◆天麩羅の話題をお届けしている傍ら、ご質問もいくつかいただきましたので
お答えさせていただきがてら裏話を。
天麩羅の衣は、粉と卵と水で作りますが、いずれも必ずよく冷やしておきます。
あと、混ぜるときに用いるボウルも一緒に冷蔵しておくよいですね。
画像はガラスのボウルですが、室温が温かいため冷やしたボウルには水滴が付いています。
すべては、小麦粉のグルテンを生成させないための工夫ですが、
グルテンは、薄力粉であれば原料の小麦の胚乳から生成されるタンパク質の一種。
胚乳内の貯蔵タンパク質であるグリアジンとグルテニンが、水分の介在下で反応すると
グルテンを結成します。
グルテンは、生麩にみられるように粘度のある状態にあり、形成されると天麩羅の衣が
もったりと重く仕上がってしまいます。
製パンではグルテンを生成させ逆に粘度を出す必要があるのですが、生地温が25℃を下回ると
グルテン形成が緩やかになるためそれ以上を維持する必要があります。
同様に天麩羅の衣で生成させないなら、生地温を極力5℃以下に抑える必要があるため
粉も卵も水もよく冷やし、ボウルも冷やしておくことが望まれます。
グルテンの話題はさておき、卵と水を混ぜるときは、水に直接卵を割り入れてから攪拌します。
なんだか分離しそうで、卵をよくかき混ぜてから加えたいところですが、こちらが分離しやすいのは
マヨネーズを作る時と同じ原理ですが、それより一度お試しいただくのがよろしいかと思います。
こうして水と卵を合わせたものを〝玉水(ぎょくすい)〟もしくは〝卵水(らんすい)〟と呼び、
ここにふるった粉を分割して加えさっくり混ぜるのが基本の衣の作り方でしょうか。
衣の美味い天麩羅は具材がきれいに蒸しあがって美味いものですね。
美味いのは良いのですが、ここのところ天麩羅が続きまして
なんだか顔面も脂ぎってますʅ( ‾⊖◝)ʃ
まだお盆頃までいくつか登場させようと思っていますが、間髪を〝入れ〟ながらお届けします。
実は、4日連続で天麩羅。
油ものばかりは堪えるお年頃なのです。