明治生まれの祖母が 持ってきたという
大きな婚礼だんす。
実家の座敷には、祖母が
嫁いできた証のように今も静かに
いらっしゃる。
「昔はなぁー、婚礼ゆうたら、夜道を提灯さげて嫁入りさきへいったんじゃ」
祖母から聞いた、こんな話。
提灯さげて 夜道を歩いていた 婚礼の一行は
真っ暗いはずの山が
まるで星のような 灯りが咲きはじめたものだから
誰もが、ひっくり返るほどたまげ、腰をぬかしそうになったそう、で、、、、、。
「たぶん、狐のしわざじゃろう、ゆうことになったんじゃ」と祖母は、
決まって口元をおさえながらクックッと笑った…
ほんとうの話だろうと思って聴いていた。
そうだ♪
若葉茂る季節のころ
ほたる火が還ったという田舎に帰ってみようか、レン。