はい、どーも!井上です!

 

 

関西を中心に精神医かつ産業医しています!

 

 

ラフな人生をめざしていきましょう(^^)

 

 

 

 

産業医や精神科医で

 

活動をしていると

 

働く人に

 

『いますぐ休職が必要ですよ』

 

と伝える場面はよくあります。

 

 

 

 

ただ

 

そのときに

 

『それはできません…』

 

と抵抗されることも

 

珍しくありません。

 

 

 

 

経済的な理由をはじめとして

 

色々な背景がありますが

 

次のような話も

 

ほんとうによく聞きます。

 

 

 

 

『今の仕事は

 

私しかやれる人がいないから

 

すぐには休めないです…。』

 

といったお話です。

 

 

 

 

そして二言目には

 

『引継ぐにしても

 

かなりの時間が必要です…。

 

それをするくらいなら

 

なんとか休まずに頑張ります…』

 

という話になっていきます。

 

 

 

 

もちろんこちらも

 

『いますぐ休職が必要』

 

と伝えるくらいですから

 

それなりに病状も悪いので

 

『そうですか。では頑張って』

 

とはいきません。

 

 

 

 

ちょっとした

 

押し問答にもなりますが

 

ここではその話は一旦おいて

 

その会社の背景について

 

考えていきたいと思います。

 

 

 

 

このケースのように

 

『今やってる仕事は自分しか分からない』

 

という状態を

 

仕事の属人化と表現します。

 

 

 

 

もちろん

 

仕事を属人化することの

 

メリットはあります。

 

 

 

 

しかし、その一方で

 

休むことへのハードルが

 

上がってしまうのは

 

1つのデメリットでしょう。

 

 

 

 

 

そこで今日は

 

仕事の属人化が

 

どうして起こるかについて

 

お話ししたいと思います。

 

 

 

 

 

 

現代社会でも

  

『とくに仕事せずに

 

ただ座ってるだけで

 

給料をもらってる人がいる!』

 

なんて言われますが…

 

 

その昔には

 

もっとその風潮があり

 

”給料泥棒”というワードも

 

今以上に飛び交っていました。

 

 

 

 

その背景には

 

ひとりひとりの

 

仕事の役割や範囲が曖昧だったので

 

自分がこっそりサボっていても

 

誰かがやってくれていたのです。

 

 

 

 

しかし

 

世の中は技術改革も進み

 

世界の競争に勝つためには

 

どんどんとムダを省いて

 

効率化が求められる方向に

 

シフトしていきました。

 

 

 

 

そこで

 

その指標として

 

分かりやすく導入されたのが

 

成果主義です。

 

 

 

 

これによって

 

各個人がどれくらい

 

成果を出しているかに

 

スポットが当たようになり

 

こっそりとサボるのが

 

難しくなってきました。

 

 

 

 

ただ

 

成果を評価するためには


いままで曖昧だった仕事の範囲を


従業員によって

 

きっちり決める必要があります。

 

 

 

 

『これがあなたの仕事だから

 

これくらいが目標になるね』

 

といような建設的な話ができて

 

フラットな評価ができるからです。

 

 

 

 

もちろん

 

メリットもありますが

 

各々の仕事の範囲が

 

キッチリ決められるため…

 

 

無駄とまではいかなくとも

 

『だれかがやるだろう』

 

みたいな”仕事のあそび”

 

どんどん失われていきました。

 

 

 

 

そこから

 

ITやAIなどの発展もあって

 

競合に負けないように

 

会社が扱わなければいけない範囲は

 

どんどん広くなっていきます。

 

 

 

 

それを可能にするには

 

個々が自分の仕事の範囲の知識を深めて

 

チームで力を合わせて

 

乗り越えることなのです。

 

 

 

 

知識を深めるというのは

 

専門性とも

 

言い換えられます。

 

 

 

 

同じチーム内でも

 

『Aさんは競合分析のここ』

 

『Bさんはマーケティングのここ』

 

のように

 

個々の従業員が専門性を高めて

 

やるべき仕事の範囲が

 

キッチリと決まっているのです。

 

 

 

 

これが仕事の属人化の正体です。

 

 

 

 

 

 

しかし

 

会社の組織としては

 

これだけでは未完成であり

 

その次には


『チームで力を合わせて』

 

ということが必要になります。

 

 

 

 

仕事が属人化して

 

”仕事の遊び”がないと

 

どんどん

 

周りの人との関わりも

 

希薄化していきます。

 

 

 

 

チームであるはずですが

 

隣の席のAさんが

 

どんな仕事をしているか知らない

 

ということが起こってきます。

 

 

 

 

さらに日頃から

 

高い専門性が

 

求められるからこそ

 

予定外に発生する仕事を

 

『別にそれは俺の仕事ではないなぁ』

 

と受け入れられなくなります。

 

 

 

 

それを自分が

 

一番よく感じてるからこそ

 


困ったことがあったときも

 

『誰かにお願いしても

 

断わられるだろうな…』

 

という不安がつきまとうのです。

 

 

 

 

SOSを出せないまま

 

独りで抱えることになります。

 

 

 

 

そして

 

『いますぐ休職が必要な状態』

 

と診断されても

 

誰かに仕事をお願いすることに

 

とても抵抗を感じてしまうのです。

 

 

 

 

仕事の属人化は

 

フラットな成果を評価しやすく

 

だれか1人がサボりにくく

 

いい面も多いです。

 

 

 

しかし

 

社内の人間関係の希薄さ

 

助長することは

 

忘れてはいけません。

 

 

 

 

とくに最近は

 

在宅勤務などで

 

オンラインのみでのやり取りが主流で

 

一緒のチームで働いている

 

Aさんがどんな仕事をしているか

 

まったく知らないのは当然なうえ

 

Aさんの人柄もよく分かっていない

 

ということが起きています。

 

 



あなたの会社はいかがでしょうか。



 

会社としては

 

このあたりを解消する工夫を

 

重ねて続ける必要もありますね。

 

 

 

では、今日はこのへんで!

 

See You Next Time Bye-Bye!!

 

 

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