小回りの利く病院として

 

地元で活躍してくれている

 

病院というところが多いでしょう。

 

 

 

 

これらの病院が

 

ここ20年程で

 

圧倒的に激減してます…

 

 

 

 

さらに

 

ザ・”大きい病院”とも言える

 

○○市民病院の規模である

 

 

200床台の医療機関は

 

1,203(2000年)⇒1,027(2022年)

 

 

300床台の医療機関は

 

754(2000年)⇒668(2022年)

 

 

これまた、しっかり減っています。

 

 

 

 

あなたのお近くでも


A医療センターとB市民病院が統合して

 

C総合病院になった例も

 

あるのではないでしょうか。







それでは1年間で


入院を経験する人数は

 

どれくらいでしょう。

 

 

 

 

これはざっくりと


ここ最近は

 

横ばいなのですが

 

年間140万人程です。

 

 

 

 

ちなみに

 

2022年はコロナの影響で

 

入院患者数は121万まで

 

一気に減少しています。

 

 

 

 

緊急でない手術が

 

延期になったくらいですから

 

まぁ、そうなりますよね…。

 

 

 

 

とは言うものの

 

コロナ禍が落ち着いていけば

 

この高齢化社会ですから

 

また入院患者数も戻っていく…


それどころか

 

徐々に増えていくことでしょう。

 

 

 

 

そうなれば

 

本当に入院が必要な状態なのに

 

入院できる病床数がないため
 

入院ができないことが

 

起きるのではないかという不安…。

 

 

 

 

そこで

 

人口10万人あたりの病床数を

 

県別でみてみると

 

高知県がダントツに

 

とびぬけて多いです。

 

 



これは

 

『高知県の人は

 

病気になりやすい!』

 

という訳ではなく

 

『この進む高齢者社会の

 

いざと言う時に備えている』

 

と考えるのが妥当でしょうか。

 

 

 

 

高知県にいれば

 

いざと言うときに

 

『入院できない!』

 

という不安はグッと減りそうです。

 

 

 

 

そうなれば…

 

『みんなで移住だぁぁ!!!』

 

と言いたいとことですが

 

ちょっと落ち着きましょう。

 

 

 

 

これは

 

医療費という面でみたら

 

また違った見方ができるのです。

 

 

 

 

というのも

 

言うまでもなく

 

あなたが病院で払うお金は

 

外来受診で終わるよりも

 

入院をしたほうが

 

高額になりますよね。

 

 

 

 

ということは

 

入院数が増えれば増えるだけ

 

国の医療費も

 

どんどん膨らんでいきます。

 

 

 

 

だからこそ

 

医療費の面から見れば

 

入院は少ない方がいいのです。




その一方で

 

病院の運営を続けるのは


ボランティアではなく

 

利益を出し続ける必要があります。

 

 



入院のための

 

病床数が多い医療機関では

 

ある意味で

 

それだけ入院してもらわないと

 

病院も経営難に陥ります。

 

 

 

 

だからこそ

 

病院職員が

 

ちょっとしたことでも

 

入院を推奨することが

 

あったり…なかったり…。

 

 

 

 

たとえば

 

あなたが小さいケガした時に

 

5日連続で病院の外来を受診して

 

”ケガの傷口を先生に見せて

 

消毒をしてガーゼ交換をして”

 

みたいなことを

 

経験したことはありませんか。

 

 

 

 

こんなことは

 

無いと信じていますが

 

そのような時であっても

 

病院の経営の目的で

 

入院ベッドがありすぎるが故に

 

『毎日来るのも面倒だよね?

 

ちょっと入院していく?』

 

なんてお誘いが


あったり…なかったり…。

 

 

 

 

患者さんも

 

毎日遠くの病院まで

 

車で通うのが大変だったり…

 

ケガで家事がおぼつかなかったり…

 

 

ぶっちゃけ

 

入院のほうが楽な人もいるので

 

WIN-WINにも見えます。

 

 

 

 

ただ

 

このような

 

不必要な入院が起こり続けると

 

先ほどに伝えたように

 

医療費が膨らんでいく一方で

 

将来的には増税の話が

 

出たりするのです。

 

 

 

 

とはいえ

 

人間というのは

 

”自分が一番かわいい”

 

ものだったりします。

 

 

 

 

『未来の若者が増税で困るとか

 

自分の知ったことではない!』

 

なんて思う人もいるでしょうし…

 

 

そもそも

 

自分がケガや病気で

 

心にも余裕がない時こそ

 

誰かに気を遣うことも難しく

 

より”自分が一番かわいくなる”ものです。

 

 

 

 

そうなってくると


医療費が膨らむ問題などを

 

考えれる人なんて


ほとんどいないのが現実かなぁ

 

と思う次第です。

 

 

 

 

だからこそ

 

入院のための病床ないのは

 

当然ながら困りますが

 

”ありすぎる”というのも

 

また困った話になりそうです。

 

 

 

では、今日はこのへんで!

 

See You Next Time Bye-Bye!!