何で囲碁をやっているのか | アオタケ囲碁通信

何で囲碁をやっているのか

僕が今、囲碁をやっている理由は、
自分自身のことを今よりも好きになる為です。



僕は今年30歳になりますが、
人は社会に出て年齢が上がるほど、
人生を合理的に考えるようになると感じています。


例えば、囲碁を1日2時間勉強する選択肢があっても、
その時間を仕事に充てれば、◯◯円稼げる、
すると月あたり◯◯円稼げる、年収◯◯◯万円になる、
などの比較をしたり、遊びをセーブするようになります。

恋愛に関しても、◯◯歳になるまでに結婚しないと
婚期を逃す、地元の世間体的になんかヤバいという理由から
休日に碁を打つよりも、婚活にお金と時間を費やした方が
コスパが高い、などの判断を下すようになります。


こういう合理的な判断にひたすら徹していると、
自分のやりたいことをやらなくなってしまい、
趣味に時間やお金を使う頻度が減っていきます。


しかし、本当は囲碁を楽しみたい、強くなりたいと
思えば思うほど、それを抑制しながら生きることは
人のパフォーマンスを著しく低下させます。




僕は、人が生きる上で大事なことの一つに、
何かを一生懸命やることで、自分に自信をつけたり、
自分を今よりも好きになること、があると思います。



例えば囲碁を例に挙げると、
ルールを覚えるのは簡単ですが、
強くなることは簡単ではありません。

個人差はあるものの、上達を続けていく中で
必ずどこかで一度以上、壁にぶつかる場面があります。

「楽しい」動機だけでは続けられなくなるのです。


加えて、世の中には囲碁以外にも、
手っ取り早く楽しめる趣味や余暇が腐るほどあります。
「これをしなければいけない」という
社会からの要請も加齢と共に増えていきます。

だから、離れていく人の気持ちもよく分かります。


しかし、楽しいだけのものから
短期的に手っ取り早く得られる楽しみや喜びは、
その一瞬や短い時間で無くなってしまうものです。


逆に、大きな壁に向かって長期的に努力をしたり、
それを乗り越えた経験から得られる喜びと自信は、
時間をかければかけた分だけ、大きなものになります。


そこから得られる自信を持っているからこそ、
新しい別の目標にも果敢に向かっていけるし、
女性にモテたり、人から信頼されたり仕事が来たりと、
周りの人間関係が良い方向に向かっていくのです。




当然、それだけの高い壁を
長期間かけて越えていくためには、
自分の好きなことや得意なこと、
情熱を持てることに取り組む必要があります。


仕事でも恋愛でも部活でも趣味でも、
がっつり向き合ってきた人の言葉は重いですが、
すべての根幹にあるのは、同じです。


あなたにとっては、たまたまその選択肢として
囲碁が目の前に用意されているというだけ。




囲碁を続けるか続けないかはあなた次第です。


ですが、何をやるにしても、
あなたが人生を幸せに生きられるかどうかは、
あなたが毎日何をやって、
そこから何を感じたかにかかっています。

というか、それが全てだと思うのです。




プロになれなかった院生上位クラスの方も、
囲碁界に徹底的に関わり続ける人と、
別の分野に移って頑張る人の、
二つのパターンにはっきりと分かれます。

情熱が続かないなら、さっさと撤退した方がいい。
未練ややり残している事があるなら、
とことん納得がいくまでやった方がいい。

良い事例です。




僕は囲碁に関しては、やり残している事があるので、
もう少しの間、続けていきたいと思います。