ミカエルは言った。
「ご主人様、あなたは再度アブラハムトライアングルを立て直すた
めにアブラハムを試練されたのですね。」
神様は答えられた。
「ミカエル、私の目的が見えるようになったかね。今から延長する
摂理はあくまでもアブラハムトライアングルに含まれていなければ
ならない。三種類の供え物に成功していればアブラハムトライアン
グル自体で完結するはずだったがそれは失敗した。だから当然私の
計画は延長するしかない。しかし三度を越える延長は不可能なた
め、アブラハムトライアングル内の延長にするしかない。どうして
も真事権はアブラハムに担当させなければならないのだ。カルデア
のウルから旅立ったアブラハムは既に私と信頼関係が結ばれていた
ために、鳩、羊、牛などの象徴的な供え物で良かったが、それに失
敗した以上、今度は命がけの試練となる。アブラハムにとって最も
大切なのは自分の命ではない。彼は既に老齢になっている。もしイ
サクを助けるためにアブラハムが死ななければならないとしても、
彼は難なく超えたであろう。「最愛の一人子を殺せ」という命令以
上の試練はあり得なかった。アブラハムはそれを見事に越えた。こ
れで私とアブラハムの信頼関係は回復され、再び真事権確立が成さ
れたのだ。悪魔との戦いに勝つためには常に死線を越えるほどの決
意がなければならないことを、ミカエルお前は理解したであろう。
私が欲しかったのは、イサクの命ではない。最も大事なもの以上に
私を優先する心がなければ悪魔に勝てないのだ。」
つづく
