第17首
ちはやぶる 神代も聞かず 竜田川 からくれないに 水くくるとは
在原業平朝臣
島根県女子大生殺害遺棄事件で、事件当時に重要参考人または容疑者となった人物がいました。
19歳の職業パチンコ屋?・・・。
平岡さんが店を退出する2,30分前(26日の夜9時前)に平岡さんが働いていた31アイスクリーム店に寄り、「アイス一つしか頼んでないのに、しかもコーンなのにスプーンいるか聞かれた」と自身のブログ(モバゲー)に書いていた人物。
しかも、事件の翌日は仕事が休みで、翌々日に上の百人一首にある一首をブログ(モバゲー)に公開したらしいです。
事件当時、わたしはこのことは知りませんでしたのでそのブログ(モバゲー)も確認は出来ていません。
私の持論では犯人は事件現場とそれほど離れていないところに住む人物だということもあり、この人物は平岡さんの最後の客かもしれなく、翌日は仕事が休みだったというのは事件にはまりすぎていて参考人や容疑者にされても仕方がないとは思います。
この噂は2チャンネルからの発信だったそうですが、警察も当然容疑者として調べて結局はシロだったのでしょう。
おそらくは事件当日に31アイスクリーム店に行ったのは嘘だったのではないかとも思っていますが現在でも2チャンネルでは、この男では・・という人がいるみたいですね。
本人かどうかはわかりませんが写真も載っていました。
金原ひとみさんが書いた「蛇にピアス」にでてくるスプリットタン(舌先を蛇のように二股に切る)にしようかと考えていたそうで、身体改造に興味が強い男だったそうです。
世間一般から見れば変わった人物で、これだけでこの男が怪しいなどとは言えませんが、私が気になるのは事件の翌々日にアップされたといわれる上の百人一首の詩です。
一体どうしてこんな詩をブログに載せたのか。
そして、よくこんな詩を知っていたなと。
〇ちはやぶる 流れが速いという意味だそうです
〇神代もきかず 神の代の昔からも聞いた事が無い。
〇竜田川 奈良県生駒山から流れ出る川で大和川の支流。紅葉の名所。
〇からくれなゐ 唐紅 中国の濃い紅色。
〇水くくる 水を括り染め(絞り染め)にする。水を絞り染めにする。
水を潜る。紅葉の下を水が潜り流れている。
つまり、神の代の昔からも聞いた事はありません。竜田川の水面に紅葉が浮んで、真っ赤に絞り染めにしたような光景があるとは
と言う感じでしょうか。
在原業平は屏風絵を見て詠ったらしいですが、竜田川の水面を覆い尽くしている鮮やかな紅葉の下を潜り速く流れている水のように、私(業平)が貴女(高子)を想う心は表に出す事は出来ませんが、いつまでも変わることはありません。この貴女を恋い慕う気持ちの激しさは(強さは)あの神代の昔にも聞いた事の無いほどなのです。
という意味なのだそうです。
伊勢物語ですね。
在原業平の叔父や兄は政権から失脚します。当然業平もその立場。業平は平安朝二代目平城天皇の孫です。業平にとって政敵は藤原冬嗣一派。しかし好きになった高子(たかいこ)は冬嗣の孫。高子の兄弟である国経、基経は高子を天皇に結びつけて政権を維持したい。不倫ではありませんが業平はお忍びで高子に会いに行くのです。国経、基経は屋敷の警備を強くしたのでとうとう業平は高子をさらって逃げ出しますが高子は連れ戻されます。結局高子は7代目清和天皇の妃になりますが、それまでの業平の高子を想う心を詠ったひとつがこの一首です。
そのブログには「竜田川が真っ赤に水を絞り染める」という解説を添えていたそうなので、気になってここにも載せておきました。
解釈が少しわたしとは違うのです。竜田川が真っ赤に映ったのが私の解釈で、この男は竜田川が真っ赤に染まったと説明しているみたいです。
犯人ならわざわざ事件後に疑われるようなことをブログに書くだろうか、それとも灯台元暗しでわざと書いたのか。
犯人とは関係がないから平気で書いたのか。
恐らくは店に行ったのが事実なら平岡さんを最後に見た客でしょうし、容疑者にもなれば事件の重要参考人にもなる人物かと思います。
この一首は好きな女性の事を激しく想う気持ちを表したものですがこの男は誰に対してこの一首をブログに引用したのでしょうか。
想う相手が平岡さんで、その激しい川の流れの上に映し出されている紅葉が「血」に例えられるとした場合、この一首は恐ろしい意味になってしまいます。「水くくる」の意味など普通はわからないでしょう。
事件は紅葉が始まりかけた秋、おそらくは最後に店に現れた客、翌日は仕事が休み、翌々日に書いた百人一首とその詩の内容があまりにも事件にはまりすぎている。
警察が捜査を進めなかったのは、アリバイがあったのでしょうか、ブログ(モバゲー)の話自体が嘘だったかもしれません。
しかし、しつこいようですがこの百人一首を19歳の男が知っていてタイミングよくブログに載せたということが私には気になります。
幼少時にカルタに関わる遊びなどをしたという経験が無い限り思い浮かばないと思うのです。
その中でも、相手を想う気持ちと激しさが伝わるこの一首、さらに季節が秋、そして真っ赤な紅葉とそれを意味するもの。百人一首であるがゆえにここまで考えてしまいます。
この人を犯人とは決めつけてはいけませんが、すくなくとも重要参考人の一人であろうと感じます。
もし、ただの冷やかしだったという場合も、度が過ぎている気がします。
騒がれるようなことをわざとブログに載せる人物。疑われないほうが無理なような話。
冤罪はいけない
無視はできない
しかし、これだとサスペンスドラマの様になってしまう。
犯人だったら自首してほしい
冷やかしだったら事実の部分をできるだけ警察に伝えてほしい
何を想ってこの一首をブログに書いたのか、それだけでも知りたいですがそのブログ(モバゲー)の所在はわからない。