はい、どーも!井上です!

 

 

関西を中心に精神医かつ産業医しています!

 

 

ラフな人生をめざしていきましょう(^^)

 

 

 

 

最近は

 

親が子供を虐待する事件を

 

よく耳にするようになりましたね。

 

 

 

 

一般的には

 

虐待といえば

 

以下の4種類があります。

 

 

①身体的虐待

 

②心理的虐待


③性的虐待

 

④ネグレクト
 

 

 

ただ、現在では

 

教育虐待や心理的ネグレクトなど

 

他の形態での虐待も指摘されており

 

幅広い概念となりつつあります。

 

 

 

 

それでもTVで


事件としてニュースになるのは

 

主に身体的虐待だけであり

 

あなたが見聞きする虐待の被害は

 

まだまだ氷山の一角である認識は

 

ぜひ持っておいてください。

 

 

 

 

とくに

 

心理的虐待などは

 

子どもにケガやアザができる訳ではなく

 

外見だけでは分かりにくいので

 

かなりの割合で見逃されているでしょう。

 

 

 

 

しかし

 

そのような壮絶な経験をした人は

 

そのまま大人になってからも

 

心に大きな深い傷を抱えており

 

様々な症状で苦しむこともあります。

 

 

 

 

もちろん、そのままでは

 

とても生きづらいままなので

 

治療が必要になってきます。

 

 

 

 

その治療の1つとして

 

認知行動療法があります。

 

 

 

 

そこで今回は

 

幼少期からの心の傷に対して

 

認知行動療法は


効果的なのかについて

 

お話ししたいと思います。

 

 

 

 

 

 

まず

 

認知行動療法とは何かについて

 

説明をしたいと思います。

 

 

 

 

とてもラフに説明すると

 

『考え方を切り変えて

 

楽な気持ちになる治療』

 

と、思ってもらってオッケーです。

 

 

 

 

もう少し

 

分かりやすくするために

 

具体例でお話しさせて頂きます。

 

 

 

==========

 

 

たとえば

 

自己肯定感が低いAさんが

 

仕事の関係で上司から

 

『頼んでいた資料できたかな?』

 

と、聞かれたとしましょう。

 

 

 

 

Aさんとしては

 

期日はまだ先だと思っていたので

 

やっていなかったことを素直に


上司に伝えました。

 

 

 

 

すると上司は

 

『了解です。大丈夫です。

 

じゃあ明日の朝までにお願いね。』

 

と、Aさんに伝えて去っていきました。

 

 

==========

 

 

 

ほんとうに

 

どこの会社でもおこりうる

 

日常的な風景です。

 

 

 

 

そして、一般的に

 

上司からこのように言われたら

 

『よし、明日まで仕上げるぞ』

 

と思って、取り掛かることでしょう。

 

 

 

 

しかし

 

自己肯定感の低いAさんは

 

次のように考えてしまうのです。

 

 

『うわ…仕事遅いと思われた…』

 

『使えないヤツだと思われた…』
 

『他の人なら、もう出来ていたんだろな…』

 

 

 

 

これは歪んだ認知といわれ

 

かなりネガティブに

 

考えて過ぎてしまっています。

 

 

 

 

この考え方が続くと


いつか

 

『やっぱり、自分はダメな奴だ…』

 

のように自分を責めてしまうので

 

けっして、いいことはありません。

 

 

 

 

そこで

 

このような歪んだ認知を

 

切り変えていくことが

 

認知行動療法という治療法です。

 

 

(その詳細な方法などは

 

また後日にお話し出来たらと思います)

 

 

 

 

しかし

 

この認知行動療法には

 

暗黙の大前提があります。

 

 

 

 

それは

 

場面や人を変えた時には

 

歪んでいない認知を持っている

 

ということです。

 

 

 

 

つまり

 

切り変える正しい認知を

 

すでに持っているということです。

 

 

 

 

さきほどの

 

Aさんの例であれば

 

たしかに上司との人間関係は

 

イマイチではありました。

 

 

 

 

では、昔からの友人に

 

何か頼まれたことがあった時に

 

『じゃあ明日の朝までにお願いな。』

 

と言われたとしましょう。

 

 

 

 

この時

 

Aさんは先程の上司の時とは違って

 

『OK。明日の朝までなら大丈夫。

 

ちょっと待っとけよ~。』

 

くらいに気軽に考えられるのです。

 

 

 


このように最初から


歪んでない認知を持っているので

 

認知が歪んでいても


少しずつでも生きやすい認知に

 

切り替えることができるのです。

 

 

 

 

では、その一方で

 

親からの虐待などを受けて

 

心に深い傷を負った人ならば

 

どうでしょうか。

 

 

 

 

とくに幼少期から

 

一番身近な大人から

 

長い期間、傷つけられてきて


自分に自信を持てなくなっているので

 

全ての人間に対して信用できなくなります。

 


 

 

そのため

 

一見、優しくしてくれるような人に対しても

 

『いつか、急にキレられたり

 

仲間外れにしたり、バカにされたり

 

利用されたりするのではないか…』

 

のように不信感を抱いてしまうのです。

 

 

 

 

誰に対しても

 

そのような認知を持つので

 

認知行動療法の大前提が

 

崩れているケースが多いのです。

 

 

 

 

つまり

 

切り変える正しい認知を

 

まだ持っていないということです。

 

 

 

 

なので

 

幼少期に心の傷を負った患者さんにとって

 

認知行動療法が効果を発揮するのが

 

難しいこともよくあるのです。

 

 

 

 

 

 

では、今日のおさらいです。

 

 

 

今回は幼少期からの心の傷に

 

認知行動療法は効果的なのか

 

についてお話ししました。

 

 

 

 

結論からいうと

 

認知行動療法の大前提を

 

満たさないケースも多く

 

特効薬にはならないということです。

 

 

 

 

その大前提とは

 

『場面や人を変えた時では

 

歪んでいない認知を持っている』

 

でしたね。

 

 



しかし、虐待での心の傷を抱えると

 

正しい認知を持っていないから

 

自分の認知が歪んでいることに

 

気がつけないのです。

 

 

 

 

幼少期からの心の傷は

 

患う期間が長いこともあるので

 

その分、どのような治療でも

 

スパッと一筋縄ではいきません。

 

 

 

 

ときには

 

医療者などのサポーターにも

 

些細なことで不信感を抱き

 

治療が中断することも少なくありません。

 

 

 

 

そのような意味でも

 

この治療には


とても時間もかかることであり

 

あの手この手を使って少しずつの改善を

 

実感してもらうことが大切なのです。

 

 

 

 

今回は長くなってきましたので

 

また別の記事にはなりますが

 

他にどのようなことに気をつけて

 

治療を行うかについても


お話しできたらと思います ^^

 

 

 


では、今日はこのへんで!

 

 

 

See You Next Time Bye-Bye!!

 

 

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