はい、どーも!井上です!

 

 

関西を中心に精神医かつ産業医しています!

 

 

ラフな人生をめざしていきましょう(^^)

 

 

 

ここ最近のニュースでは

 

5人の自衛隊員が

 

女性の自衛官に対する性暴力で

 

”免職”の懲戒処分になったことが

 

話題になっていますね。

 

 

 

 

SNSなどを含めて

 

個々の人が自分の意見などを

 

発信できるようになったため

 

今までは闇に葬り去られていたことも

 

明るみになる時代だと思います。

 

 

 

 

警察なども

 

『それは事件じゃないでしょ』

 

と流していたことも

 

民意の声を無視できなくなって

 

きたのではないでしょうか。

 

 

 

 

今回のケースだけの話ではかう

 

性暴力の事件

 

やはり密室で行われやすく

 

互いの意見が食い違ったまま

 

証拠が不十分で

 

話がまとまらないことも

 

よくある話だったりします。

 

 

 

 

それでも

 

とくに最近、耳にするのは

 

『性的同意』

 

 

 

 

要するに

 

『相手が性交渉をOkしたのか?』

 

ということがポイントなのです。

 

 

 

 

簡単にいえば

 

『同意をしていたら

 

性暴力とはいえないのでは?』

 

という話になっていくのです。

 

 

 

 

そこで出てくるのは

 

加害者側としては

 

『相手が嫌がってなかったから

 

しっかり同意はあった』

 

という言い分なのです。

 

 

 

 

おそらく

 

あなたからすれば

 

『そんな訳ないやろ。

 

ふざけた言い訳すんな』

 

と言いたくなるでしょう。

 

 

 

 

しかし

 

残念ながらその言い分が

 

通ってしまうこともあるのです。

 

 

 

 

そこで今回は

 

なぜそんなことが起こるのか…

 

まさに性暴力を受けている時

 

心にはどのように変化するのか

 

についてお話ししたいと思います。

 

 

 

 

 

 

実はこれに関しては

 

イギリスの臨床心理士の

 

ロドリック氏が発表しています。

 

 

 

 

このような

 

性暴力を受けている人の心には

 

5Fの心の反応がおこります。

 

 

 

 

その5つとは下記のFです。

 

 

①Friend(友好的)

 

②Fight(たたかう)

 

③Flight(にげる)

 

④Freeze(凍結する)

 

⑤Flop(迎合する)
 

 

 

 

ちなみに①~③は

 

それなりにイメージが

 

できるのではないでしょうか。

 

 

 

 

①Friend(友好的)とは

 

すこし微笑みながら

 

その場の危機回避をする行動を

 

イメージしてもらってOKです。

 

 

 

 

『今なら笑って済ませれるから…

 

まぁちょっと落ち着いて。ねっ。』

 

のようなイメージですね。

 

 

 

 

ちなみにこれは

 

言葉の分からない赤ちゃんが

 

親にニコニコする時から

 

既に始まっている

 

危機回避の方法だと言われています。

 

 

 

 

赤ちゃんが

 

自力でできることは

 

まだかなり限られており

 

この世を生きることが

 

とても過酷なことです。

 

 

 

 

だからこそ

 

このピンチを乗り切るために

 

養育者に①Friendで接して

 

相手を安心させて

 

自分の危機を回避しているのです。

 

 

 

 

まさに

 

生き延びるための戦略であり

 

自分の生存確率をUPせています。




性暴力に巻き込まれているとき

②Fight(たたかう)と③Flight(逃げる)は


まさに文字通りなので

 

ここでは説明は省きますね。







問題はここからです。

 

 

④Freeze(凍結する)

 

⑤Flop(迎合する)





性暴力が起きたときに

 

この2つの心の反応があることを

 

まったく知らないでいると

 

とんでもない勘違いが起きます。




④と⑤をひとつずつ

 

説明していきますね。

 

 

 


④Freezeとは

 

まさにフリーズして

 

