はい、どーも!井上です!

 

 

関西を中心に精神医かつ産業医しています!

 

 

ラフな人生をめざしていきましょう(^^)

 

 

 

 

精神科医として活動していると

 

引きこもりの問題とは

 

それなりの頻度で遭遇します。

 

 

 

 

世間的には

 

”引きこもり”といえば若者の問題

 

と思われることも多いですが

 

実際にはそうとは言い切れません。

 

 

 

 

最近は引きこもりの問題も

 

高齢化によって

 

あたらしい局面を迎えています。

 

 

 

 

『8050問題』として

 

メディアでも取り上げられることも

 

増えてきたので


あなたも知っているかもしれませんね。

 

 

 

 

「80」代の親が

 

「50」代の子どもの生活を

 

支えているという家庭のことです。

 

 

 

 

このような家庭では

 

80代の親の年金を頼りに

 

50代の子供が引きこもりで

 

生活しているケースも多いのです。

 

 

 

 

ただ

 

大きなターニングポイントとして

 

80代の親が亡くなった時に

 

50代の子供がどのように

 

生活していくかが問題になります。

 

 

 

 

そこには


『これ!』というような

 

正解はありません。

 

 

 

 

そのぶん支援者として

 

とても悩ましいことが起こりがちで

 

この高齢者の引きこもり支援の難しさが


そこにあるとも言えます。

 

 

 

 

そこで今回は

 

そのあたりの問題を

 

多くの人の知っていただきたく

 

お話しさせていただきます。

 

 

 

 

 

 

このようなケースの場合で

 

たとえば50代の子供が

 

難治性のうつ病統合失調症などで

 

精神科にかかっている場合があります。

 

 

 

 

たしかに

 

本人に病識があって

 

積極的に

 

受診していることもあります。

 

 

 

 

しかし

 

親に言われるからなどの

 

消極的な理由で

 

受診していることもあります。

 

 

 

 

これは

 

受診していることこそが

 

働けない事の証明であり

 

それによって

 

家でも引きこもることを

 

親から認めてもらえるという…

 

いわば交換条件のように

 

なっているケースもあります。

 

 

 

 

誤解を恐れずにいうと

 

本人からすれば


引きこもるために

 

受診していることもあるのです。

 

 

 

 

そのような家庭であれば

 

親が亡くなってしまうと

 

本人の受診が途絶えます。

 

 

 

 

かといって

 

長年、引きこもっていた人が

 

いきなり一人暮らしとなっても

 

それを成立させるだけの

 

生活力をほとんど持っていません。

 

 

 

 

最初のうちは

 

親ののこした遺産などで

 

何とか食料の調達などを

 

やりくりすることもできるでしょう。

 

 

 

 

しかし

 

その遺産も有限であり

 

どこかでお金も枯渇してきます。

 

 

 

 

そのような時に

 

本人からSOSを出せたらいいのですが

 

なかなかそれも

 

簡単なことではありません。

 

 

 

 

病気やケガなどの理由によって

 

働けない場合には

 

生活保護の受給という選択肢もあります。

 

 

 

 

しかし

 

原則ではありますが

 

賃貸ではなく「持ち家」であれば

 

生活保護を受給するのが

 

かなり難しくなってしまいます。

 

 

 

 

疾患の状態によっては

 

障害年金を受給するなどの

 

選択肢もありますが

 

この申請もなかなかハードルが

 

高いのはいうまでもありません。

 

 

 

 

そのため

 

結局、そのままずっと放置して

 

いよいよ電気代やガスなどの

 

ライフラインの支払いもとまり

 

危険な状態になってきます。

 

 

 

 

受診も途絶えたまま

 

栄養状態や生活環境が悪化しても

 

自分から何もアクションを起こさずに

 

セルフネグレクト


とよばれる状態になることも

 

めずらしくありません。

 

 

 

 

ゴミ屋敷や衛生面の問題などで

 

近隣住民からの通報などで

 

問題がおおごととなって

 

はじめて行政が関わることになります。

 

 

 

 

行政の担当者が

 

病院にいくように説得しても…

 

いろいろな制度を紹介しても…

 

『このままお金が無くなったら死ぬだけ』

 

といって支援を受け入れようと

 

しない人もたくさんいるのです。

 

 

 

 

ちなみに

 

兄弟などの家族がいても

 

本人との関わりを

 

完全に拒否しているケースも

 

珍しくありません。

 

 

 

 

というのも

 

日本は”お家制度の絆”は

 

それなりに縛りが強いのです。

 

 

 

 

すこしでも関わると

 

かなりの確率で最後の最後まで

 

責任をもって対応しなければいけない

 

世間の同調圧力が働きます。

 

 

 

 

具体的には

 

一度、入院の手続きに関わっただけでも

 

入院費用を負担させられたり

 

退院後の生活の面倒まで

 

視野に入れる必要があります。

 

 

 

 

しかし

 

兄弟とはいえ

 

それぞれに自分の家庭があり

 

それを守るためには

 

どうしても関わりを

 

拒否しなければいけなくなるのです。

 

 

 

 

ちなみに

 

このように家族がいることが分かっていて

 

入院治療に同意できないとなると

 

原則、法的にも強制的な入院もできず

 

まわりの支援者は

 

本人が低栄養で弱っていくのを

 

ただ見守るしかできません。

 




毎日のように

 

自治体職員のような支援者が訪問して

 

様子をみていたとしても…

 

 

いつか本人が倒れているのを発見して

 

救急車を呼ぶまで何も出来ない現状が

 

そこにはあったりするのです。

 

 

 

 そもそも

 

支援の拒否が強いひとは

 

支援者が家を訪問しても

 

外に出てこないこともよくあります。

 

 

 

 

 

 

では、今回のおさらいです。

 

 

 

引きこもりが高齢化して

 

いま起こっていることについて

 

お話しをさせていただきました。

 

 

 

 

思った以上に

 

後味の悪い記事だった

 

かもしれません。

 

 

 

しかし、それこそが

 

いまの日本で現実に

 

起こっている問題なのです。

 

 

 

 

私自身も

 

福祉関連などの行政から

 

色々と相談を受ける立場ですが

 

結局のところ何もできずに

 

歯がゆい思いをすることも

 

珍しくありません。

 

 

 

 

私たちが考える

 

『健康で文化的な生活を

 

そこまで望まない人もいるのかなぁ…』

 

と改めて考えさせられます。

 

 

 

 

もちろん

 

こちらが考える幸せの形を

 

他人おしつけることは

 

良くないことは分かります。

 

 

 

 

ただ

 

弱っていく生命を

 

そのまま見て見ぬふりできるほど

 

なかなか強くはなれないものです。

 

 

 

 

引きこもりが高齢化することで

 

このような葛藤を抱える

 

支援者は確実にふえています。

 

 

 

 

人権の問題との絡みもありますが

 

人命が関わってくる話なので

 

もうすこし積極的に国としても

 

取り組む社会問題になっていくでしょう。

 

 

 

では、今日はこのへんで!

 

See You Next Time Bye-Bye!!

 

=(超・超・超・大切なお知らせ… (*´ω`*) )=

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