歌舞伎界の襲名なんて

世間一般にはなんの関係もないことだが、

芝居好きにはちょっとした出来事だ。

 

来年の5月に、尾上菊之助が

八代目尾上菊五郎を襲名するとか。

 

若い頃の菊之助(当時は丑之助)は、

のっぺりした顔立ち泣き笑い

イケメンだったパパ菊五郎にも

美人だったママ富司純子にも

イマイチ似ていないし

何だかな…と思っていたのだが

いやいや、なんのなんの。

 

年を取るにつれ、菊之助は両親の美貌を

しっかりと受け継いで、

華といい、艶といい

その男ぶりったるや、目を見張るものがある。

 

役者としても、

体格に厚みを増してきたこともあって

女形はもちろん、

立役もパパを凌ぐほどの力量。

 

根っからの芝居好きらしく、

役者馬鹿なところもニヤリ

十分な素質を備えている。

 

そんな三冠馬、七冠馬がずらりと揃う

音羽屋の中にあって

(しのぶ姉さんもいるし)

群を抜く血統爆  笑の若駒がいる。

 

菊之助の息子、丑之助くんだ。

 

彼の母方の祖父は、

鬼平でも知られる中村吉右衛門。

 

祖父は二人とも人間国宝スター

 

その馬馬じゃない丑牛あたま之助くんは

来年、父親の名を継いで

六代目尾上菊之助(いい名前だね~照れ)を

襲名することになっている。

 

襲名発表の記者会見では

弱冠10歳にして、人間国宝の菊五郎より

遥かに立派な受け答えで

記者たちを驚かせていた。

 

それにしても丑之助くん、

顔が吉右衛門に瓜二つだ。

 

襲名する三人が揃った姿は、

まるで、菊之助を中心に

若返った播磨屋と年取った音羽屋が

並んでいるように目えて、

ほろっとしたぐすん

 

吉右衛門が存命だったらね…。

 

ただ、人間の場合、

血統はあてにならないから

丑之助くんといえども

将来が約束されているわけではない。

 

贔屓あっての役者ということを

忘れてはならないのだよ。

(えらそ~にえー

 

ところで、来年の襲名では

当代の七代目尾上菊五郎(81)は

梅幸を継がず、

今の名をそのまま維持するため

史上初の二人の菊五郎が誕生するらしい。

 

たぶん、いまさら名前を変える必要がない

理由があるのだろう悲しい

 

伝統という名のもとに

こんなことを大真面目にやっている

人間たちって、なんとも滑稽だ。

 

でも、素敵でもある笑い泣き