身動きが取れなくなることです。





あなたも

 

危険な場所に行った時


恐怖で声も出ず

 

足がすくんで動けなくなった経験が

 

あるかもしれません。

 

 

 

 

まさにその状態の

 

最上級だと想像してください。

 

 

 

 

性暴力のような

 

極度の恐怖のときは

 

体の動きだけではなく

 

こころも防衛反応として

 

フリーズしてしまって

 

解離状態がおこりやすいです。

 

 

 

 

解離状態のときには

 

まるで自分の身代わり

 

被害にあっているような感覚で

 

痛みなども感じなくなっています。

 

 

 

 

だからこそ

 

のちに被害者が

 

その当時の記憶を話そうとしても

 

記憶がすっぽり抜けていたりして

 

その時の痛みや恐怖すら

 

思い出せないことが起こります。

 

 

 

 

すると

 

警察などの他人に

 

勇気を出してSOSを出しても

 

記憶もあいまいなので

 

『ホントの話?作り話じゃないの?』

 

『そんな辛いことを忘れるはずない!』

 

のような心無い言葉を

 

ぶつけられたりするのです。

 

 


 

そして次は

 

さらに知られていない

 

⑤Flop(迎合する)です。




 

残虐な行為に対して

 

必死に①~④で抵抗してきても

 

最終的に

 

なす術がなくなったときは…

 

加害者に抵抗したり

 

抗議することはなく

 

迎合するようなります。

 

 

 

 

迎合というよりは

 

”服従”のほうが

 

ニュアンスは近いと思います。

 

 

 


ちなみに

 

この行動は何よりも

 

自分の生存悪率を高めるため

 

最後の生存メカニズムです。




このときには

 

④Freezeで硬直していた

 

全身の力はスッと抜けて

 

意思決定や判断などを司る脳の高次の機能も

 

シャットダウンしてしまいます。

 

 

 

 

ある意味で

 

何も考えられない方が

 

屈辱的な時間に

 

耐えられるからなのです。




では

 

このような状態をみて

 

『明確に相手の行為を拒否している』

といえるでしょうか。

 

 

 

加害者側としては

 

ここをついてきます。

 

 

 

『相手が嫌がってなかったし

 

とくに拒否的なこともなかったから

 

しっかり同意はあった』


と主張するわけです。




いうまでもなく

本当の本当は

 

⑤Flopまで心の反応が起きると

 

『嫌がることも拒否することも

 

出来なくなって服従していた』

 

というのが正しい表現なのです。

 

 

 

 

しかし

 

警察などに相談しても

 

『逃げようと思えば逃げれたのでは?』

 

『最後はとくに抵抗もしてないですよね?』

のようなことを言われて

 

事件性を過小評価されるのです。

 

 

 

 

 

では、今日のおさらいです。

 

 

 

今回は

 

まさに性暴力を受けている時

 

心にはどのように変化するのか

 

についてお話しさせて頂きました。

 

 

 

 

精神科医として

 

トラウマを扱う限りは

 

やはり性暴力の話は

 

避けることができません。

 

 

 

 

実際に性暴力の事件が

 

SNSなどで明るみになることも

 

昔よりもはるかに増えました。

 

 

 

 

しかし

 

関係のない第三者から

 

『作り話だろ!』

 

『抵抗もしてないじゃん!』

 

のように被害者が

 

叩かれることもあります。

 

 

 

 

それが叩いている方も

 

④Freeze(凍結する)⑤Flop(迎合する)

 

について全く知らないまま

 

好き勝手言ってるだけのケースもあり

 

とても痛々しいやり取りに

 

なっていることもありますね。

 

 

 

 

すくなくとも

 

司法の場では

 

今回の5Fといわれる被害者の心の反応

 

もはや”常識”としていただき

 

誤った判断にならないことを

 

願っています。

 

 

 

では、今日はこのへんで!

 

See You Next Time Bye-Bye!!

 

=(大切なお知らせ )=

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