エジプトの王子となったモーセだがある事件をきっかけに窮地に立たされる(モーセの運命は如何に・・) | クリスチャン以外にも読んでもらいたい聖書物語

クリスチャン以外にも読んでもらいたい聖書物語

世界には多くのクリスチャンがおられます。様々な教会があり、様々な聖書解釈があります。これから描いていく聖書物語は、人間から見た聖書解釈ではなく、あくまでも神様の目的や視点から見た聖書解釈であり、そこから知り得た人間の責任について書き綴っていきます。

 

ミカエルは言った。

「よく分かりました。しかしご主人様、今からこの幼子を中心とし

て最初の摂理が始まろうとしていますが、モーセは上層部どころか

奴隷という最低の最低に位置しています。一体上層部から摂理が可

能なのですか。」

神様は答えられた。

「時の推移をよく見ていなさい。さてミカエル、更に教訓を与えよ

う。トライアングルは本来のアダムと同じ位置と価値を持つ人物が

登場しない限り完成できない。地上にいる人間は表面的には人間で

あるが、価値から見れば悪の天使か善の天使であり、人間と呼べる

価値を持つ者はいない。」

ミカエルは言った。

「イスラエル民族は善の天使の立場であり、それ以外の人類は悪の

天使であるということですね。」

神様は言われた。

「私は天使をHOWの代表として造り、アダムをWHY代表として創

造した。即ち私の姿に完全に一致した人間を造る前に象徴的に私に

似た天使と宇宙万物を作ったのだ。つまり象徴的なものが先に現れ

実体が後に現れる。これが創造の原則だ。この幼子モーセはやがて

登場する私の子の象徴としての使命を担っている。

彼はその使命を見事に達成してくれるだろう。」

ミカエルは言った。

「多くのことを学ぶことができました。ありがとうございました。

ナイル川を流れているモーセのことが心配です。あなたのご計画を

見せて下さい。」

ナイル川を流されていく弟を心配そうに、モーセの姉ミリアムは川

辺を追いかけていた。川下ではエジプトの王ファラオの娘が泳ぎに

来ていた。子供に恵まれないまま夫に先立たれ悲嘆にくれていた

ファラオの娘はその気持をなんとか紛らわそうとしていた。

ファラオの娘がふと目をやると小さなかごが流れて来た。拾い上げ

てふたを開けると幼い男の子が入っていた。

ファラオの娘は言った。

「私の願いが叶ったのだ。夫を亡くしてポッカリ空いた私の心を、

この子はきっと満たしてくれるに違いない。そうだ、この子を私の

子として育てよう。この子はエジプトの王子になるのだ。」

モーセの姉ミリアムはファラオの娘に近づいて言った。

「私が良い乳母を知っています。お世話させて下さい。」

ファラオの娘は言った。

「そうしなさい。」

ミリアムはその母を乳母として紹介した。つまりモーセは母を乳母

として育てられた。

モーセ成長して宮殿に入り、エジプトの王子として最高の学問を身

につけることになった。

乳母としてわずかに会えるチャンスをモーセの母は決して無駄にし

なかった。

母は訴えた。

「モーセ、あなたはたとえエジプトの王子となっても優しい心を

失ってはいけない。いつもアブラハム、イサク、ヤコブの神を忘れ

てはいけない。どんなにエジプトの繁栄が魅力的であろうと決して

心を奪われてはいけない。」

母子協調の公式を必死に満たそうとする母だった。

歳月は流れ、モーセが40歳になった時、事件が起きた。

宮殿を見回っていたモーセはエジプト人に虐待されているイスラエ

ル人を見た。イスラエル人はエジプトから見れば奴隷であり、家畜

に等しいものであった。モーセはエジプトの王子として知らぬふり

をすることもできた。しかしモーセの心は神様と共にあった。次期

王位が約束された栄光の位置をも投げ捨て、一介の奴隷を救うため

に立ち上がった。奴隷を救い出すためになんとエジプト人を殺して

しまったのだ。モーセはそのことが公に成れば事態は大変なことに

なることを知っていた。エジプト人の死体が見つからないようにい

砂に埋めた。

ミカエルは質問した。

「大変な事態になりました。モーセはこのままではエジプトに対す

る反逆者として殺されてしまいます。イスラエルを救うために立ち

上がったモーセが、王子の位置を維持できるか、反逆者になるかは

イスラエル人がどのような行動に出るかにかかっています。」

つづく