これでは逆効果 アベノミクスがうまくいかない具体的一例 |         きんぱこ(^^)v  

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      砂坂を這う蟻  たそがれきんのすけ

【もうすこし考えて実施しないと、これでは逆効果】


アベノミクスの一環で行われた補助金制度。
平成27年度補正予算で1000億円が計上されて実施された

「ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」

(中小企業庁)

ですが、6月6日に結果が発表されました。


この補助金制度は、

企業が提出する提案書が採択されると、購入予算の2/3を国が助成するという制度。

その代わり、従業員のボーナスやベースアップを行って、所得を上げてください。

というものです。


つまり

① 中小企業に補助金を助成する。
② 工場などは安価な投資で(2/3は補助金が使えるから)製造原価や導入経費が抑えられて利
益が出る。
  販売会社や開発主体の工場はIoT(モノとインターネット)の世界でアイデアを考え、実施する
ことにより利益が出る。
③ 得られた利益は、従業員のボーナスや昇給などに反映させる。
④ その結果、従業員の個人消費を活発化させて、経済復興の一要素にする。
  または国内の経済を活発化させる。

というものでした。


公募総数は全国で24011件に上りましたが、審査の結果7729件が採択されました。


合格率はなんと全体の1/3すら下回る


たったの   32.1%


前年以前は40%の企業が採用されるという実績があったのですが、それだけ今回は募集社が多かったという事ではあります。


しかし、この助成金制度は、応募する前からいろんな話は飛び交っていました。

「コンサルタントに作らせないと通らないよ」
「審査ポイントはコンサルが把握しているから癒着しているのではないか」

などなど、つまり、会社個々で考えて申請すると、まず通らないということでした。


もちろん、書式や書き方については、自信が無ければコンサルタント会社に頼むのもいけないとは言えません。

しかし現実は、コンサルタントがコンサルするのではなくて、作成するわけで、同じような形式の提案書が複数通ってしまうので、会社だけで一生懸命考えて作成したものでも落ちてしまう。


聞く話では、コンサルに頼んで作成すると、基本料金が10万円、成功報酬が1000万円の補助金ならば100万円なのだそうです。


つまり、コンサルに頼んで補助金を申請しても、コンサル料にコストがかかって、従業員への還元は必要最小限になってしまう。

ということです。


さらに、ここで言いたいのは、


合格率があまりにも低すぎる


ということです。


下の表の説明をします。

③ は今回応募の合格者数

そして、想定ですが

①は提案書としてはとても採用できないもの

そして

②が提案書としてしっかりしているが、数に限界があり不採択になったもの。


というものです。
①と②は境目がはっきりしませんので二等分しました。


----------------------------------

| ①8841 | ②8841 | ③7729 |

----------------------------------


問題なのは②に該当する企業です。


一生懸命提案を考えて、またはもともと考えていた今年の事業計画から流用して、いろんな人に「これで大丈夫でしょうか」と確認して提出し、従業員もボーナスが2,3万円上がることを期待していたのに、不採択になった企業ということになると思います。


どんな気分しますか?


「なにが、アベノミクスや・・・」


となると思いませんか?


まともな事業計画のなのに無視された、ということになるわけですよ。


補助金が下りなかったということについてではなく、まともなのに認められなかった怒りと従業員ががっくりと感じたことが問題なのですよ。


これが8841社として、1社30人平均の従業員とすると、265,230人もの人々が、今回の補助金制度でがっくりと来たわけです。


私の会社もだめでした。提出資料とは別に数十ページの「2016年度事業計画」を作っていて、その内容を提案資料に反映させ、いろんな人に見てもらってブラッシュアップを行い、満を持して提出したものでした。


これでだめなら、何を書けばいいの? と言うほどのものでも、だめなわけです。


安倍首相はアベノミクスを頑張って成功させようとしているけれども、②に該当する約25万人の人々は、この補助金制度を実施することによって

「なにがアベノミクスや!」

と言う感じで、気落ちして重い心で社長も従業員も黙々と仕事を続けるわけです。


つまり


やればやるほど、恨まれる


ということです。



では、どうすればいいのか?



少なくとも、採用率を60%以上に上げるべきなのです。


「予算があるじゃないか」と反論する馬鹿がいるかもしれません。

それくらい、どうしたらいいか考えろよ!と言いたいです。


いろんな方法はありますからね。

①の部分は仕方なないですよ。


つまり。


アベノミクスの補助金制度は


採用率が60%台ほどはないと、何の効果も得られない!


ということです。


そうしなければ、やればやるほどアベノミクスは失速確実ですよ。


味方をどんどん敵に回しているだけになるから。



安倍首相


または

私の実家のご担当の 谷垣幹事長


この現実はわかっていましたか?



・今からでも②に該当する会社を見直す。

・同じような形式の提案書は注文を付ける

・抜き打ちでもいいから、まったく違う審査員に見直しをさせる。

・次回の補助金についてどうするかを、選挙前に説明する


これらを早急に考えないと、選挙では静かに嫌われると思います。


私も、がっくり。

ちゃんと真面目に作って、しっかりできている提案書は、何らかの採択ができるようにしないと、恨まれるだけだということ。


アベノミクスの実施面での詰めが甘い気がしました。


追伸:



こんなこと書いたらうまくゆかなかったから負け惜しみみたいな風にとらえて、この問題を片づける人がいるけれど、そんなんじゃないですから。


安易にとらえていると、アベノミクスなんて「オオカミが出たぞ」になってしまうでしょうね。



今度の選挙も東京都知事選も、意外と自民党は苦戦するかもしれませんね。