はい、どーも！井上です！
関西を中心に精神科医かつ産業医しています！
ラフな人生をめざしていきましょう（^^）
6月15日は人生で初の
FMラジオに登場しました！
約7分間の登場という
かなり限られた時間でしたが
とても有意義な時間でした。
FMラジオということもあり
DJ ラフドクターとして
バチバチに活躍する予定でしたが…
残念ながら
そんなオファーではありませんでした。
今回はタイトルの通りで
いまHOTな話題になっている
『認知症の新しい薬が
アメリカで承認されたYo！！』
ってことに対して
精神科医として解説させて頂きました。
すでに放送を聞いてくださった方も
たくさんおられ
本当にありがとうございます！
ただ、今回は…
地域や時間の関係で
放送を聞けなかった人のためにも
どのような内容であったかを
共有したいと思います。
そして、せっかくなので
ラジオの中では
お伝え出来なかった内容も盛り込んで
お話していこうと思います。
では、Here we go！！
まず、今回の新薬の名前が
『アデュカヌマブ』 です。
とりあえず
めちゃくちゃ言いにく名前です。
実際にラジオの本番でも
噛んでしまいました（汗）
まぁ、それは置いといて…
そもそも
日本に認知症の患者さんって
どれくらい いるかご存知ですか？
約600万人と言われています。
ちなみに
認知症ってのは
色々なパターン（型）があるのですが
その中でも約7割を
アルツハイマー型が占めています。
なので
アルツハイマー型認知症の人は
だいたい400万人くらいですね。
そして
このアルツハイマー型認知症は
どのようなメカニズムで
発症するのでしょうか？！
実はまだ
ハッキリしておらず
仮説の段階なのです。
ただ、その中でも”ある仮説”が
長年ずっと信じられており…
今回の新薬もその”ある仮説”をベースにして
開発されることになりました。
その仮説といのうが
『アミロイド カスケード 仮説』
名前がかっこいいよね。
何かの必殺技みたい。
中二病をくすぐる名前です。
まぁ、それは置いといて…
要するに、脳神経細胞の外に
アミロイドβというタンパクが蓄積して
脳神経細胞がダメになっていく仮説です。
それによって
脳の海馬などが萎縮してしまって
色々な症状が出るって考えられています。
ちなみに
もう一歩踏み込んだ話をすると
アミロイドβタンパクが蓄積したあとに
脳神経細胞の中に
タウ タンパクが過剰にたまり始めて
脳神経細胞がいよいよダメになると
考えられています。
なので
アミロイドβタンパクが
少し溜まったくらいであれば
特に何も症状がでないのです。
20年近くの長い年月をかけて
ジワジワと蓄積していって
認知症としての症状が出てくるイメージです。
そこで！
『アルツハイマーを治療するなら
この原因になっている
溜まってしまったアミロイドβタンパクを
取り除けばいいんじゃね？！』
って発想になるわけです。
ただ、それがめちゃくちゃ難しいのです。
今まで多数の製薬会社さんが
これにトライしてきましたが
いくらお金も時間もかけても上手くいかず…
いい結果がでませんでした。
しか～～し！！
ついに…ついに…
今回の新薬である
アデュカヌマブが
それに成功したのです。
つまり、世界初の
脳に蓄積したアミロイドβタンパクを
取り除く薬なのです。
ちなみに
それをどのようにして
取り除いてくれるのでしょうか？
実は
このアミロイドβの抗体を
薬として体に入れ込むわけなのです。
（コロナの時によく聞く、あの抗体です。）
それによって
抗体がくっついたアミロイドβを
自分の免疫細胞がパクパクと食べて
消し去ってくれるという治療法です。
なんか、単純だけどすげぇぇぇんです！
ちなみに
アデュカヌマブは点滴の薬なので
薬を飲み忘れる心配がありません。
病院にさえ行ければ
その場で点滴ができるので
飲み忘れがないのは
本人も周りも安心です。
ちなみに、点滴の頻度は
現在では月に1回なので
そこまで大変でもないでしょう。
そして、なんと…
それを1年6か月続けることで
脳内のアミロイドβタンパクが
59～71％減少してたデータが出ました。
この数字をどうとらえるかは
人それぞれかと思います。
とはいっても
点滴治療をやめたからといって
一気に効果が無くなるわけではなく
1年半6か月の点滴治療を続けると
その効果は4年継続するとのことです。
ただ、この薬の値段が
めちゃ高価なんです！
これだけ画期的であり
開発にもそれなりの費用が
かかっているので当然なのですが…。
アメリカでは
年間56,000ドル（日本円で約610万円）
だと発表されています。
このまま日本の薬の値段に当てはめて
計算することはできませんが
とりあえず、そのまま代用してみると…
年間・610万円 ⇒ 毎月・約50万円 です。
ひょぇぇぇ！！！
今後、これは日本で承認されたら
保険がきくことになると信じますが…
それでも
1割負担の人なら…毎月5万円。
3割負担の人なら…毎月15万円。
どのみち、なかなかの高額です。
なので
誰にでも使えるように
もう少し安い薬の価格設定になることを
心から願っております。
しかし！！
この薬の値段がいくらで設定されても
次の２つはぜひとも覚えておいてください。
①自立支援医療制度
うつ病とかでは聞き馴染みのある人もいる
自立支援医療制度ですが
認知症でも適応されます。
この制度の詳細は
ここでは省きますが
超ラフに説明すると
『原則1割負担になるよ』っていう制度です。
認知症でも適応されることが
あまり知られてないので
ぜひ覚えておきましょう。
②高額療養費制度
こちらの方が有名な制度でしょうか。
ケガとかで入院しても
この制度を使う人も多いですね。
この制度もラフに説明すると
『収入に応じて払う医療費の上限が
決まっているよ』って制度です。
原則としては
最初に窓口で全ての支払いが必要ですが
上限を超えている金額については
あとから返金します、という制度ですね。
ただ、これに関しては
適応になる条件があるので
万が一に備えて、自分が適応されるのか
役所などで確認しておきましょう。
とりあえず
色々と新薬についてお話をしてきましたが
正直、まだまだ話足りません。
しかし、ブログ記事としては
かなり長くなってきたのです
今日は一旦ここで終了としようかと思います！
とりあえず
新薬のアデュカヌマブが
どのような薬なのかは
伝わりましたかぁぁーー？！
そこで、次回は
・この薬、副作用はないの？
・誰に使える薬なの？
・日本ではいつから使えるの？
など私の予想も踏まえた記事にします。
需要がありますように！！（笑）
＝＝＝（6月17日追記）＝＝＝＝＝
⇒後編はこちら！
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では、今日はこのへんで！
See You Next Time Bye－Bye!!
(てか、いつものこの最後の挨拶って
FMラジオのDJ風じゃね？？？)
【今日の参考記事】
＝（大切なお知らせ… (*´ω`*) ）＝
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