味噌汁 Le commencement | Ta助の厨房

Ta助の厨房

料理人 Ta助が
真の「食」を求める旅録


昨日ご案内させていただいた通り
11月27日(土)某大学医療栄養学科主催の
市民公開講座に登壇させていただく。
(詳しくは前日更新のアメンバー限定記事をご覧ください。)

5度目の登壇となる今回は
「家庭料理と健康 ~毎日の味噌汁を考える~」をお届けする。

Ta助の厨房
「健康」と「食」を結び付ける課題に「節塩」がある。

1980年頃の日本人ひとりあたりの
1日平均食塩摂取量は13.0g前後であった。
これに対し現在は10.0g未満の目標量に近づきつつあり、
近年減少傾向を示してきた。
          (資料 国民栄養の現状 国民健康栄養調査)

しかしながら、これと同じくして、摂取エネルギー、
おおよそ、食べる量も減少傾向にある。

このことが示すものは、平均として見た場合、
日本人が食べている料理の味付けの「濃さ」に
この30年間、変化が少ないということである。

この間、かつての成人病と呼ばれた疾患は、
生活習慣の改善で予防できるとの認識を醸成するため 
生活習慣病と呼ばれるようになり、
予防のなかに食生活の改善、つまり「減塩」はその急先鋒となった。

「減塩」は盛んに語られ、薄味を指導させる動きがあったが、
食塩摂取量の減少傾向の様相はどうもそれとは別のようである。

さて料理の観点から、
何ゆえ味付けの濃さに変化が少ないのかを考える。

理由の一つは、若年期に形成される味覚は
年齢を重ねた後に、変化させることが難しいことが考えられる。
慣れ親しんだ味付けが濃かった場合、
後に味を薄くした時物足りなさを感じ長続きしない。

つまり、後の生活習慣病予防の観点からも、
子供にとって「節塩」こそ「食育」として必要である。


さて、今回の「味噌汁」の話題では、
いかにして「味噌汁」の「節塩」を果たすのか…
「節塩」して、それでも美味いのか…

「味噌汁」と「食塩摂取」との上手い付き合い方、
それを補って余りある「味噌汁」の魅力をお伝えできればと思う。